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萌えボイスと呼ばないで  作者: 零堵
~一学期編~
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19/86

~第十八話~

次の日、僕は、いつもと同じ時間に起きた。

まあ、目覚まし時計をセットした時間に起きたので、うん、問題は無いと思う。

起きてすぐ、洗面所に向かい、顔を洗って鏡を見てみる。

「あ……寝癖ができてる……」

よく見てみると、頭のてっぺんにちょんと髪が突っ立っていて、世間で言われている、アホ毛?と言う感じの物ができていた。僕は、直そうかな……? と思い、ブラシをもって、直そうとすると

「おはよう、聖」

そう言って来たのは、僕の父親の圭吾(けいご)父さんだった。

「おはよう……」

「どうした? 聖」

「いや、頭の寝癖を直そうと思って……」

「ふむ……」

父さんは、僕の姿をジロジロと見た後

「いや、直さなくていいぞ? 似合ってるしな?」

とか言って来た。

「え?」

「大丈夫、その髪型でOK!」

そう言って、ビシっと親指を立てる。

何を根拠に大丈夫なんだろう……? と思ったけど、深く考えない事にして、寝癖をそのままにして

リビングに向かった。リビングに辿り着くと、朱莉(あかり)母さんが

「おはよう~聖ちゃん……あら、似合ってるわよ~? それ」

とか言ってくる。僕は、父さんと同じ事言うんだ……と思いながら、椅子に座った。

テーブルの上においてあったのは、目玉焼きにトースト、コンソメスープと言った、思いっきり洋食のメニューだった。

和食も洋食も嫌いではないので、あっと言う間に食べ終わり、自分の部屋に戻る。

部屋に戻り、着てる服を脱いで、男子用の制服に着替える。着替え終わった後、持ち物を確認する事にして、思い出したのは、昨日、亮太が「いつまでもノートで意思表示は辛いだろ?」と言っていたので、僕は……とりあえず、必要なノートを鞄の中に入れて、発声練習してみる。

しかし……

「低い声が出せない……駄目っぽいかも……」

いくら低い声を出そうとしても、全く低く出来なくて、結局……諦める事にした。

遅刻すると不味いので、出かける事にした。外に出て通学路を歩いていると、先に亮太を見つけたので、僕は、小さい声で話しかける。

「おはようございます、亮太」

「おはよう」

「声を変えて、練習してみたんですけど……駄目でした」

「そうなのか?」

「はい……だから、いつもの声でいくしかないって感じですね」

「そうか……まあ、俺は慣れたから平気だけど……クラスで話す事は、まだ無理か?」

「そうですね……二学期から、普通に話していこうかな……とは、思いますけど」

「そうか……」

「はい、あ、ノートを貸してくれませんか?」

「ああ、いいぞ」

「ありがとうございます」

こうして僕は、二学期に普通に話しかけようかな……と、思う事にしたのでした。

そう決めた僕は、亮太と一緒に自分のクラスに辿り着く。

自分のクラスに入り、自分の席に着いて、鞄から中身を机の中に入れる作業をしていると

「お、おはよう、天野」

そう話しかけてきたのは、同じクラスの栗谷衛(くりやまさる)君だった。

とりあえず……普通に話してみて、栗谷君の反応がどうでるのか? 気になったので、ノートを使わないで、普通に話し掛ける事にした。

「おはようございます、栗谷君」

「うわ、初めて聞いたけど……天野の声って、そうだったんだな……」

「はい、こんな声をしているので……栗谷君は、可笑しいと思いますか……?」

「い、いや……可笑しくはないけど……あと……それって、寝ぐせか?」

そう言われたので、思い出してみると、確かに、朝、頭の先にちょんと髪が突っ立てる状態だったなあ……と思いだして

「あ、はい、そうですね、なんか、両親からは、いい感じだとか言われまして……栗谷君は、どう思います?」

そう聞いてみると、なんか顔を赤らめて

「い、いい感じじゃないか? かわいい女の子に見えるし……」

後半の方が、小さい声でよく聞こえなかった。うん、何て言ったんだろう……??

よく見てみると、栗谷君が、顔を赤らめてモジモジしてる風に見える。

うん……何か、僕に言いたい事でもあるのかな? と思ったけど、問いかけようとしたら、キーンコーンとなったので、栗谷君は自分の席に戻ってしまった。

チャイムが鳴って、担任の碓井先生が入ってきて、こう言う。

「皆、おはよう、もうそろそろ夏休みだ、で、連絡だが、今日で放送部の放送が一学期の最後らしい、山野辺HPの放送部のコーナーに色々と書き込むのは、やめとくように、では、出席を取ったら、授業を始めるとする」

そう言って、授業が始まった。

授業内容は、国語の授業で、朗読だった。他の生徒が当てられて、読んでいる中、僕の番になってしまった。

僕は、仕方がなく、席を立って、教科書を持って、朗読すると、クラスメイトと先生が驚いていた。

まあ……驚くのも解るかも……?って思ってしまい、とりあえず、先生に言われた所だけ、読む事にして、先生が「はい、そこまで」と言ったので、読むのをやめて、席に着く。

すると何故か、クラスメイトの視線を感じ、しかも、熱っぽい感じの視線も感じてしまった。

普通の授業に戻ったので、一体何だったんだろ? あの視線は……? と思ったけど、気にしない事にした。そして、授業が終わり、昼になったので、僕は、亮太と一緒に、放送室に向かう事にした。

放送室の中に入ると、もう既に先輩達がいて、顧問の朝崎先生もいた。

朝崎先生の手に、最近、僕も手にした、ゲーム機

SNP(ソーシャル・ネット・ポータブル)が握られている。

この人教師なのに、こんなの持っていいのかな? と思ったけど、なんか、ピコピコと遊んでいるので、ま、いっか……と自分で、納得する事にした。

「あ、二人とも、来たわね? じゃあ、さっそく、準備してくれるかしら?」

「あ、はい」

「了解っす」

そう言って、僕と亮太は、ブースの方に向かい、椅子に座る。

そして、マイクの位置を調整して、準備を完了させた。

すると、スピーカーから、部長の声が聞こえてくる。

「準備出来たかしら?」

そう言ってきたので、僕と亮太は、Okのサインを出した。

そそれから、スピーカーから、洋子先輩の声が聞こえてくる。

「これから、お昼の放送を始めます」

そう言ってから、マイクのスイッチが入り

一学期のラジオ放送、最後の回が、始まりました。



「皆様、こんにちは~、今日も始まりましたヤマノベラジオ、司会は、もちろんお馴染み、ブラックと」


「えっと……ホワイトです」


「ちなみに皆さん知っていると思うけど、今日が最後のラジオになりますよ~」


「うん、まあ、夏休みはいるしね? それは、仕方がないんじゃないかな?」


「まあ、そうだけどね? 結構この番組も慣れて来たのに、さびしいものです」


「え? さびしいの?」


「おや~ホワイトちゃんは、さびしくないのですか?」


「えっと……まあ……ちょっとは、思ったかな?」


「そうですよね? じゃあ、早速、このコーナーに行きたいと思います、今日の流す曲はと言うと」


「最後と言うことだけあって、クラシックを流します、では、お聞き下さい」


そう言ってから、マイクのスイッチが切れて、クラシックが流れ出す。

その間に、ブースにノートPCを持った、洋子先輩が入ってきた。

そして、音楽が終わり、再び話し出す。


「いや~やっぱりクラシックは、いい曲ですね~」


「ブラックは、よくクラシックを聞くのかな?」


「い~や、全く聞かないな? まあ、ほんのたま~に聞く程度だな」


「そうなんだ」


「さて、ではホワイトちゃんもいる事だし、このコーナー言ってみよう~、ホワイトちゃんに言ってほしいこと~え~っと何々……HNプリンさんから「お嬢様言葉で、挨拶をお願いします」って出てる、では、ホワイトちゃん、かも~ん!」


「えっと……「ご機嫌ようでございますわ、ありがたく受け取りなさいね?」っと、こんな感じ?」


「おお……なんか気品にあふれてる……じゃあ、次は~え~っと、HNスノーさんから「妹が兄貴に告白する感じで、僕っ子で」と書かれてあるぞ?じゃあ、ホワイトちゃん、ご~」



「えええ!? なんか恥ずかしいけど……「おに~ちゃん、ボク……おにーちゃんのこと……すきなの……」っと、こんな感じかな……うわ……言ってて、恥ずかしくなって来ちゃった」


「フオオオ!今の録音しておけばよかった!惜しい!!」


「な、何でブラックが悔しがってるの!? 録音とか本当にやめて!」


「っと、もうこんな時間だ、時間が来るのが早いね~、お相手は、ブラックと」


「ホワイトです」


「以上でお送りしました、この番組は、放送戦隊ヤマノレンジャーの提供で、お送りしました」


そう言ってマイクのスイッチが切れる。

そして僕等は、ルームに戻って、洋子先輩がマイクのスイッチを入れて、こう言った。

「これで、お昼の放送を終わりにします」

そう言ってから、マイクのスイッチを切る。

「これでOK」

「皆、お疲れ様、今ので、今学期最後の放送だったわ、じゃあ、夏休みの予定は、放課後に発表するわね? では、解散」

部長の中田彩(なかたあや)さんがそう言ったので、僕と亮太は、教室に戻る事にした。

教室に戻ると、クラスメイトの男子が

「さっきのホワイトちゃんの声、よかったな……」

「ああ、俺、録音したから、むふふふ……」

「おい、お前、あれで何をおっぱじめるつもりだ?」

とか言っていた。

うん……何考えてんだろ……この人達、もしかしたら、気がついているかと思うけど、教室内で喋ったから、僕=ホワイトって気がついているとは思うけど……うん、問い詰めるのは……まあ、気にしない事にして、僕は自分の席に着き、午後の授業に、専念する事に決めた。

午後の授業は、社会の授業だった。

授業内容は、それほど難しいと言う程ではなくて、黒板の文字をノートに写す作業だけで、先生に当てられると言う事もなかったので、結構よかった。

あっという間に、時間が過ぎていき、授業が終わり、放課後

担任の碓井(うすい)先生が、教室内に入ってきて、こう言って来る。

「明日から、午前中だけの授業になる、で、金曜日に終業式となっている、あとは……何もないな? では、解散」

そう言って、先生は、教室内から出て行った。

僕は、同じクラスの亮太(りょうた)に

「放送室に行きましょう?」

と、話しかけると

すると、亮太は

「あ、悪い、聖、先に行っててくれないか? 後から行くから」

そう言って来たので、僕は

「分かりました」

と言って、教室を出る事にした。うん……亮太の用事って、何なんだろ? と思ったけど、全く分からなかったので、深く考えない事にして、放送室へ向かうのだった。

放送室に辿り着くと、もう既に先輩達が集まっていて、顧問の朝崎(あさざき)先生もいた。

「あ、来たわね? あれ? 亮太君は?」

部長の彩さんが、そう言って来たので

「何か、後から遅れて来るそうです」

と言う事にした。

「そう、まあいいわ……じゃあ、夏休みの予定の事だけど……翠先生、お願いします」

「ああ、夏休みの予定だけど、毎日練習するのも嫌だろ? だから、夏休みの後半だけ、活動をしたいと思う、放送部は立ち入り禁止になるから、練習は屋上で行いたいと思うぞ」

そう先生が話していると、亮太が、放送室に入って来た。

「すいません、遅れました、何か重要な事、話してましたか?」

「いや、夏休みの事を言ったまでだ、でだ、物は相談なんだが、演劇部の助っ人をして欲しいと言われてな? で、この放送部も協力しようと思ったのだ」

「そうなんですか」

「ああ、公開は二学期の学園祭で発表するらしい、練習は、夏休みを予定しているらしいぞ?」

「二人とも、私は練習を手伝う事にOKしたけど、問題ないわよね?」

「俺は、問題ないっす、聖は?」

「僕も、問題はないと思います」

「なら、決まりね? 夏休みに入ったら、放送部は、演劇部の手伝いをすると言う事にしましょう、あ、洋子、放送お願いね?」

「あ、は~い」

そう言って、洋子先輩は、マイクのスイッチを入れて、こう言う。

「下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい」

そう言ってから、マイクのスイッチを切る。

「これでOK」

「じゃあ、明日からこの放送部は、使えなくなるから、一学期の放送部としての活動は、今日で終わりよ? 皆、お疲れ様」

「お疲れ様でした!」

全員で、そう言って、放送部の活動が終わった。

終わったので、僕は亮太と一緒に帰る事にした。

帰る途中、亮太がこう言って来る。

「あ、聖? 実はな?」

「何ですか?」

「同じクラスの栗谷って奴いるだろ?」

「はい、いますけど?」

「そいつがな? 俺と聖を家に招待するって言ってるんだ、何でも新作のゲーム入ったからだってさ? で、聖、一緒に栗谷の家に、遊びに行くか?」

そう言われた。

僕は、どうしようかな……と迷ったけど、友達が遊びに誘ってくるとか滅多になかったので

「はい、いいですよ」

と言う事にした。

「じゃあ、決まりだな? 明日、午前中で授業終わるだろ? だから、午後、栗谷の家に遊びに行こうぜ? あ、俺、こっちだから、じゃあな」

「あ、はい、さようならです」

そう言って、亮太と別れる。

僕は、帰りながら、ちょっと楽しみかな……と、思っていました。


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