ハシャギ小僧、淳、参上!
拠点コントロールセンターにて、藤堂司令が戸惑ったように。
「派手に吹き飛んでおるが、構わぬのかね?」
そう問われた梓さんが。
「はい?
封鎖され人が立ち入らなくなったダンジョン区ですよ。
吹き飛んだ廃墟は、経年劣化にて朽ちかけている物ですね。
ハッキリ言って、いつ崩れても、おかしくないレベルです。
危なくて近寄れない建屋も在りますから。
だと言って、再利用用途がない建屋を、費用を掛けて解体する意味もありません。
だから一挙に崩壊させ吹き飛ばしても、問題ありませんわ」
つまり、解体費を浮かせつつ、撤去(吹き飛ば)している訳である。
良いのか、それで。
淳少年がハシャイでおる範囲には、的となる障害物なども。
それを蹴り飛ばし、殴り、手刀にて両断したりと。
最早、兵器と言っても過言ではないであろう。
「しかし、我らが使っておる機体と、性能が違い過ぎんかね?」
メインモニターを観ながら、そう苦情を。
「当然です。
あのレベルの機体は、彼にしか扱えませんので。
もし動かせたとして、魔素適合が低い方は身体が持ちません。
動く棺桶と化しますが?」
まぁ、いくら重力制御による感性中和が成されたとしても、制御にも限界がある。
淳少年が出す速度はマッハ10を超えている。
さらに、その速度域にて気楽なステップを踏んで挙動を変えているのだ。
普通は行えないし、大体、機体が持たない。
この挙動に耐える剛性と柔軟性と言う矛盾を内包した機体。
コレには、ピコマシーンが大いに関わっている。
むろん、次元エネルギーの内包率も高い。
自衛官が淳少年の機体を纏った際には、魔素除去装置をフル稼働させている。
つまりスーツ内は無菌室ならぬ、無魔素室状態になっていた訳だ。
淳少年のスーツは、スーツ内を満たす魔素を前提としている。
その魔素が仲介する形にて、スーツ制御が可能となっている訳だ。
また、スーツ内における緩衝材的役割も。
重力制御装置による感性中和も強化され、操縦者を守るのだ。
ソレがあって、初めて淳少年のようなアクロバティックな動きが可能に。
そんなハシャギ小僧と化している少年から、コントロールセンターへと。
「ねぇ。
ダンジョン、覗いて来ても、良いっすか?」っと。
淳少年が居る場所から、ダンジョン入り口が見える。
ハッキリ言って、ダンジョン区とは言え地上である。
ゆえに、全力とは。
だがダンジョンは異界らしい。
ゆえに、全力全開も可能かも?
その魅力には、なかなか争い兼ねるみたいであった。




