実は、隣接地域の食材は、美味いらしい。
空の魔素充填器を設置したが、直ぐに結果が出る訳ではない。
まぁ、初の試みであり、成功する保証もないのだが。
だが、この試みが成功すると、隣接地域産の食材を流通させるコトも。
コレは知る人ぞ知るコトなのだが、隣接地域産の食材は、他の地域産の物よりは美味いらしい。
らしい、っと言うのは、隣接地域の者にしか判断できないから、有識者と呼ばれる者達には判断できないからである。
っと言うのも、隣接地域へ住まう者に、有識者と呼ばれるものが居ないためだ。
特に料理関係や食材関係には、だ。
それは、隣接地域外の料理は不味い、っと、隣接地域の者が思っており、外の料理屋や食材に対し、評価する価値も感じていない為なのだ。
まぁ、それは仕方あるまい。
魔素たるピコマシーン。
いや、正確には、ピコマシーンの原動力たる次元エネルギーを有する食材は美味いのだ。
ただ、この世界へ住まう生き物にとり、次元エネルギーが強過ぎ、そのたも毒になっているに過ぎない。
過ぎたるは、及ばざるが、如し、で、ある。
だが、弱い次元エネルギーから徐々に慣れて、ある程度の次元エネルギーに耐えられる者が現れたっしよう。
先に述べた通り、次元エネルギーを含む食材は美味い。
ソレは、高エネルギーたる次元エネルギーを体内へ取り込む為、身体が欲するためだ。
さらに、ピコマシーンが食材の旨みを引き出すように、食材を改造調整している。
不味いハズがないのだ。
そんな食材にて作った料理が、不味いハズがない。
つまり、外より美味い料理を、日々食べている者達が、外の世界を美味いと感じるハズがないのである。
それを前提とした場合、誰が外の世界で調理人や、料理に関する仕事へ?
ゆえに、そちらへ関わる仕事へ就くモノは極端に少なかったりする。
まぁ、マスターのような例外も居るが。
とは言え、マスターも外の料理が美味いとは。
では、何故に外で?
当然、隣接地域の食材にて調理するための技法を習うためだ。
食材は、確かに美味い。
だが、それを調理する技法がお粗末では、話しにならないではないか。
そのため、調理技術を学んだ訳だ。
だが、淳少年の、魔素比率を加減する技法には、全く敵わないのだが。
で、その噂となる隣接地域産の食材が、空の魔素充填器にて出回れば、当然、味わえるコトに。
しかも、隣接地域の産物は、外より収穫量が多いらしい。
なれば、国内の食料供給も楽になる可能性も。
そのような思惑もあり、研究所からの期待は高かったりする。
「しかし、全部デカ過ぎないかなぁ?
しかも、カニやエビ、鯉に鱒や鮒、かな?
明らかに、別種じゃない。
しかも、サザエに鮑に、蛸と烏賊って。
え?
淡水にぃ、何故!?」
大混乱であるが、淳少年に尋ねても、彼も首を傾げているからムダである。




