帰り支度が済んだゆえ、帰りますかねっ!
淳少年は何気なく台車を押して移動しているが、本来ならば、コレは有り得ないコトである。
数十年に渡り放置された道が、こんなに綺麗なハズがない。
いや、以前よりも歩き易い道へと変貌していたりする。
なにせコノ道は、ピコマシーンにて構成された道だったりする。
硬さや平面の滑らかさもだが、滑り難く、更に転倒時にはクッション性が高くなったりする。
しかも、淳少年が移動する箇所に対し、さりげないフォローを。
荷台に対する重力制御を行い、車輪がシッカリと接地され前進をフォロー。
ソレは、淳少年の歩みに対しても。
靴の接地面は、ガッチリと地を捉え、足が上がるタイミングでリリースが。
魔素が少年を軽く包み、体力の消耗を抑えつつ、身体成長を促す。
非常に過保護だったりする。
まぁ、淳少年には気付かれてはいないが。
そんな歩みを進めらダンジョン区の出口へと。
まぁ、隣接地域に出来た壁の破損箇所なのだが。
そこを台車で通るのは困難であるため、トロ箱を隣接地域側へと、持ち上げて運ぶ。
最後に台車を畳んでから、隣接地域側へ。
で、草むらの影にて、元に戻した台車へトロ箱を。
全て乗せ終えたら、辺りを伺う。
まぁ、隣接地域でも民家が近くにないばしょだ。
通る者も絶えており、人が来るコトはあるまい。
それでも騒ぎはゴメンだと、用心しながら草むらから出る。
人が通らず、メンテナンスもされない道。
それゆえ、結構荒れている。
とは言え、不自然でない程度に、ピコマシーンが整備していたりするのだが。
そうでなければ、とても人が通れる道にはなるまい。
そんな荒れた道にて台車を押しながら進む。
トロ箱の上には、ブルーシート。
トロ箱は、外からは伺えない。
まぁ、それでも台車を押して移動していれば目立つのだが。
まぁ、下校時間には至ってはおらず、学生の姿はない。
喫茶店付近だと主婦連中やお年寄りの姿が、チラホラと。
まぁ、喫茶店へ向かっているみたいだと思い、誰も気にしないが。
淳少年が、たまにマスターに頼まれ、買い物へ行くコトを、皆は知っている。
今回も、その関連と考えたみたいである。
喫茶店へ着き、ドアを開ける。
カラ〜ン、コロ〜ン、っと、カウベルがお出迎え。
仕込みをしていたマスターが、カウベルの音を聞きドアの方を見ながら。
「まだ開いて。
なんだ、淳じゃないか。
ヤケに早いな?」
その様なコトを。
ソレへ淳少年が。
「だぁーらぁ、魔素研究所で検査だ、ったしょ!
早上がりだったんだよ!」
そう告げる彼が、台車を押して店内へと。
ソレを訝しそうに見る、マスターだった。




