ルネアンと特例受注と私
ギルドに来ました。ここでの冒険者ランクのところを整理するわね。
私ミレフィアとダルクルトは、召喚されて間もないのでFランクなところ、召喚特約で実質Eランク。
ルネアンはちょっと先輩の冒険者なので素でEランク。
ベアトリーチェはなんとBランクなのだけど、セレンテルー王国のギルドでは初登録だったため規約上Eランク。
冒険者が受注できる魔物のランクは自分のランクの1つ下から1つ上までの範囲。原則的に、このパーティーが受注できる討伐依頼はD~Fランクの魔物という事になる。
「Dランクの依頼を受けたいのに……先に持っていかれて全然ないわ。」
「ああ。」
「C~Dランクの冒険者が一番多いからすぐ決まるんだにゃ。朝から粘ったほうが良いかにゃ。」
「Eランクの依頼だと同じ地域で数件欲しいです。なかなか揃っていません。……あ、このCランクの『特例』って何でしょう?」
「Cランクは私たちでは受注資格がにゃいにゃ。」
「でも、よく読んで……ここ。」
「どこ? う~んと『特例:獣人4人以上のパーティーに限りEランク可』、こんな場合があるんだ。受付さんに聞いてみる?」
「いらっしゃいませ。ガルーグル営巣の掃討依頼です。足場がとても険しくて人間のパーティでならCランクが必要なのです。」
なるほど、峡谷の岩場を身軽さで克服できる獣人パーティーになら、難易度も下げられるのね。
「Eランクで受注可能なパーティーは獣人が4人だにゃ? 私1人しかいないにゃ~。」
「あ、何とかします。それの受付をお願いします。」
「ミレフィア、私たちにそんな仲間はどこにも……?」
「ダルクルト……いえ勇者さん? 国王様からは直談判で許可がもう下りてるのよね?」
「うん。」
城下町の外れ、市壁の内側には公用地の草むらが何か所かある。
最近になってここにテント暮らしをする若い女子たちが共同訓練生活をしている。
「いち、に、さん、し!」
「いち、に、さん、し!」
「えい、やあ、はっ。」
「う~~ん、ふ~~~~いっ!」
「はあっ、はぁ。」
木剣と盾で模擬戦を繰り返す彼女たちはまるで合宿のように美しい。
「あ、ミレフィアさん。こんにちは!」
「ちゃんとやってるわね。え~と、名前を呼ばれた子は集まってください。ルミエルダ、フェルネシア、アルヴェニ、エルディ、キャルファナ。ここまで。」
「は~い。どうしたんですみゃ。」
「呼ばれみゃした~。」
「みゃんでしょう?」
「獣人の子が全員だみゃ。」
「うん、みゃたしもだよ。」
総勢20人の女子たちから選ばれて前列に5人が並ぶ。
「ほら獣人の子が5人もいるよね。明日のパーティーに臨時編成しましょ。これでなんとCランクの報酬よ。」
「ミレフィアさ、この女子たちって……誰にゃ?」
他の子たち15人の子たちは声援を上げる。
「お仕事い~な~。」
「がんばってきて~。」
「ファイト~。」
全員が私と同じくらいの子なんだけど、ここはレギュラーメンバーらしくさせてもらっちゃう。
「みんな~、屋根付きの宿屋に住みたいか~!」
「おお~~~っ!」
明日の早朝から出掛けるのはこれで9人になる。
私とルネアンはサブメンバー5人を引き連れて全員分の防具と携帯食料を買い揃えていく。武器はお好みだけど鉤爪や槍や曲刀など、今回は近接戦向けかな。何と言ったってCランクのお仕事なので余裕で元が取れちゃう。
「4人のところに6人いれば安心だみゃって言われても!」
「魔物たちと闘うの初めてだよ~緊張しちゃうみゃあ。」
「私みゃんかにできるかみゃあ。」
「うみゃ~。」
「アルヴェニちゃんがお腹の調子が悪いって~。」
私は彼女たちの才能と頑張りに期待せずにいられない。




