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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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ギアすくい

 グループのメンバーが決まったので、私はグループで使う部屋に移動する。


 私のグループのメンバーは、麻奈、透斗、実羽さん、そして最後に小鳥遊(たかなし)(ひな)ちゃん。

 雛さんのことを覚えていない人もいると思うから一応解説しよう! 雛ちゃんは私と同じ中学1年生で、うちの学校では園芸部員。確か、隠密が得意だったような......。

 私がまだ訓練生の頃は雛ちゃんも訓練生だったけど、今はもう私と同じスーパー隊員になっている。


 「よろしくね、雛ちゃん! 」

 「あー、えっと、うん。よろしく......」


 緊張しているのかとおもったら、なぜか分からないが、恥ずかしがっているのか、顔が赤い。どうしてなんだろう? おっと視線の先には多分透斗(客観的に見れば不正解)がある。これはまさか......


 「ねえ、雛ちゃん。もしかして透斗のことが好きなの? 」


 小さい声で雛ちゃんに言う。


 「いや、違うよ」


 キッパリと切り捨てるように雛ちゃんは言った。


 「じゃあなんで恥ずかしがっているの? 」

 「渚に最初に言ったことがとても恥ずかしいんだよ」


 え?原因もしかして私?それにしても何て言ってたっけ?


 「まあまあ、私はもう覚えてないから大丈夫だよ」


 「あとさ、私のこと呼び捨てで呼んで欲しいな。その方が馴染みやすいし」


 「もちろん! 」


 そんな感じで雑談しているうちに私たちはグループで使う部屋に辿り着いた。





 ◇





 私たちのグループの部屋は3階にあった。建物が大きくても一応ここはストロントの支部だから部屋は狭いのかな、と思っていたけど、意外と広い。中学校の少し広めの教室と同じくらいの広さだった。


 グループの部屋があるので私たちはもちろん出し物係だ! ワクワクするよね!


 「こんなのストロント祭の時以外でいつ使うのかな? 」

 「うーん、ストロント祭以外無い気がする」


 麻奈がそう答えてくれる。てかマジか......。一年に一回しか使わないのにこんなに広い部屋がたくさんあるなんて......。太っ腹だなー。私たちに還元してよ。てかそのお金はどこか......。

 そこで考えるのを辞める。どうせろくでもないことなんだろう。


 「それよりなにをやるか決めないとだぞ、渚」


 透斗にそう言われる。そうだった!と慌てて思い出した。


 「じゃあみんな、何かやりたいことある? 」


 グループのリーダーになった麻奈がそう言う。

フッ、やっとこの時が来たか! 私の頭の中の素晴らしいアイデアたちをみんなに紹介しなければ......。


 「ワットの人形ぶっ壊しチャレンジ! あとはギアを使って直接対決! あとは金魚すくいみたいな感じでギアすくい! あとは......」


 どんどん言おうとすると、


 「マジかよww」

 「なんだそりゃ? 」

 「ありえないわ」

 「一旦待って、本気で言ってるのー?渚ー! 」


 私以外のみんなからさまざまな声が飛ぶ。あれ? なにか変なこと言ったかな?

 代表して麻奈が問題点を言ってきた。


 「まず、渚。1つ目のぶち壊しチャレンジだっけ? それはわざわざ来てくれる子どもたちに悪影響を与えかねないからダメ! 」


 そうかな? 別にそんか心配は無い気がするんだけど......。


 「次に2つ目の直接対決。それもダメ。まず初心者しかもギアに初めて触る子どもたちが最初からギアを使える可能性は結構低いし、それにもしできたとしても倒されたときに出る死の恐怖。これは確実に子どもたちに悪い影響を与える。だからダメ! 」


 (確かに、言われてみればギアを起動しているとはいえ、やられるということは1度死ぬのと同じことなんだ。そんなのをまだ心があまり成長していない子どもたちが体験したら......)

 私の顔がどんどん青ざめていく。なんてことだ!やばいそ!


 「わかった?渚。最後に3つ目のギアすくい。これはダメ! ギアは売り物じゃないし、作れる数も限られているの!だからギアを無駄使いはできないの!」

 「すくったギアを渡さないとしても? 」

 「そんなものに寄ってくる子どもはいないよ! 」


 (まあ、そりゃそーか。私にもわかる。子どもというものはとにかくいろいろなものを欲しがるのだ。金魚すくい風ならなおさら景品が必要になるだろう。だいたいこういうものの景品といえばすくったもの。そりゃ無理だわ)


 まだまだ会議は続く。

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