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権限転生  作者: 純銀
セレンテルー王国
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みんなと戦技訓練と私

そういえば初討伐の報酬ではオークが3匹。そしてゴブリンがけっこう多かったので、それなりの収入にはなった。でも全然低ランクの魔物なので余裕にはならない。

宿屋の女主人は、私たちのメンバーが女の子ばかりで部屋が傷まないのと、毎日の食堂のほうが儲かるので嫌がってはいないっぽい。

それはそうとして、1度の討伐報酬では初期装備もこのままだしランクも上げられない。なので私たちは野原に集まって、次の討伐のために戦技訓練を始める事にした。


獣人女子ルネアン・グラウ。

猫と人との合いの子というわけではないので「獣人」なんだけど、見た感じは猫人と呼びたいくらいにはなる。いわゆる猫娘のコスプレという感じでもなくて、いわゆる写実的にAI生成されたかのような眺めていたい可愛さがある。せっかくだから眺めるだけでなくて撫でてもいいですよね。顎下はダメ? じゃあ尻尾のほうを。

セレンテルー王国生まれで一番詳しく教えてくれる住人でもあるけど。獣人街の出身で、割と最近そこから飛び出して冒険者人生を始めた感じ。なので、私たちとの上下関係みたいなものは全然ないよね。

可愛さと俊敏さと野性的な攻撃力を併せ持つ。けれども人間より骨格も筋肉も生まれながら鍛えられているので私たちとは訓練内容も違ってくる。両手に地面用の手袋を付けると四足疾駆移動《スタンピードモード》の走り手になる。建物や樹木に瞬時に駆け昇る。魔物の多くは魔性が掛かった野獣みたいなものなので、この子の野生力が貴重になる場面は多い。


聖女ベアトリーチェ・ディヴァニス。

セレンテルー王国でのご用事を済ませてご帰国の途中だった、小国ルーヴァの聖女様だ。私たちの周囲に気品が一気に漂うんだけど、神殿に仕えて聖職をこなすにはだいぶお若くて、私たちみたいな冒険者と案外以上に息が合う。

もしお金に困った時には聖女様のポケットマネーがいつでも気さくにスタンバイしているのは分かるんだけど、それを頼ったらこの対等な関係が無くなってしまう。とりあえず無一文になった時には貸してもらいたいくらいかな。

こんなパーティーだからと言って、その白い法衣に銀の紋章の出で立ちのお方は本来なら冒険なんかしてはならないと思うんだけど、現場で治癒魔法支援をしてもらえる。後方から支えてくれるその落ち着きと覚悟は本当に心強い。攻撃魔法ではなく治癒魔法のほうが持ち前のはずだけど、それは今まで使う機会が無かっただけのようで、相手を封殺する系の防御魔法の練習を面白がっていたりする。


エルフ女子リェリュス・ルクシェリ。

おそらく山脈の向こうに彼女の里がある、正真正銘のエルフさんだ。魔物に捕らえられてこんな人里に来ちゃったけど、そうなったらなったで好奇心なお年頃でもあったみたいで、人間たちのパーティーに参加して面白がっている。

セレンテルー王国はエルフ族を歓迎する風潮があるので、他所の冒険者パーティーに加わっていたり、城下町を歩いているのを見かける。見た目は人間とはそう変わらないんだけど、年齢の寿命がね。寿命が違うというより、精霊由来で寿命の概念が違うのよね。満何歳なのかは分からないけど見た感じもそぶりもまだまだ少女。

戦いを望まない種族である事と、戦いの強さの有無は、同じではない。彼女たちエルフ族は長弓の使い手で、樹木の霊力を宿したその射的は精密に相手の急所に届く。でも遠距離攻撃が多そうな討伐以外は、お料理をしながらお留守番していて欲しいな。


解放済み奴隷少女エルゼベッタ。

どこかの国からの難民だったのか、何かよほどの理由の孤児だったのかでもなければ。このセレンテルー王国で奴隷になんてならなかったはずなんだけど、年長組くらいの普通の幼い少女だ。とても素直な子。

猫っぽさも、聖なる清さも、神秘さもみんな可愛いけど、普通の幼い可愛さの前ではみんな優しいお姉さんにしかならないわよね。だから時々「きさまどもはこのつかのまのあんねいにひびのおそれをわすれるのもよいだろう」みたいなお喋りのしかたが混ざっても、みんなは「かっこいいわエルゼちゃん。」「長いお喋りがお上手~。」「難しくて素敵ね。」とただ盛り上がる。

ステータス・ホログラムの表示ノイズは成長期にはよくある事だし、お着換えの時だけ淡く分かる全身の紋章みたいに見えちゃう痣は隠せばいいし。スマホで解《わか》る魔力値と本名アゼルフィーネ・デュジエルンギについては私の都合で言えない。

討伐だなんて(……相手が)危ないから、大抵はリェリュスと一緒にお留守番になるでしょう。


そして、私のイケメン勇者ダルクルト。

私との初期メンバーだし、人間同士だし、私は聖職者様じゃないし、森の民でもないし、同じくらいの年齢なので、何か用事があれば私の出番になってもおかしくない。

言葉数が少なくていつも何か遠くを見ているの。そんなイケメンは時々呟くんだ。

「ビキニアーマーってさ、誰か買ってくれないかな……。」

あれ、けっこう良い値段で売れたし。

「高価だから当面無いんじゃない?」

誰が着るの。

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