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権限転生  作者: 純銀
聖女ベアトリーチェ・ディヴァニス
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ベアトリーチェと聖職サブチームと私

冒険者ギルドにはベアトリーチェも連れてくるはずだった。だけど移動中や自由行動中に町中で 3人も 暗躍されては困るかなと思ったので、私たちの聖女さまはリェリュスやエルゼの子守り役をしてもらって一緒にお留守番中だ。

というわけで今日は、私ミレフィアとルネアン、そしてダルクルトの3人で落ち着いて討伐依頼を物色している。

「何か特別にお得な討伐依頼はないわね~。今回は同じ地方の3~4件を集めちゃいますか。」

「ああ。」

「にゃあ、ミレフィアもダルクルトも、上級冒険者専用の掲示板に何かあるにゃ。」


[ 西方辺境 聖樹シフィラルの村の鎮魂と浄化 ランクB ※聖職者複数の場合ランク不問  ]


私たちは召喚特約付きでランクEのパーティーだけど。宿屋《おうち》で今お留守番中の聖職者さまは、お地元ではランクBだ。受付嬢さんに聞いてみよう。

「西方の国境を越えて入り込んできた主要な魔物は討伐できたものの、その結果シフィラルの村1つが丸ごと呪われている状況です。疫病のようなものが蔓延して、下級の魔物が何度も蘇っていたり。」

「ああ……広まってしまった呪い系の案件ですか~。」


受付嬢さんでは分からない話があるというので、ギルドの副長が代わって話を聞かせてくれる。

「調査パーティーが何度か向かいましても、みんな謎の病にかかって隔離中です。我が王国の大聖人様には経験のない呪いですので迂闊に動けません。正しく調査もできないうちでは、対策に長けた東方の聖老院にもなかなか依頼もできません。」

他国の大聖人様を頼るにも調査ができていない。どうせなら頼らずに解決したい。

これは大変だわ。……あ、でも「対策に長けた東方の聖老院」って。


「パーティーに聖職者が何人かいれば、冒険者ランクが 不問 なんですか?」

「地域全体の呪いですので、封印と浄化と復活を継続して行える聖職者パーティーが必要。それが生還した調査パーティーの見立てです。ですがなかなかそのような冒険をしてくださる聖職者様はどこにも、しかも数人……。」

聖職者メンバーが数人いる冒険者パーティー。

「あ、はい。何とかします。ダルクルト、受注しちゃって。」

「うむ。」

「……は?」


城下町の外れにある野原に、国王からなんとなく認可された合宿キャンプ場がある。

走り込みをしたり、木剣や練習用の防具で素振りをしたり、模擬戦を繰り返す。その部活のような総数は20人。勇者ダルクルトと私ミレフィアの召喚冒険者2人で討伐をこなす度にこの人数にまで膨らんだサブパーティだ。

「ええと~。みんなの中でさ、職業《クラス》が 聖職者 の子って何人いるんだったっけ?」


「修道女でも良いんでしょうか、ヴェルディナと言います。」

「祈祷師って一応、真法《まほう》の側ですよね。シェルファーです。」

「司祭の候補です。司祭になる時が来るか分かりません。ルマディーネ。」

「巫女をやってました。あっ今でもです、ルヴァニエ です。」

「神官の候補ですけど落選すると思います。エルネリシェと申します。」


「すっごい肩書きの『~候補』が2人ほどいるにゃ。」

「5人もいるんだね……。でも、あのね、あなたたち5人ちょっと並んでもらっていい?」

「は~い。」

なんだろう、ここが異世界なのは召喚された私が一番知ってるほうだと思う。でもこの女子たちはみんな聖職者よね。揃いも揃って、

「みんな、胸元が寒くないの?」

さすがにビキニみたいな型紙の子はいないけど、肩とかお臍《へそ》とかなんで露出してるのだろう。

私からFランク+召喚特約付きなステイタス・ホログラムを見せた。それから当たり前に5人全員とステイタス・ホログラムを見せ合う。やっぱりみんな素のランクがC~Eで真法《まほう》の熟練者揃いなのが分かる。そのついでに、私はこっそりスマホをかざしてこっそり確認する。ステータス・マネージャ・ホログラムの略。

今までどの仲間にもした事ないけど、この露出気味衣服チームには 管理者権限による恋心状態の確認閲覧 を行使しました、はい。


「(前職の支給品のこの制服、恥ずかしいな……。)」

あ~誘惑っていうんじゃなくて制服なんだ。ダメなのは異世界のほうなのかも。

「(私たちはファッションモデルじゃないっての。)」

そうそう。でもご当人からそう言われると、いきなり可愛いなこの子たち。

「(お勉強、お勉強。人のお役に立てるようにならなくちゃ。)」

きちんとしてる~。だけど女子らしさってそれだけじゃないと思うよ。

「(勇者さんもいらっしゃってる。きゃ~男の人の前って照れる~。)」

あら……そういう大まかな地点での恥じらい。懐かしいなぁ。

「(私たちは身と心を神様に捧げし運命の女子。)」

そっちに運命を感じるかな……ノルマに追われてる女神とかいるけど?


スマホで人様の恋心ステータスなんて初めて覗いちゃったけど、やっぱり私の考えすぎなんだなって思った。

そういうわけで、総勢20人の女子たちから選ばれた5人が前列に並ぶ。

「聖職のみんなにピッタリのお仕事依頼があるの。明日からのパーティーを臨時編成しましょ。なんとBランクの報酬よ。」

「ベアトリーチェは宿屋《おうち》だけど、ここで決めていいのかにゃ?」

「事後承諾してもらいましょう。」

他の女子たち15人は声援を上げる。

「お仕事い~な~。」

「がんばってきて~。」

「ファイト~。」

全員が私と同じくらいの女子なんだけど、ここはレギュラーメンバーらしくさせてもらっちゃう。

「みんな~、屋根付きの宿屋《おうち》に住みたいか~!」

「おお~~~っ!」

「(……聖職者さんたちの決意表明には思えないにゃ。)」

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