【07】 退職願に署名捺印
課長「丹沢!」
大声で叫んだ。
課長は机の上にあった書類を
丸め棒状にした。
次にその紙の棒を、
丹沢の顔に当たる寸前で振り回しながら、
課長「今すぐここで退職願を書け!」
再び叫んだ。
丹沢(オレはトンボか?
トンボじゃ字が書けないぞ)
丹沢は、
漫才の『例えボケ』を考えていた。
課長「お前にはこの仕事は向いてないんだよ!
今回のことでわかっただろ!」
丹沢「……」
課長「お前のお情けだけで仕事は出来ないんだよ。
周りの職員は、
みーんな迷惑しているんだ」
近くで聞いていた早苗は思った。
早苗(迷惑してないわよ。
迷惑してるのはお前、鬼塚だよ!)
丹沢「……」
課長「いいな、わかったな。
私がここで見ているから
退職願をすぐ書け!」
怒鳴り散らした。
仕方なく丹沢は
パソコンで退職願を打ち始めた。
横から課長が丸めた紙の棒を持ち、
丹沢の頭をポンポン叩いていた。
丹沢(オレの頭はスイカ割りのスイカか?
オレがスイカならあんたを目隠しして、
グルグル回して海パンの中に
てんぷら油をドボドボ入れてやるぞ)
丹沢は、
ここでも『例えボケ』を考えたが、
丹沢(イマイチだなぁ)
周りに集まった職員の人数が増えていた。
そして、その全員が、
ことの成り行きをじっと見ていた。
丹沢は、
今月末をもって退職したい旨を
パソコンに打ち込み、
プリントアウトした。
『カタカタカタカタ』
プリンターから音がした。
プリンターから退職願が打ち出されてきた。
丹沢「よーし、完成した!
いい出来だ!
あとは署名捺印して終わりだぞ!」
丹沢は、
周りの職員を暗くさせないために、
無理して明るく言った。
周り「えーっ!!!」
丹沢は、
打ち出された退職願に署名捺印し、
退職願を完成させた。




