【04】 しのび寄るタイムリミット
【現在にもどる】
課長「今、4時だから、
残りあと1時間ちょっと。
これでついに、
丹沢も退職願を出すことになるな」
住民課長席の所に来ていた水口が、
水口「課長の足を引っ張る奴は
当然の報いです」
課長「ははははは」
その後、
しばらく世間話をして
水口は水道課へと戻って行った。
少し離れたところに座っている
早苗、稔江、戸部、若石の耳に
その会話が自然と入ってきていた。
◇
『ハッピーハイツ』の前。
丹沢と芽衣が車の中に居た。
二人は、
速水爽香が現れるかどうか見張っている。
芽衣「もうすぐ4時半ですね」
丹沢「もうそんな時間か」
芽衣「速水爽香は現れませんでしたね」
丹沢「うん」
そのとき、
丹沢の携帯電話が鳴った。
丹沢「はい、丹沢です」
早苗「私、君本です」
丹沢「何かありました?」
早苗「今、課長が席を外したから
電話しているんだけれど、」
丹沢「はい、」
早苗「速水爽香に会えた?」
丹沢「いいえ」
早苗「近所の聴き取りはしてないの?」
丹沢「隣のおばちゃんの話では
『過去に一度も見てない』って」
早苗「そうなんだ」
丹沢「他に何か?」
早苗「実は10分ぐらい前に
課長の所に水道課の水口さんが来てね」
丹沢「ええ、」
早苗「『ハッピーハイツ203号室』の
一ヶ月の水道使用量が
お風呂2、3回分なんですって」
丹沢「ふーん」
早苗「だから、
課長と水口さんが絶対に
住んでいる訳がないって言うのよ」
そのとき君本早苗の隣から
戸部考一の声が電話越しに聞こえてきた。
戸部「そんなのわざわざ
伝えることはないだろう」
早苗「だって、情報は情報でしょ」
電話の前で揉めていた。




