決着③
1つ目と2つ目は蓮視点、3つ目はシンジ視点です。
ーこのままだと負けるかもしれない......。
でも、だとしても......
「俺は俺の全力でお前らを止める! 」
あのとき俺たちを救ってくれた三島凪みたいに、今度は俺が誰かを救ってみせるんだ!
左腕はもうない。でも、右腕しかなくても、できることがある! 次の瞬間、蓮から大量のエネルギーが溢れる。
もう決めたんだ。俺は、浜松を守ってみせると!
山上に教えてもらった呼吸により空気からエネルギーをもらい、そして、力素をためる。そして、山上と共に開発した技を使う。
「俺はもう止まらない! 『黒突撃! 」
俺は黒い閃光をまといながら、シンジの方に向かっていく。
「ハハハ! いいよいいよ! 僕は嬉しい。君が全力を出してくれてね! 『光線剣』! 」
シンジはたくさんの光線を剣にまとい迎え撃つ。
「「はああああああああああ!! 」」
2つの剣の衝突による衝撃波で何棟もの建物が弾け飛ぶ。
「ばか、やりすぎ......」
マイはそう言い残す。そして、技の衝突によるその衝撃波により、『リターン・ギア』が起動して『リターン・ギア専用室』に帰還した。
◇
俺とシンジの技の衝突により、俺たちが戦っていたところは更地になっていた。高い建物も何棟かあったはずなのにこのザマだ......。
(やべっ......、どうしてこうなった?) やりすぎたか? )
そんなことを考えている俺は、衝撃波によるものか、床に横たわっていた。
近くから足音が聞こえる。
「すごいよ、君! 片腕ないのにあそこまでの威力を出せちゃうなんて! そうだ! 君も僕たちの国に来ないかい? とても楽しいところだよ! そして僕と一緒に切磋琢磨しようよ! 君とならいくらでも強くなれる! 」
興奮気味にシンジがそう提案をする。
俺の答えはただ一つ......
「それは無理だ! 俺はお前たちの侵攻の被害を減らすためにストロントの隊員になったんだ。お前たちの国には行きたくねえよ」
「そうか、じゃあもう終わりだ。楽しかったよ」
先程までの興奮が嘘のように声のトーンは下がっていた。
「く......そ......」
光線が俺の心臓を貫く。そして俺の体は光に包まれた。負けてしまったのだ。
◇
僕は、マイが来る時に使った時空船に乗る。ワット共和国から日本に行くには日本でも飛んでいる飛行機ではなく、この時空船でなけれ来れない。理由は簡単。次元が少し違うところに位置しているからだ。
船内に入るとマイが椅子に座っていた。椅子は5つある。多分行く時には5人いたのだろう。
「4人も死んじゃったんだね。若い子たちが死んじゃうのは悲しい気がするよ」
「ーうるさい......。それよりお前はなぜここに来ているんだ? 」
まあ、それは疑うよね。なにせ、自分が主に命じられた任務なんだ。邪魔されたくないよね。僕もそう思う。
「それは簡単だよ。ワルト様に命じられたんだよ。マイを失うのは嫌だから念の為行って来い、ってね」
ワルト様は幹部が死ぬのをとても恐れている。僕たちにとってはワルト様さえいてくれれば良いけど、ワルト様にとっては誰もが大事な人なのだ。
「1人でも死者が出てしまったなら帰還するように言われている。だから帰るよ。勝てなかったならまた特訓すれば良い話だよ」
「くっ......。わかった。すぐに準備しよう」
こうしてワットたちは帰っていくことになる。
そして、『浜松侵攻作戦』は終了した。




