常識人の梓さんと、研究バカの室長さん。
話しが一段楽ついた、っと判断した梓さんが。
「では、お話しは終わったみたいですので、淳さんを送って来ますね」っと。
すると。
「君は、何を言っとるのかね?」
そう室長が、不思議そうに。
「はい?
いや、話しは終わりましたよね?」
首を傾げる梓さんへ。
「いやいや。
肝心な要件が残っているだろうに」っと、ため息を。
いや、肝心な要件?
なんだろう?
「はい?
来て頂いたのは、魔素適合検査のためですよね?
現在行える適合検査である、プロテクトスーツの籠手装着で、検査では最高基準の籠手を、装着していますが?」
「けどさ。
ココへ用意した籠手は、試して貰ってないだろ?」
検査室へ用意されなかった、上位機体の籠手である。
「それって必要ですか?
連れて来るように指示され従いましたが、検査範囲外ですよ?」
そう梓さんが告げるが。
「それは、可能性が0の者にさせるだけ無駄だからだよ。
害にはならないけど、後がつかえるからね。
けど、彼の場合は、適合する可能性の方が高い。
ならば、試さない謂れはないね」
そこまで言われたら、相手は上司である。
従わない訳にはいかない。
「片山さん。
申し訳ないのですが」
済まなそうに、梓さんが。
「大丈夫ですよ。
籠手を着けるだけですよね?」
淳少年には、梓さんが、何を済まなそうにしているのか分からない。
まぁ、確かに害はない。
ただ、普通に動くと思い、雑に動かして適合してなく、たまに痛めたりする場合も。
なので、無理な装着は差し控えるものなのだ。
だと言うのに、完全に未知なる状況にて、装着を試すコトに。
なので梓さんが、心配しているのである。
いや、あったのだが。
「え!?
うそ!」
梓さん、ビックリ。
「うん、ヤッパリね」
室長、納得。
室内は騒然と。
まぁ、全ての籠手を、楽々と装着すれば、そうなるであろう。
「ふむ。
面白いね。
ねぇ、片山君」
「なんでしょ?」
「穿孔先防護服。
いや。
穿孔先活動服を、着てみない?
僕が造ってる最中の実験機なんだけどさ。
安全は保証できるよ。
けどね。
義体型素体をベースにした簡易ロボットでは、生のデータが録れなくてね。
君が纏ってくれると、助かるんだけど」
「ちょっ!
室長!
彼は部外者ですよ!
本気ですかぁ!!」
梓さんが、悲鳴を上げるように。
「むろん、本気だよ。
彼に頼むバイトも、元々、穿孔先防護服の着用テストだったんだ。
だが、最新の穿孔先防護服の籠手を全て着用できたからね。
だから彼なら、穿孔先活動服を纏えるかもしれないじゎないか。
是非とも、試して貰いたいものだね」
う〜むぅ。
完全に研究者の目に。
マッドではないだろうが、研究バカの目だ。
これは、止まらないであろう。




