母を迎えに三千里、いえ、近くのスーパーですが? by 淳
食事を終え、淳は帰宅するコトに。
とは言え、歩いて五分も掛からないのだが。
帰り道の途中にあるスーパーへ寄る。
買い物では無い。
母親を迎えに来たのだ。
そのため裏口の事務所スペースから中へと。
何時ものコトなので、店員達も気にしない。
母が来るまで暫し時間が。
で、事務所で待つ訳なのだが。
「アツ君。
何時も偉いわねぇ」
そんなコトを言いながら、店長の奥さんがお茶を出してくれる。
「あ、どうも済みません」
そう告げながら、茶を受け取る。
このスーパーは個人経営であり、企業配下ではない。
まぁ、企業が参入しようにも、魔素毒により外部の者は入り込めない。
つまり、地域住民にしか経営できないのだ。
そのため、政府からの補助もあり、個人経営でも成り立っているのである。
まぁ、ダンジョン区にて働く者達が住まう地でもあり、政府も無碍にできないのが実情だ。
何せ、魔素バッテリーをダンジョンへ持ち込めば、自動で魔素充填される。
魔素は特殊溶液に溶け、その状態なれば外部へ持ち出しても問題はない。
で、驚くコトに、充填されたバッテリーから電気を得るコトが可能なのだ。
しかも、一つのバッテリーで原子力発電所で、発電機一機が一カ月に発電する電力が、人が持ち運べる大きさのバッテリーへと。
大体、自家用車へ搭載されるバッテリーの半分程度だろうか。
つまり、電気を使用する機器についてのエネルギー問題は、ダンジョンから得られる魔素バッテリーにて賄える訳だ。
しかも尽きるコトの無い資源である。
日本のエネルギーの大半は、魔素バッテリーへと切り替わっているのだ。
だが、その肝心の魔素バッテリーをダンジョン区から外部へと運ぶ手段がない。
ちなみに隣接地域でも充填は可能だが、まぁ、家庭用なれば良いが、企業や工場で使用には耐えられないだろう。
しかも充填速度が遅過ぎる。
ならば、遠隔で操作しロボットなどで持ち出せば。
むろん、試みている。
だが、電波もだが、電線を使用した通電も、距離があると魔素に阻害され切断状態になるのだ。
そのため、遠隔操作は不可能だ。
後は精密機器も魔素の影響にて誤作動を起こし、全く使い物にならなかったりする。
後、余談だが、火薬などは全く発火しない。
薪などは燃えるが、ガソリンや可燃ガスも着火不可能となる。
なので、銃などでの武装は不可能であるコトは、知られている。
そんなダンジョン区へは、魔素適合者しか立ち入れない。
つまり、そのような適合者が魔素バッテリーの充填と搬入搬出を行っているのだ。
そんな適合者が暮らす隣接地域を無碍にできない。
ゆえに、政府からの手厚い支援となっていた。




