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裁判

「起立・礼」

裁判長「ただいまから、被告人ノークン・ツェアードに対する殺人罪事件の公判手続きを開始します」

裁判長「ルッケン地方裁判所157年ワ第1089号事件第一回公判を開廷します」

ノークン(マジ?)

――――――――――――――――――――

試験官との戦闘が終わり隔離結界が解かれる

そしてノークンに対し大量の視線が送られる

ノークン(成る程ねぇ、こっから説明って訳だ…)

――――――――――――――――――――

そしてここにいる人たちに説明をした、アイツがさっきしようとしたことは転移魔法に見せかけた攻撃魔法で帰ろうとする者を皆殺しにしようとしていたから止めたら戦闘に発展したなど時間がかかったが結果として皆納得してくれた

ノークン(これで大丈夫かな?)

セン「あ、あのぅ…」

ノークン「ん?どうした?」

セン「いや、えっとぉ…その大丈夫ですか?」

ノークン「え?……ア゙ッ」

ノークン(成る程ね、皆は大丈夫でも僕は大丈夫じゃなかったか…)

バタッ

――――――――――――――――――――

ノークン(見慣れない天井だな、ここは…本当にどこだ?)

ガチャ

ノークン「ん?」

ガチャガチャガチャ

ノークン「あれ?開かない…鍵が掛けられてる?…んな馬鹿な内側から開けられない鍵なんて……そもそもこっちが内側?いや内側だよね…なんかあれだな隔離されてるというか収監されている気分だよ、本当に」

ノークン(…魔法でブチ壊してやろうか?)

目覚めてから数分たち、ちょっと物騒なことを考えていると

ガチャ

ノークン「?」

「こんにちはツェアードさんお目覚めになりましたか、お体は大丈夫ですか?」

そういい5名の集団で入って来た

ノークン「あ、あぁまぁね」

「そうですかそれはよかったです」

ノークン「ねぇ、ここはどこ?君たちは?」

コマ「私はコマ、周りにいる人は護衛そしてここは医療室、ですかね?」

ノークン「医療…室?それにしてはなんか頑丈じゃない?それに患者に会いに来るのに護衛が必要なのかい?」

コマ「それについて話しましょう、ここは医療室と言いましたがこれは半分の意味です、もう半分は隔離室ですね、じゃあ次に貴方が何故ここにいるか、ですけど今貴方極悪な犯罪者になりかけてるんですよ」

ノークン「は?」

コマ「まぁまぁ、落ち着いて深呼吸」

ノークン「え?あ、はいふぅ…はぁ」

コマ「はい、ではなぜ貴方は今犯罪者になりかけているのか心当たる点はありますか?」

ノークン「なぜ犯罪者に…あ、試験官…」

コマ「はい、そうです貴方は殺人を犯してしまいましたね?」

ノークン「うん…まぁはい、それは認めるよだけどなんで犯罪者じゃなくて犯罪者になりかけてるなんだい?」

コマ「裁判をしてないからです、つまるところまだ貴方にはチャンスがあるんですよ」

ノークン「な、成る程?」

コマ「私実は弁護士でしてね?貴女の弁護をさせて欲しいんですよあ、安心してくださいこれでも弁護士としては優秀なんで」

ノークン「え?まぁ別にいいけど一応理由を聞いておきたいんだ」

コマ「そうですねぇ…私、犯罪者に対して結構辛辣な考えをしてるんですよね…実際やっちゃったこともありますし、ですけど私冤罪というものがどうしようもなかった時というものがあると知ったんですよ、その人たちがあんなどうしようもない人たちと一緒にされるのはちょっと可哀想だなって思ってまして、私犯罪者目線を知ってるので、それでそんな人たちを救ってあげたいなって思って弁護士になったんですよ…今回の事件に関しても最初聞いた時はへぇ、死ねばいいのになぁって思ったんですけど気になって調べてみたらそうでもないみたいじゃないですか?確かに貴方は人を殺しましたけど、それに至るまでの理由がちゃんとありますしなんなら他の人を守る為にやったのだから逆に褒められるべきなんじゃないかなって思いました、なんか何があっても殺人は犯してはならないなんて言ってる人いますけど私はそうではないと思ってまして、だってそうじゃないですか?正当な理由があったらしていいと思いません?」

ノークン「は、はぁ?」

コマ「あ、別に共感はしなくていいですよ?」

ノークン(いや、してないが)

コマ「私が言うのもなんですが私がでなくても今回の件は無罪となると思うのですがそれでも大丈夫ですかね?私がいた方が確実ってだけで」

ノークン(…ま、まぁいることに損はないでしょ、不安だけど)

ノークン「うん、確実にしたいからお願いするよ」

コマ「わかりました、料金はこれくらいでお願いしますね」

ノークン「わかりました」

コマ「それでは裁判は1ヶ月後になりますのでそれでは」

ノークン「それでは」

――――――――――――――――――――

そして今

ノークン(マジ?う〜んおかしくない?僕はただ大量殺人をしようとした奴を止めたら喧嘩売って来たから“しかたなく”殺しただけだよ?…いや、それがおかしいから今こうなってるのか?)

裁判長「お名前は何ですか?」

ノークン「ノークン・ツェアード」

裁判長「生年月日を教えてください」

ノークン「全暦205年5月13日」

裁判長「能力を教えてください」

ノークン「時の旅人(タイムワープ)

裁判長「住所はどこですか?」

ノークン「ありません、旅をしながら生きているので」

裁判長「本籍はどこですか?」

ノークン「未来のルーナ国、ブーケヒム県ロッド氏ケタニ村です」

裁判長「ご職業は何ですか?」

ノークン「今は無職です、強いて言えば旅人です」

裁判長「貴方には黙秘権があります。終始沈黙したり、あるいは質問に対して答えを拒むことができますが問に対して答えた内容は、貴方にとって有利な証拠としても、不利な証拠としても使われます」

裁判長「検察官、起訴状を朗読してください」 

検察官「被告人は、冒険者第一試験終了当日午前6時30分頃待機場において同試験試験官ロスト・ゼッキーを殺害した。罪名及び罰条 殺人罪 刑法第150条」

裁判長「先ほど言った通り貴方は黙秘権という権利がありますので、言いたくないことは言わなくても問題ありません、先ほど検察官が読み上げた起訴状の内容に間違っているところはありますか?」

ノークン「いえ、ありません」

裁判長「弁護人の意見はどうですか?」

コマ「被告人と同様です」

裁判長「一旦、元の席に戻ってください、検察官、冒頭陳述をどうぞ」

検察官「被告人の過去は不明、被告人は、冒険者第一試験終了後、待機場にて退場者を転移魔法にて戻そうとしていた被害者のロスト・ゼッキーさんの突如として魔法陣に介入しそのまま戦闘に発展させ装備していた剣で殺害、現場には干渉を受けたと思われる不可解な転移魔法と思われる幾何学模様陣星型多角形型魔法陣の魔痕が確認されています、そして被害者の遺体には被告人の剣が刺さっており、保管しました」

裁判長「弁護人、冒頭陳述をどうぞ」

コマ「被告人は被害者が事件時、転移魔法に装った設置型攻撃魔法陣を展開しようとしていたところを確認した為介入し、理由を聞いても被害者ははぐらかした為とりあえず拘束する為に戦闘になりどちらも重傷を負い結果として被害者を殺害してしまいました、ただしこれは志願者を守る行為、そして自分の身を守る為の行為です、証拠として現場に転移魔法に偽造したと考えられる魔法陣があり、転移魔法ではあり得ないような大きさの魔痕、設置型の幾何学模様陣星型多角形型魔法陣の魔痕が確認されています」

裁判長「検察官は証拠について説明してください」

検察官「まず、1番目の証拠は被害者の遺族であるアンナ・ゼッキーさんからの被害届、2番目にその時に居合わせた志願者達の供述調書です、事件時居合わせた志願者たちによると被害者の転移魔法にて帰ろうとしたところ突如として魔法陣が崩れ気がついたら近くに被告人がおり、そこから少し会話した後戦闘になった、そしてその会話の中には被告人が「もういいやってられないね、ここでお前をぶっ殺して退出する」と言ったという証言などの内容になっています、3番目に被害者の遺体に刺さっていた剣の報告書です、この剣からは被告人の指紋、そして僅かな被告人の魔痕が検出されました、その剣を被告人に示します。まず、この剣は警官隊が到着した際に際に遺体に突き刺さっていた剣です、誰のものですか?」

ノークン「僕のものです」

裁判長「それでは、次に志願者の一人のカナ・サカエさんから、証人として話を聞きます。ノークン・ツェアードさんには嘘を言わないという宣誓をしてもらいます、宣誓書を読み上げてください。」

ノークン「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います。」

裁判長「いま宣誓してもらったとおり、質問には記憶のとおり答えてください。わざと嘘を言うと、偽証罪という罪で処罰されることがあります。では検察官どうぞ」

検察官「貴女は帰ろうとしてましたか?」

カナ「はい」

検察官「魔法陣を展開される時に不審に思った点などありましたか?」

カナ「いえ、特には」

検察官「被告人と被害者が話している所を見ましたか?」

カナ「はい」

検察官「どんなことを話していたか覚えていますか?」

カナ「ところどころですが…ノークンさん?が確かもういいぶっ殺してやる的なことを言っていましたし試験官さんも挑発をしていたような気がします」

検察官「実際に被告人と被害者が戦闘をしている所をみていましたか?」

カナ「はい」

検察官「戦闘をしている際被告人はこの剣を使っていましたか?」

カナ「はい、確かその剣だったと思います」

検察官「この剣で被害者に危害を加える所を見ましたか?」

カナ「はい、よく覚えています胸のあたりに思っイキりグサッと」 

検察官「貴方はどうやって事態を知りましたか?」

カナ「ノークンさん?から説明を受けました」

検察官「終わります」

裁判長「次に弁護人どうぞ」

コマ「貴方は事件時待機場にいたんですね?」

カナ「はい」

コマ「被告人と被害者はどのくらい会話してましたか?」

カナ「短かったと思います、一分程もかからなかったかと」

コマ「先ほど被害者が挑発したことは“気がする”とのことであまり覚えていなかったようですが、なぜ被告人の言葉は“気がする”ではなく自信を持って言えるのでしょうか?」

カナ「記憶にそうあったからです」

コマ「一分もない会話の片方の記憶が曖昧なのに本当に自信をもってそう言えるんですか?」

カナ「…自信をもっては言えないかもしれません」

コマ「ではどちらが先に挑発したかは分かりますか?」

カナ「自信はないんですけど確か試験官さんの方だったと思います」

コマ「被害者の方は会話でなにか言ってましたか?」

カナ「私の魔法陣に介入できたのにそんなこともわからないのか?みたいなことも言っていたような気がします」

コマ「終わります」

裁判長「それでは終わりました、検察官は残りの証拠について説明してください」

検察官「残りは警官が被告人から聞いた話の内容が書かれている供述調書です、被告人の情報晶石に触れた際の情報、弁解内容について書かれています」

裁判長「では、被告人質問を行います、弁解人どうぞ」

コマ「貴方は被害者を殺害したんですね?」

ノークン「はい」

コマ「殺そうと思って殺したわけではないんですね?」

ノークン「はい、結果的にそうなってしまいましたがあくまで捉える為です」

コマ「終わります」

裁判長「それでは、検察官どうぞ」

検察官「貴方は本当に被害者が志願者を殺そうとしたところを見たんですね?」

ノークン「はい、間違いありません」

検察官「なぜ、そう言えるんでしょうか?」

ノークン「転移魔法の魔法陣は二段階の層になって展開されます、1番下に転移させる座標の式、2番目に転移の式の順番の2層です、ですが試験官が使おうとしていたのは三段階層の魔法陣で一番上の魔方陣には重力魔法の式が描かれていました、現在の転移魔法に重力魔法は必要ありませんしそれにもし古い魔方陣だったとしたら3層では収まりません、それに一番下の魔方陣には設置型攻撃魔法陣特有の式が埋め込まれていました、その為魔方陣に介入し書き換え壊しました、それに転移魔法ではあり得ないほどの魔力の流れが確認できました」

検察官「書き換えて転移させることはできなかったんですか?」

ノークン「できました、ですが証人は多いほうがいいと思いあえてしませんでした」

検察官「志願者には事態の説明をしましたか?」

ノークン「はい、その後倒れました」

検察官「本当に殺意はなかったんですね?」

ノークン「はい、ありません」

検察官「では「もういいやってられないね、ここでお前をぶっ殺して退出する」はどの様な意図があり言ったんでしょうか?」

ノークン「特に意図はありません、試験後で感情が高ぶっていたのと混乱していたので出てしまっただけです」

検察官「では本当に殺意はなかったんですね?」

ノークン「はい、あくまで自分と周りの身の安全を確保したかっただけです」

検察官「終わりです」

裁判長「これにてルッケン地方裁判所207年ワ1089号第一回公判を閉廷します」

――――――――――――――――――――

    第257期冒険者試験試験官殺害事件

  ルッケン地方裁判所157年ワ2089号第一回公判

      被害者:ロスト・ゼッキー

      加害者:ノークン・ツェアード

      判決:無罪

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