~第十九話~
次の日になって僕は、目覚まし時計のセットした時刻に起きた。
起きて、部屋の窓を開けてみると、朝日が目にしみて、結構暑く感じてしまった。部屋から出て、洗面所に向かい、顔を洗って、身だしなみを整える。
今日は、寝癖はついていなく、けど、髪が伸びて来たので、ロングヘアーの女の子に見えてしまっていた。やっぱり……髪を切った方がいいのかな……と思っていると
「あら、聖ちゃん、髪伸びてきたわね?」
そう言って来たのは、僕とそっくりの人物、母親の朱莉母さんだった。僕は、母さんに
「やっぱり、髪切ったほうがいい?」
と聞くと
「いや、似合ってるのに何で切ろうとするの? そうだわ」
そう言って、母さんは移動した後、洗面所に戻ってきた。
「聖ちゃん、じっとしててね?」
「え? う、うん」
母さんにそう言われたので、じっとしていると、母さんが髪を触ってきて、何かで縛ってきた。
「はい、これで、OK」
そう言って手を離してきたので、鏡を見てみると、ポニーテール姿の、僕が、そこに写っていた。
黒色のヘアゴムで纏めたらしく、髪の色とマッチして、全く目立たなかった。
「母さん……OKって……」
「あら、校則では、この格好は問題じゃないんでしょ?」
「まあ、そうだけど……」
「なら、いいじゃない? 似合ってるわよ?」
もう、母さんに言っても、無駄だと思ったので、僕は、そのままにしといて、リビングにへと向かった。
リビングに向かうと、圭吾父さんが、僕の姿を見て
「お、聖か? 似合ってるなあ~かわいいぞ~」
と言って、抱きついてくる。うん……男子高校生に言う言葉じゃないと思うんだけど……暑苦しいので、父さんを引き離して、朝食を取る事にした。朝食は、目玉焼きにハムサラダ、トーストなので、思いっきり朝の朝食って感じだった。あっという間に食べ終わり、自分の部屋に戻って、制服に着替える。
着替え終わった後、持ち物をチェックし、家を出る事にした。
外の天気は、どんよりと曇っていて、なんか雨が降りそうな天気だったけど
、傘は、まあ……必要じゃないかな? と思ったので、持ち歩くのは、やめにしとく事にした。
通学路を歩いて、通っている高校、山野辺高校にたどり着く。
自分のクラスの中に入ると、なんかクラスメイトの視線が、僕に降り注いだ。
けど、それは一瞬で、すぐに視線を感じなくなり、僕は、一体何だったんだろう? と思いながら、自分の席につく。席について、鞄の中身を机の中に入れてる作業をしていると
「やあ、おはよう」
そう言って来たのは、同じクラスの女子の山本理恵さんだった。
僕はいつもの声で、話しかけてみる事にした。
「おはようございます」
「おや……その声……そうか……普通に話す事にしたんだね?」
「ええ、さすがにいつまでも、ノートで意思疎通は、まずいかな? と思ったので……」
「そうか……ところで……その髪型は、一体どうしたんだい?」
「あ、これですか? 髪が伸びたので、切ろうとしたのですけど、母が嫌だと言って……仕方がないので、こうなったんですけど……何か、問題があるんですか?」
「いや……聖、見た目に関しては、物凄い事になってるぞ?」
「物凄い事……?」
「ボクの口から言う事ではないけどね? 次第にわかると思うけど、じゃあ、ボクは、自分の席に戻るとするよ」
そう言って、理恵さんは、自分の席に戻って行った。物凄い事って何だろう……? と思ったけど、チャイムが鳴ったので、深く考えない事にして、授業を受ける事にした。
授業内容は、黒板の文字をノートに写す作業だけで、先生に当てられると言う事はなく、あっという間に終わって、今日から午前中しかない授業なので、午後の授業は無かった。
授業が終わったので、帰り支度をしていると
「聖、じゃあ、栗谷の家へ行こうか?」
そう言って来たのは、同じクラスの亮太だった。
あ、確かに、昨日、栗谷君の家に遊びに行くと約束したので、僕は、こう言う事にした。
「はい、解りました」
「じゃあ、行こうぜ」
「えっと……そのままの格好でですか?」
「ああ、いちいち着替えに家に帰るの面倒だろ? だから、そのままの格好で、行こうぜ?」
「うん、そうですね、解りました」
「じゃあ、決まりだな? お~い、栗谷」
亮太が、そう言って、栗谷君を呼び止める。
栗谷君は、亮太の声に反応した。
「栗谷? 俺と聖が、お前の家に行くからな?」
「わ、わかった、じゃあ、案内するよ」
なんかちょっと顔が赤かったけど、何でだろう? まあ、いっか……と思い、僕と亮太は栗谷君の家へと、向かう事にした。僕と、亮太は、栗谷君の家へと行く事になったので、いつも通っている通学路とは、違う道を歩き、数十分
「ここが、俺の家だ」
そう言って、たどり着いた場所は、結構大きな一軒家だった。
うん、栗谷君ってお金持ちなのかな……? と思ったけど、これぐらいの家が、普通かも知れないし、かと言って、お金持ち?って聞くのも失礼かな……と思ったので、僕は、あえて聞かない事にした。
栗谷君に案内されて、家の中に入ると、結構広々とした廊下で、階段があるので、そこをあがり、二階の部屋に辿り着いた。
「ここが、俺の部屋だぞ」
そう言って、部屋の中に案内されて、思った事は、結構綺麗な感じの部屋だった。
ポスターとか、飾ってはいないし、そんなに物がごちゃごちゃしていると言う風でもなく、きちんと整理整頓してあった。僕の部屋と比べると、まあ、同じくらいなのかな? と思い、ベットがあったので、その下を何気に見てみると……
本が数冊、乱雑においてあり、これって……亮太も、それに気が付いたらしく
「やっぱ、お前もそうか~」
とか言っていた。
「お前もって、何だよ?」
「いや、そのベットの下にある奴って、あれだろ?」
「いや……い、いいだろ!別に!」
「まあまあ、そう怒るなよ? でも……」
なんか、亮太が、僕の方をじ~っと見て
「こう言うの、聖は持ってなさそうだよな?」
「あ、ああ……それは、なんとなく俺も、そう思う」
なんか、二人にそう言われました。えっと……確かに、持ってはないないけど……僕は、ちょっと気になったので
「えっと……僕も、こういうの持った方がいいと思う?」
「駄目だ!」
「ああ!聖には絶対に似合わん! 絶対に駄目だぞ!」
即答されました。 ちなみに栗谷君が、怒った感じに言ってきたので、ちょっと怖くなってしまった。
「と、とりあえずこれの事はいいだろ? 早速、ゲームしよう?」
「あ、そうだな、聖、一緒にやろうぜ?」
「う、うん」
そう言って、栗谷君が、ゲーム機のセットをはじめた。
セットが終わり、やる事になったのは、SEIKEN#(セイケンシャープ)と言う、格闘ゲームだった。何でも、このSEIKEN#は、前に出たSEIKEN3の続編で、続編なら普通4じゃないかな? と思うけど、何故か#だった。
コントローラーが二つしかなかったので、僕と亮太が、交代交代でやる事にした。
そう言えば……家庭用ゲーム機なんて、僕は持っていなかったので、プレイするのが初めてで、操作方法がよく分からなかったけど、次第になれていき
何とか対戦できるレベルまで、仕上がったので、バトルをする事にした。
何回かバトルして、気が付くと、結構時間がたっていた。
長くお邪魔するとまずいかな? と思ったので、僕は、亮太に
「亮太? そろそろ帰りましょうか?」
と言うと
「あ、そうだな? じゃあ、俺達、帰るよ」
「別にまだいてもいいけどな……ま、二人がそう言うなら」
そう言って、ゲームの電源を切って、玄関まで、出迎えてくれた。
外に出ようとすると、ただいま~と言って、誰か帰ってきた。
「ただいま~って……あれ? 君は」
なんか見た事のある人だった。
僕は、記憶をたどって、思い出す。そうだ、この人、以前、秋葉の町へ行った時、そこの喫茶店「アイライク」で従業員してた人だと思い出した。
確か……名前は、栗谷美鈴さんだった筈、そっか……栗谷君のお姉さんだったのか……この人
「あれ? 姉貴、二人とも、知ってるのか?」
「ええ、知ってるわよ? 確か、秋葉の町であったよね?」
「あ、はい、会いましたね」
「ふ~ん、衛と同じクラスだったの」
「もう二人は家に帰るんだから、呼び止めるなよ? 姉貴」
「そっか……うん、決めたわ」
「姉貴?」
「まあ今はいいわ、じゃあ、さようなら、二人とも」
「さようなら」
「さようならです」
そう言って、僕と亮太は、栗谷君の家を出る事にした。
帰る途中
「なあ、聖……あの人って、栗谷の姉貴だったんだな」
「そうだね、確かに山野辺高校に通ってるって言ってたしね?」
「何か決めたみたいだったけど……何だったんだろうな?」
「さあ……分からないよ」
そう話しながら、僕は、亮太と別れて、家へと戻る事にしたのだった。




