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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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私の名案

 「もうダメダメダメ! なんでそんなに変なのばっかり思いつくの? 」


 (あれ? 私なんか変なこと言った? そんな記憶は......)


 私が今言ったのは、ギアを使ってサバイバルをする、ギアサバイバルゲーム、私が今まで会ったワットをカードにしたワットカードゲーム、そして、1VS1で狙撃対決をする狙撃対決、ギアの加速力を競うギア50メートル走。もうこれで私の名案(笑)は20個目くらいなのに全然OKが貰えないのだ。

 これは麻奈の意地悪か?


 「サバイバルゲームだっけ? それに関してはする場所がない! あと、私たちが今回使うことができるギアの数は当たり前だけどそんなに多くないの! だからサバイバルゲームはダメ! 次にカードゲーム、カードゲームは良いかもしれないけど、それを作る時間がない! あと本番まで3週間くらいしかないんだよ。設定、キャラクター、ルール、いろいろ決めなきゃいけないことがあるし無理! 狙撃対決、これは一瞬とはいえ、首や心臓が撃ち抜かれたりするまでやるんだろうからさ、子どもたちに悪影響を与えかねない。だからダメそれから......」


 もう私は無理なのかもしれない。だってそれくらいしか思いつかないじゃん。20個も言ったのは頑張った方だと思うよ。


 「もう渚は無理そうだね......。雛ちゃん、何かない? 」

 「へぇっ? 私? うーん、そうだなー、そうだ!ストロントのマークが入ったボールすくいはどう? 」


 気まずい空気になる。うーん、なんというか微妙だな......


 「雛、なんというかもうちょっと楽しそうなのが良いかな......」


 そう言って雛を見ると雛は固まっていた。ショックだったのだろう。みんなにあまり反応して貰えなかったのが。


 「雛ちゃん一旦他のを考えておいて......、じゃあ透斗!出番だ! 何か良いアイデアちょうだい」

 「いやいや、麻奈もアイデアがあるだろ! 麻奈から言えよ! 」

 「透斗はまだ何も言ってないじゃん! だから透斗が言うべきだよ! ね?実羽? 」


 もうほぼ強迫のような視線に私は思わず息を飲む。それにしても2人はほんとうに仲が良いなー。


 「それならどっちも言えばいいじゃない」


 実羽がそう言うと透斗と麻奈か両方固まる。私は心の中で実羽に拍手をした。すごい、凄すぎる、という気持ちを添えて。






 ◇






 「たこ焼き、輪投げ」

 「剣のギア使ったダーツ」


 麻奈と透斗がそう言った。


 「麻奈、案外普通だね」

 「食べ物も入ってるしな、食べ物は出せないんだぞ」

 「麻奈、もしかして寝てたの? 」


 私と透斗と実羽が三者三様な意見を言う。雛はどうな反応をすれば良いのか困っていそうだ。


 「だって、全然思いつかないし、食べ物がダメなんて寝てたから聞いてなかったし」


 すると麻奈はすぐに口を塞ぐ。しかし、遅かった。実羽からすごい威圧がかかる。

(あ、これは麻奈おわったな......)


 そして、麻奈は実羽に連れていかれた。いつもなら麻奈は連れていく側なのにね......。


 見に行くのは怖くてたまらないから見に行かなかったので、分からないが、多分実羽からお(せっきょう)されたのだろう。


 「実羽さん、怖いね」

 「もとからだよ」


 そして、私たちは首を長くして、良い案を考えながら待つことにした。





 ◇






 麻奈たちが帰ってきた。

 首を真っ青にしている。そんなに怖かったんだ......


 「ねえねえ、麻奈。透斗がさっき言ってたギアダーツは? 」

 「うーん、渚のよりは多分良いと思うけど......、剣を投げるなんて危なくない? 」


 確かに......と思わず納得してしまう。

 てか、私の時と反応違いすぎない。リーダーとして贔屓はよくないんじゃない! ねえ!


 「もう、良い案でないなー。雛ちゃん、何か良い案思いついた? 」

 「へぇっ、また私? そうだなー、そうだ! じゃあグラウンドを借りてそこでリアル戦争ゲームをやってみようよ!ギアを使って!大規模なものならその分ギアもたくさん使えるでしょ? 」


 この場でそんなことを言ってのけるとは......、雛は勇者にちがいない。一応さっき同じようなことを私が言ったんだけどな......

 案の定みんなが黙る。この空気で雛は失言だと気づき、


 「今日はもう帰らせて......、ッ......」


 早く動き出した方ではあると思うがもう遅い。麻奈がいつの間にか雛の首を掴んでいた。そして、麻奈が雛を引きずる形で廊下に行く。多分雛は麻奈からお(せっきょう)を受けるだろう。なんでこのような悲劇を何回も繰り返してしまうのだろうか......。


 「小鳥遊さんだっけ? あの人はすごい。麻奈が怒られたあとなのに、あんなふざけたこと言うなんて」

 「そうね、渚の案がかわいく思えるわ」


 透斗の声に実羽がそう答える。

 私は苦笑した。

 ていうか、そんなに私の案はダメなのだろうか。

怒られる人多いですね。

ちなみに雛と渚はあまり自覚していません......。


『雛は失言に気づき』とありましたが、あれは空気を読んでまずい、と思い出ていこうとしただけで、何が悪いのかはよくわかっていません。

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