娯楽目的なら適当な家へお邪魔しないと。ん?通り過ぎた?
淳少年は廃墟と化した町を歩く。
とは言え、ピコマシーンにメンテナンスされており、さほど荒れていないのだが。
とは言え、このような場所は限られていたりする。
ダンジョンと言われる穴近くは、全くメンテナンスされていない。
それはダンジョンへ潜る者達が行き来しており、ダンジョンアタックする者達を支援する施設が存在するため、ピコマシーンが人に知られるコトを嫌うためだ。
そのため、この様な場所は、中央のダンジョンから離れた場所にのみ行われている。
しかも、通常は幻覚にてカモフラージュされており、撮影などを行っても、機械が騙されるレベルで隠蔽されていた。
この隠蔽を回避できる者は、淳少年クラスの魔素適合者だけとなる。
つまり、この世界では、淳少年しか居ない。
そんな淳少年なのだが、家には見向きもせずに、町奥の溜池へと。
農業用の溜池ではあるが、結構な広さがある。
川から水が引かれており、下流へ水も流れ出しているため、溜池の水は結構綺麗だと言えよう。
そんな溜池近くには、漁具が保管された小屋が。
養殖でも行っていたのだろうか?
釣竿なども存在するのだが、淳少年は迷わず網を。
「これ、久し振りに使うけど、出来るかなぁ」
そんなコトを呟きながら、網を取る。
「おっ!
以前は重たくて持てなかったヤツなのに、俺も成長したもんだね」
そんな独り言を告げつつ、網を持った侭で小屋から出る。
「たしか、あの辺りだよな。
多分スッポンだと思うけど、他のカメかも。
まぁ、ヤッてみたら分かるか」
その様に言いつつ、網を構える。
「最近の網より使い難くね?
田端のジッちゃん家で、たまに漁を付き合ってけどさ。
意外と良い漁具使ってんだよねぇ。
アソコの魚は、隣接地域の飲食店に卸してから、結構な小金持ちだし。
まぁ、取れた魚の御相伴を狙って手伝ってけど、なんかウナギとかスッポンは漁れてないんだよなぁ。
ココで漁れたら有難いんだけど」
どうやら、ウナギとスッポン狙いらしい。
いやいや。
確かにウナギは美味かったのだろう。
だが、アレは職人が腕にヨリを掛けて作った品だ。
同じ物を作るのは、無理だろう。
だが。
「確かマスターは、昔に鰻屋で働いていたらしいし。
っか、色んな店を、渡り歩くみたいに働いてたみたいなんだよなぁ。
だから料理知識、半端ないし」
あー
マスターに捌かせるつもりか。
マスターは器用貧乏ではないが、様々な業種の飲食店にて働いた経験が。
まぁ、大半がアルバイトでだが。
だが、腕は、そこそこに良いため、忙しい店ほど厨房を任されるコトに。
まぁ、賄いにて腕が認められ、即戦力と判断されてからは、だが。
そんなマスターの腕を、アテにしているみたいである。




