厨房は店の城だ!素人は立ち入るな!じゃ、無いのかよっ!
エプロンを巻いた淳がホールへと。
「で、注文は通ってんですかね?」
そうマスターへ尋ねると。
「いや、コーヒーと紅茶は出したが、スイーツはオマエ待ちだな」
そんなコトをマスターが告げると。
「いやいや。
だからバイトの俺へ厨房任せちゃダメですって!
っか、なんで素人の俺を名指しにするかなぁ」
ガシガシと頭を掻き告げると。
「だってさ、アンタが造るスイーツが美味いんだから、仕方ないじゃん。
しかも、この地区食材と合わせるから、他所よりリーズナブルだしね」
「そうそう。
で、私はパンケーキ!」
「あ!
それ良い!
アタシもー」
「んー
ならぁ、アタイはクレープで」
「そこはパンケーキじゃ無いのかよっ!」
「私はテンプレは嫌いだ!」
「知らんがなぁっ!」
そのような遣り取りの後、渋々、淳少年はスイーツ作りへと。
ふむ。
なかなかの手際だが、何よりも素材選びと配合に組み合わせが絶妙だ。
注文した少女一人一人に、魔素の影響が及ばないギリギリを。
少しでも増えると、身体に不調が現れるだろう。
だが、提供される料理ならば、体内魔素の循環を促し、体調改善がなされる。
実はダンジョン区隣接地域の者達は、ソコへ住まう間に、ある程度の魔素適合を果たしている。
そのため、隣接地域の食材が食べれる訳だが、それでも適量を摂取するのは難しい。
大体が過剰摂取となり、体調を崩しがちとなるのだ。
だが、淳が造る料理を食べると、ある程度ではあるが、体調が改善される。
それを知っている訳では無いのだが、身体が淳の料理を求めるため、足繁く通うコトになっていたりするのだ。
ちなみに少女達だが、魔素検査にて、午後まで体調不良とならなかった者達である。
しかも影響は軽微であり、検査に来た者達が驚いていたりする。
まぁ、本人達は知らないのだが。
そして淳少年。
彼に対しては、全く影響が現れていない。
一応は、二日は様子をみる取り決めとなってはいる。
だが、前代未聞として騒ぎになっているようだ。
まぁ、日々、魔素入りの料理を美味そうに食べているのだ。
パッチテストくらいで、反応が出るハズがない。
淳少年のようなケースは、全国、いや、全世界でも初のケースとなる。
ダンジョン区隣接地域は、世界中に存在するが、隣接地域で農業や畜産を行っている場所は限られている。
っと言うか、日本にしか存在しない。
隣接地域は貧困層が住まうため、農業や畜産を行うと襲われ壊滅するためだ。
日本のように、隣接地域の治安が保たれるコトがないため、無理なのである。




