ー第23章ー
わぁ。良い話。
ー第23章ー
爺…
今僕の目の前には、聖女が座っている。
そう、爺、頼礼瑠 谷継が、僕の婚約者候補という女を城に連れてきたのだ。
「よろしくお願いします。爆滅神大魔王様。私は、隣の王国で聖女をしております、メッチ・焼鬼霊と申します。家族からは、メチ、と呼ばれております。」
「…焼鬼霊聖女、きみは隣の王国トナリダ王国の、ウワックソッ・トナリダ王子と婚約していたはずでは?」
「…はい…ですが、ウワックソッ王子は、私よりも妹の方が好みだった様で…妹と結婚しようと、私を国から追い出そうとしていたんです…そんな時、あなたが奥様をさがしているという噂がトナリダ王国に広まりまして、ウワックソッ王子が聖女の私を魔王様に差し出せば、あなたといい関係が築けるのではないかと提案しまして…」
僕は聖女の話を聞いている間、こんなことを考えていた。
話めっちゃ重いやん!
これ返したらこの聖女ヤバくね?
面目丸つぶれだし王子にもフラレてるんでしょ?
めっちゃ綺麗なのに?
妹の方が綺麗だったのか?
「私には愛想がないと、言われてしまいました…妹は昔から、人に好かれるのが上手かったんです。とても可愛らしい声の持ち主ですから。魅了の力があると、王宮の魔道士さんは言っていました。」
「…なるほど…妹君の名前は?」
「メッサ・焼鬼霊です。メサと呼ばれていますわ。」
「…分かった。婚約を受け入れてやる。ただし、婚約だけだ。結婚はしないし、夫婦にもならない。ただ、君の居場所は作ってやろう。」
「ありがとうございます!!爆滅神大魔王様!!」
「…」
僕は聖女焼鬼霊を尻目に、部屋を出た。
良い話。さすが私。(神崎きのこ)




