どうやら母親が来たようで、帰宅と。いや、荷物、多くね?
淳と店長の奥さんが話していると、敦の母が現れた。
「お待たせ。
引き継ぎが長引いちゃったわ」
そんなコトを言いながら現れた彼女は、買った食材を携えていた。
二人分にしては多いみたいなのだが?
「あらあら?
それでは足りないでしょ?」
いや、なんですとぉ?
「どうせ、破棄対象の貰い物を計算に入れてるんですよ。
っか、それ、今回の?
多くないっすか?」
店長の奥さんが、食材を入れたキャリーバックを。
いや、キャリーバックで運ばないとダメな量って。
「あー
今日は中山さんがイノシシを狩ったのよね。
畑の駆除だから、余るって持って来たのよ。
特にアツ君に、お裾分け、だって。
で、角煮が食べたいみたいよ?」
「わーい。
材料持参でリクエスト?
マジですか?」
淳が困ったように。
そしたら、店長の奥さんが追撃を。
「調味料とか他の食材は、私が追加したからね。
よろしくね」
「催促が、露骨過ぎないですかねぇ。
まぁ、良いっすけど」
で、受け取って帰宅へと。
結構な重量なのだが、淳はケロッとした感じで。
まぁ、魔素と言うか、ピコマシーンのアシストが効いているため、軽いものである。
淳はキャリーバック以外にもリュックを背負っている。
喫茶店から持って来ているのだが、コチラも食材だ。
喫茶店にて提供している焼き菓子は、淳が作っていたりする。
その材料だ。
家に帰り、まずはシャワーを。
先に淳が入るのは、後からマタ入るのと、母親が長風呂なのもあるが、夕食の支度をするためだったりする。
淳の母も調理はできる。
一般家庭レベルでは、だが。
そうなると、当然ながら魔素毒な強い品へと。
そんな品を食すと、当然ながら魔素毒に犯されるコトに。
なので、淳が母親用に調理する訳だ。
まぁ、チャッカリ自分のも作っているが。
その手際は、既にプロ級と言えるであろう。
母用と自分用は分けて作る。
しかも複数の品をだ。
下拵えしつつ脇に避け、場を確保。
角煮の下処理を、さらに数種の焼き菓子を作る準備まで。
アニメなどで、料理人が分離して分身にて複数作業するシーンがある。
そんなシーンが、現実で再現されているとは、誰も知らないコトであろう。
いや、違う。
母親だけは見ているが。
家政婦は見た、では、ないが、風呂上がりにて戸口から顔を出して。
「また、分身使ってるわ。
ウチの子ながら、どうなっているのかしら?」
カナリ戸惑ってはいるが、最早、日常の一部である。
慣れたモノなので、驚きはないみたいである。
しかし、これが日常?
酷い日常も、あったモノである。




