~第七十六話~
次の日になって、僕は目が覚める。
今日は、いつもどおりに学校があるので、目が覚めた後、洗面所に顔を洗う事にした。
洗面所に辿り着き、顔を洗った後、身だしなみを整えてからリビングに行く。
リビングに辿り着くと、朝食を用意している朱莉母さんと、テレビを見ながら、コーヒーを飲んでいる圭吾父さんの姿があった。
「おはよう、お父さん、お母さん」
僕がそう言うと
「おはよう、聖、うん、今日も可愛いなあ」
「おはよう、聖ちゃん」
「お父さん……息子に可愛いとか言わないで欲しいんだけど……」
「だって見た目、十分に可愛いぞ?」
「ほんとそうよねー、今の感じだと、将来になると美人さんになるんじゃないかしら? 聖ちゃん」
「母さんも何言ってるの……」
僕はそう呟きながら、椅子に座り、出されている朝食をとる事にした。
朝食のメニューは、目玉焼きにご飯、味噌汁にポテトサラダだった。
朝食をあっという間に食べ終わり、一度、自分の部屋に戻る。
部屋に戻ってから、山野辺高校の制服に着替える事にした。
着替え終わった後、黒のヘアゴムを取り出して、長い長髪を後ろで縛り、ポニーテール姿にした。
その姿にした後、鞄の中身をチェックして、自分の部屋を出る。
外に出ようとすると、朱莉母さんがやって来て
「はい、聖ちゃん、今日のお弁当ね?」
そう言って、僕にお弁当箱を渡してきた。
「ありがとう、お母さん」
「今日はちょっと新しい事にチャレンジしてみたから、お昼楽しみにしててね?」
「新しい事?」
「それは、お昼になってから開けてみてね? それじゃ、行ってらっしゃい」
そう朱莉母さんが言うので、「行って来ます」と言って外に出る。
外の天気は快晴で、雲ひとつなく秋晴れの天気だった。
学校指定の通学路を歩いていると、途中で
「お、おはよう、聖」
そう言って来たのは、同じクラスの亮太だった。
僕は外なので、低い声で、亮太に話し掛ける事にする事にした。
「おはようございます」
「ああ、なあ聖?」
「何ですか?」
「修学旅行のお土産、持ってきたか?」
「……あ、忘れました……そういう亮太は、持って来たんですか?」
「ああ、ばっちりだぜ? 先輩達と翠先生にあげるのをな」
「……僕も持って行った方がいいですかね?」
「別に明日でもいいんじゃないか? 先輩達、怒らないと思うぞ?それに、今から戻ると、完全に遅刻じゃないか?」
そう言われて、考えてみると、確かに今、戻って取りに行ったら、遅刻確定だった。
「……そうですね、じゃあ、明日持って行く事にします」
「ああ、そうしとけよ?」
そう話しながら、亮太と一緒に歩いていき
通っている山野辺高校に辿り着く。
校舎の中に入り、自分のクラスに入って、自分の席に着く。
席に着いてから、鞄の中身を机の中に入れた後、ぼーっとしているとチャイムが鳴って、担任の碓井先生が入って来た。
「みんな、おはよう、では、出席を取るぞ」
そう言って出席を取っていき、全員分を取り終わった後
「じゃあ、連絡事項だが、来週にテスト週間となっているので、しっかりと予習復習をしておくようにな? そのテストで、もし赤点を取ったら、冬休みでも学校に来て、補習を行う事にしたので、くれぐれも赤点は取らないように、では、授業を始めたいと思う」
そう言って、授業が始まったので、僕は授業に集中する事にした。
授業内容は、結構難しくなっていて、覚える事が沢山あった。
しかも先生が「ここの問題、ちゃんとノートに書き込んでおくように、習った所をテストに出すからな?」と言っていたので、赤点を取ると、補習と言っていたから、補習は取りたくないかな……と思ったので、しっかりとノートに書き込んでいくと、書き込みまくったのか、ノートが文字でいっぱいになってしまった。
うん……新しいノート買った方がいいかな? と思いながら、まだ一度も使っていない最後の一冊のノートを取り出して、黒板に書かれてあった文字を、ノートに書き込む事にした。
時間が過ぎていき、お昼の時間になったので、お弁当を持って、亮太と一緒に、放送室へと向かった。
放送室に辿り着くと、先輩達と顧問の朝崎翠先生がいた。
「あ、二人ともお久しぶり」
「お久しぶりです、彩部長」
「ところで、二人とも、お土産はあるか?」
「翠先生、いきなりそれですか?」
「ああ、で、どうなんだ?」
「俺は持ってきてますけど、聖は忘れて持ってきてないです」
「そうなのか? 天野」
「はい、明日になりますけど、それでいいですか?」
「ああ、それでいいぞ? で、赤井のお土産は、何だ?」
「あ、これです」
そう言って、亮太が大きな箱を取り出した。
「南京名物の、南瓜クッキーと言うのを買ってきました」
「へー、南瓜クッキーね? 結構美味しそうね?」
「む、箱を開けてみると、結構入ってるんだな? じゃあ」
「ちょっと、翠先生、取りすぎじゃないですか?」
「いいじゃないか、まだ沢山あるんだし」
「それもそうですけど……じゃあ、私達も頂きましょうかね?」
「ええ、あ、太一、一人で多く取っちゃだめよ」
「何で俺にだけ言うんだ? 洋子」
どうやら、亮太のお土産、先輩達は気に入ってるみたいだった。
僕の買ってきたお土産……気に入ってくれるかな? と、ちょっと思ってしまった。
とりあえず、先輩たちがクッキーを食べているので、僕は母さんの作ってくれたお弁当箱を開いて、中身を確認してみる。
中を見てみると、焼肉が入った焼肉弁当っぽい品物だった。
時間が経過しているから、ご飯とかお肉が冷めちゃっているけど、味付けがいいのか、結構美味しく、残さず完食した。
食べ終わった後、彩部長が
「あ、今日のラジオ当番は、聖君と亮太君にお願いするわ、いいかな?」
「俺はOKです、聖は?」
「う、うん、僕もいいよ」
「じゃあ、二人とも準備してね?」
「はい」
そう言って、今いるルームから、ブースの方に移動して、マイクの調整をする。
いきなりやってと言われたけど、もう何回もラジオをやっているので
ぶっつけ本番でも、緊張とか湧いてこなかった。
合図があるのを待っていると、スピーカーから洋子先輩の声で
「これから、昼の放送を始めます」
と聞こえたので、僕と亮太のラジオが、始まるのであった。
久しぶりな感じがする、昼のラジオを行なう事にした。
「皆、こんにちはー、今日も始まりました、ヤマノベラジオ、何だか……久しぶりな感じがするなあ……って思っている、ブラックです」
「僕も、久しぶりの登場ですかね? ホワイトです」
「この二人でやるのも、久しぶりじゃないかな? ホワイトちゃん」
「あ、ホワイトちゃんは、もう確定なのね……」
「このラジオのマスコットですから」
「いや、僕は承認した覚えはないんだけど?」
「そんな訳で、今日も始まりました、ヤマノベラジオ、ホワイトちゃんの声、待っていた!言う方、結構沢山いるんじゃないですかね~」
「あ、無視なんだ……えっと、そんなに僕の声って人気?」
「そりゃーすごい人気だと思いますよ? 放送戦隊ヤマノレンジャーの中じゃ、ダントツ人気じゃないですか? まあ、俺から言わせると……うん」
「な、何? ブラック?」
「解る気がする、声も良いし、見た目もね? リスナーの皆? ホワイトちゃんがどういう人物なのか、存分に妄想してくれたまえ!」
「何煽ってるの!? ブラック!」
「良いじゃないか、別にさ?さ~って、とりあえず……いつものあれ、いきますかねー」
「いつものあれ……、ああ、音楽ですね」
「そうそう、えーっと今日のリクエストの曲は、どれがいいかな……ん……よし、今日の流す曲は、これだ!」
「これって?」
「今日は、定番の定番、クラシックを流します、存分に癒されて下さい、それではどぞー」
亮太がそう言った後、クラシック音楽が流れ出す。
その間にブースに入って来たのは、ミニパソを持ってきた、西岡洋子先輩だった。
数分間の音楽が終わったので、僕達は、再びマイクで話し出す。
「今日流した曲は、有名な作曲家が書き記した、クラシック音楽です」
「有名な作曲家?」
「ほら、あの髭の人だよ」
「いや、ブラック……髭の人って言っても、沢山いないですか?」
「あ、確かにそうかもな? まあ、音楽室の肖像画にある、一番目立つ髭の人って事で、ホワイトちゃんも一度はその肖像画、見た事があるんじゃないかな?」
「え? え~っと…………あ、もしかして、凄い髭をしてるあれ?」
「そ、あれ」
「名前覚えてないの? ブラック」
「……髭に目がいって、名前なんか忘れてしまったな、ま、問題ないんじゃない?」
「それって、いいのかな……」
「いいの、さ、せっかくホワイトちゃんがいる事だし、恒例のこのコーナーに行きたいと思います、題して、「ホワイトボイス~」このコーナーは、この放送戦隊ヤマノレンジャーのマスコット、ホワイトちゃんにリスナーから考えてくれた台詞を感情を込めて言って貰うという、ある意味おいしいコーナーです」
「何、おいしいって……」
「いいからいいから、さ、早速何が来ているか、見てみましょうかね?え~っと……うわ、結構沢山来てるねー、みんな、余程暇なんだなあ……じゃあ、まずこれ、HNミフィーさんから「語尾に「にゃあ」をつけて、可愛いと思う言葉を喋って!」だそうだ、さ、ホワイトちゃん、レッツ、かもーん!」
「ええ!? えっと……うーん……じゃあ、「可愛いって言わないで欲しいにゃあ……」こんな感じかな……?」
「……うおお……」
「ちょ、ブラック、なんかぶるぶる震えてない!? 大丈夫!?」
「さすがホワイトちゃん、破壊力抜群……ちょっとあっちの世界へ片足突っ込んでしまったよ」
「それって、大丈夫なの?」
「問題ないかな? さ、次の文章を選ぶとしましょうかね? え~っと……よし、これに決めた!HNメロンとスイカは野菜系?さんから「お嬢様言葉で、汚い言葉で罵って下さい!」と書かれているなあ、さ、ホワイトちゃん、レッツ・ゴー」
「ええ!? 汚い言葉って……え~っと……「この豚!私の目の前から消えて下さらない!?ぶっ潰しますわよ!」……こんな感じ?」
「……ホワイトちゃん、それ、日常で普段使っている?」
「使いませんよ!?」
「えらく迫力あったから、言い慣れてるかと思ってしまってね~いやーごめんごめん、さて……時間ももうないし、今日はここまでとしておきます、またホワイトちゃんに言って欲しい事があったら、山野辺高校のBBSにどしどし書き込んでね?」
「あんまり、酷い内容とか言いたくないので、普通のをお願いします!」
「今日のお相手は、黒のブラックと」
「えっと……白のホワイトです」
「この番組は、放送戦隊ヤマノレンジャーの提供で、お送りしました」
亮太がそう言って、僕達のラジオ放送が終わった。
終わったので、三人でルームに向かい、ルームに辿り着いたら、部長の彩さんが
「洋子、お願い」
と言って、洋子先輩が機械を弄り、マイクのスイッチを入れて、こう話す
「これで、お昼の放送を終わりにします」
そう言って、マイクのスイッチを切る。
「これでOKよ?」
「じゃあ、あとは放課後に集まるだけね? あ、亮太君、クッキー美味しかったわ」
「ありがとうね?」
「旨かったぞ」
「いえ、喜んでくれってよかったです」
「翠先生、何か連絡事項とかありますか?」
「ん?そうだな……特にないな? 今、これやってるから忙しいし」
「翠先生、いつのまに取り出したんですか? そのゲーム機……と言うか、それ、今日発売された最新モデルですよね?」
「ああ、よく気がついたな?」
「もしかして……」
「ああ、ご想像の通りだぞ?」
「うわ、大人って汚い!」
翠先生と彩部長が、そう話していた。
彩部長の言った事って、どういう意味なんだろ? と思っていると、亮太が僕に「多分、翠先生、俺達が授業中の間に、あの新作モデルのゲーム機を買いに行ったと思うぞ?」と言ったので、あ、だからか……と、納得した。
「いいもん、学校終わったら、私も買いにいこっと、じゃあ、皆、次は放課後ね? それじゃあ、解散!」
そう彩部長が言ったので、僕と亮太は、自分のクラスに戻る事にした。
教室に戻ると、クラスメイトの男子が
「ホワイトちゃんに罵られて見たいな……」とか、呟いているのを見つけてしまい、僕は、とりあえず……気にしない事にして、自分の席に戻ったのだった。
昼のラジオが終わって、午後の授業になった。
午後の授業は、それほど難しくもなく、黒板に書かれている文章を、ノートに書き写す作業だけで、先生に「ここの問題、解いてね?」とか言われる事もなく、あっという間に時間が過ぎていって、午後の授業が終わった。
午後の授業が終わり、帰りのHRになって、担任の碓井先生が
「じゃあ、連絡事項だが、前にも言ったとおり、来週はテスト週間となっているので、きちんと勉強するようにな? そのテスト週間が終わったら、冬休みとなっているぞ? 連絡は、これだけだな……では、解散」
そう言って教室から出て行ったので、僕は帰る支度をして、同じクラスの亮太と一緒に、放送室へと向かう事にした。
放送室に辿り着き、中に入ると
「あ、翠先生、そこのアイテム、取って下さい」
「ああ、彩? その敵は、火の呪文が効くから、援護してくれ」
「了解です」
放送部顧問の翠先生と、部長の中田彩が
一緒になって、ゲーム機で遊んでいる光景だった。
「あ、二人とも来たわよ? 彩」
そう洋子先輩が言うと、彩部長がゲーム画面からこちらを振り向いて
「あ、二人ともやって来たわね? じゃあ、明日の事だけど、明日のラジオ当番は、亮太君と太一にやってもらうわ、二人ともいいよね?」
「俺は別にOkだぞ」
「俺もです」
「じゃあ、決まりね?」
そう言って再び、ゲーム画面を見て、ピコピコと遊び始めた。
学校で遊んでていいのかな……って思うんだけど、まあ、翠先生も一緒になって遊んでいるのだし、いいのかな……って、思ってしまった。
二人が遊んでいると、太一先輩が
「そう言えば、二人とも休日は暇か?」
と聞いて来たので、僕は
「予定は何も入れてないですけど?」
「俺も予定はないです」
「そっか、じゃあさ? たまには一緒になって、遊びに行こうぜ?」
「太一先輩とですか?」
「ああ、で、どうだ?」
そう言われて考えてみる。
そう言えば、太一先輩とは、一緒になって遊びに行くとか、まだ一回もないような気がした。
「僕は、別にOkですけど?」
「あ、俺もです」
「じゃあ、決まりだな」
「あ、遊びに行くの? だったら、私も」
「駄目だ、たまには男同士で遊ぼうと思ってな? だから、洋子は駄目だ」
「そう……なら、私は彩と遊びに行こうかな? ね? 彩」
「……ん? なら、一緒に遊びに行きましょうか?」
「ええ」
「何だ? 遊びに行くのか? なら、私も」
「翠先生は、遠慮して下さいよ、先生が入ってどうするんですか」
「そ、そうか……なら、私は芹でも誘うかな……」
なんか……翠先生が、落ち込んだ風に見えてしまっていた。
もしかして……一緒に遊びたかったのかな? とか思ったけど、口に出さない事にした。
そして、時間が過ぎていって、彩部長が
「あ、時間ね? じゃあ、洋子? お願い」
「はいはーい」
そう言って、機械を弄って、マイクのスイッチを入れて、こう話す。
「下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました、皆様速やかに下校して下さい」
そう言った後、スイッチを切る。
「これでOkよ?」
「じゃあ、今日はもう解散ね? 翠先生、これやらせてくれてありがとね?」
「ああ、彩は今日買いに行くんだろ? ゲーム機本体を」
「はい」
「じゃあ、気に入ったソフトがあれば、私に紹介してくれないか?」
「解りました、じゃあ、みんな? 今日はもう解散ね!」
そう、彩さんが言ったので、僕は、亮太と一緒に帰る事にした。
帰る途中、亮太が
「そう言えばさ?」
「何?」
「太一先輩の趣味ってなんだろな? と言うか……洋子先輩もそうだけど、二人の趣味って俺達、知らなくないか?」
そう言われて、考えてみると……確かに、洋子先輩と太一先輩の趣味が、全く解らなかった。
彩部長は、翠先生とゲームしたりしているので、アニメとかゲームが、趣味なんだと思う。
「そう言えば、そうですね」
「だろ? ま、太一先輩が何所に遊びに連れてってくれるかで、解るんじゃないか?」
「そうですね、何所に行くかは解りませんが、ちょっと楽しみかもです」
「そうだな」
そう話しながら、亮太と別れて、僕は、自分の家へと戻る事にしたのであった。




