頑張る淳君、料理が提供されたみたいです!
野次馬学生達は、軽食やスイーツが来て夢中になっている。
淳の料理だが、味もだが香りが凄いのだ。
運ばれて来る間に漂う香り。
この香りを嗅いだだけで、食べたくて仕方なくなる。
だが、個人差があり、運ばれて行く先の客が、一番ソワソワしているみたいなのだ。
実は、コレには理由がある。
客に合わせて調理しているため、対象客に一番刺さる料理となっているためだ。
そのため、他の客も美味そうな香りとは、感じるのだが、運ばれる先の客ほどではない。
で、香りで焦らされ、届いた料理を口へ。
目が見開かれ、貪るように。
美味い、不味い、を、口にする余裕などない。
頭の中は、食うコト以外に考えられない。
っと、言うのも、己へ最適な魔素量に調整された料理が、食べる側の肉体へマッチ。
そのため身体が料理を求めるのである。
そう言う意味では、美味い、不味い、の領域を超えていると言えるであろう。
美味い者を食べると笑顔になったり、騒いだりする。
だが、真に美味いと静かに食べるもの。
だが、心や肉体にダイレクトな感じで訴えられる美味さなら?
それは静かに、どころではない。
貪るのだ。
マナーなど関係ない。
何故なれば、その料理しか頭に無いからだ。
もはや、食うコト以外に意識は向かない。
いや、意識もしていないか?
全ては食うコト。
考えるコトも出来ない。
味、いや、美味さの津波?
いやいや、渦潮に呑まれ翻弄されている。
常連客なれば、慣れているから、そうはならない。
だが、一見さん達は全員、料理に呑まれていた。
「あれ、懐かしいなぁ」
「ホーント。
アタイらも、前は美味さにヤラれてたし」
「アナタなんてさ。
惚けて暫くは反応しなかったから」
常連三人娘が、そのようなコトを。
で、料理を食べた客は帰るのだが、魔素適合者を見に来ただけの野次馬だから、忙しそうな淳に話し掛ける隙も無いられば、当然であろう。
だが、この段階で問題が。
「はい?
同じの頼んだよな?
なんで俺の方が高いんだ?」
「いや、高いって言ってもさ。
この学校帰りに偶に寄る店より、遥かに安いんだけど?」
その様に騒いでいる。
それへマスターの娘さんが。
「それ、地域内食材の量で値段が変わるんです。
地域内食材は安いですから、分量が増えると安くなります。
ですが、魔素含有量が高いため、分量が増えると魔素毒に犯されますので。
淳君が、人に合った分量で調理しているから、安心して提供できるんですよ」
それを聞いた一見さん達が驚いている。
「一人一人で?
だから、コッチが高いのかぁ。
俺、地域外だかんなぁ。
まぁ、地域側だから、ほとんど地域内と変わないけど」
ダンジョン区から離れる程、魔素が薄くなるため、そうなるであろう。




