生簀へ放ったら、元気に動いていますね。
ウナギもだが、川魚は釣って直ぐに食べない。
いや、人によっては、直ぐにたべるやもしれないが、結構泥臭いからだ。
まぁ、清流に住まう鮎や岩魚などは違うかもしれない。
だが、鯉などは泥を吐かせてから食す。
淳少年も、そのコトは知っていたため、生きた侭で持ち込んだのだった。
裏の生簀へ放つと、元気に動き始めた。
コレなら綺麗に泥を吐くだろう。
生簀の水は、整備用機器にて、常にクリーンとなるよう整えられている。
コレ、隣接地域外だと、かなりの消費電力となり、バカにならない電気代が掛かるだろう。
だが隣接地域では魔素濃度が高く、魔素充填器へ自動で魔素が補填される。
そのため電気代が掛からないと言う、裏事情があったりする。
まぁ、バカ正直に明かしたりしないため、隣接地域へ住まう者しか知らないのだが。
生簀へ漁って来た獲物を放った後、喫茶店へ戻る。
そしてマスターへ。
「魔素充填器って、空のヤツある?」
などと尋ねている。
一体、何だろうか?
「はぁ?
空の充填器だぁ?
無い無い。
あんなぁ。
魔素充填器は、魔素が充填されているから、価値があるんだぞ。
魔素が充填されて無い充填器では、電気が得られんだろうが」
呆れたように。
それへ淳少年がな。
「いやいや。
電気を得るコトが目的じゃ無いから」
「ん?
じゃ、何が目的なんだ?」
不思議そうに。
まぁ、魔素充填器は、充填された魔素にて電気を得るための代物である。
その用途にて研究開発され活用されて来たのである。
ゆえに、他の活用法などと言われても、全く理解できないであろう。
「いやね。
魔素を充填する、ってコトはさ、魔素を吸収すんのかなぁ〜って。
だったらさ。
生簀に入れたら、川魚から魔素を抜くなんてコトもさ。
それが出来たら、いろんな人に食べて貰えね?」
マスターが、唖然とした顔で。
「おいおい。
なんてぇコト、考えやがる。
しかし、どう言う発想だよ?」
「え?
いやさぁ。
泥抜きに生簀へ放ったじゃん。
で、泥抜きみたいに、魔素抜きしたら、皆んなが食べれるんじゃね?って。
どう?」
淳少年が告げると、マスターが呆れたように。
「まさか、泥抜きから発想を得たのかよっ!
だが、ソレが出来るなら、隣接地区産の産物を、いろんな場所へ卸せるようになるかもな。
結構、面白い案ではある」
「だろぉ〜」
へへぇん!った感じで。
だが。
「魔素抜きが出来るならな。
空の魔素充填器で魔素抜きが出来る保証なんぞない。
それに、素人が安易に手を出して良い案件でも無いぞ、これ。
ドコかへ相談した方が良いが、アテがなぁ」
マスターが、困っている。
まぁ、マスターの手に負える案件ではない。
仕方ないだろう。




