6/10
【06】 定時直後の追及
時間は閉庁時間の
午後5時15分になろうとしていた。
そしてチャイムが鳴った。
♪キンコーンカンコーン、
♪キンコーンカンコーン
チャイムと同時に
丹沢と芽衣が住民課に戻ってきた。
課長「丹沢、どうだ、
例の女性に会えたかね?」
丹沢「いいえ、会えませんでした」
課長「ということは、
お前は虚偽の転入届を受付した。
そのうえ今日は、
無駄な出張をしたってことだな」
丹沢「無駄とは、思っておりませんが、」
課長「無駄な出張と言うことは、
税金の無駄使いをしているんだよ。
まったく馬鹿な奴だ。
今までも何度も騙されて、
虚偽の受付をしたよな」
丹沢「それは認めます」
課長「それでも懲りないのか」
丹沢「気を付けてはいるつもりです」
課長「お前には、
学習能力がないんだよ。
だから、二度も三度も騙されるんだよ」
丹沢「……」
課長「今日、現地に行って、
その女性と会えなかった。
つまり、退職願を提出する、
ってことだな」
丹沢「いいえ、
その女性に会えなかっただけで、
住んでないと決まった訳ではありません」
周りで住民課職員が、
この先どうなるのか気をもみながら、
みんなその様子を見入っていた。
周りでひそひそ話が始まった。
「大丈夫かしら丹沢さん」
「丹沢さんの言い訳は苦しいな」
「そうよね、会えなかったんだものね」




