↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
3/10

【03】 直近一ヶ月の水道使用量

午後4時、住民課。


鬼塚課長の所に、

水道課の水口秀靖

(みずぐち・ひでやす・35歳)が

来ている。


水口「丹沢は戻ってきましたか?」


課長「いや、戻って来ない」


水口「やっぱり速水とかいう女性が、

住んでなかったってことですね」


課長「だろうな」


水口「昨日、

私が入課長に話したとおりでしょ」


課長「ああ、

貴重な情報をありがとよ」


水口「一ヶ月の水道使用量が

0.5立米(りゅうべい=立方メートル)じゃぁ

住んでる訳がないですよ。

ひとり暮らしの平均水道使用量が

8立米ですからね。

蛇口の閉めが甘くて、

ポタポタ垂れていたんだと思いますよ」



【昨日の出来事】

昨日、

住民課長鬼塚は水道課に行き、

水口に調査依頼をしていた。


課長「今、

『ハッピーハイツ203号室』に

速水爽香という女性が

住んで居るかどうか調べているんだ。

そこで、203号室の水道使用量を

教えて欲しいんだが」


水口「わかりました。

調べて後ほど電話します」


課長「忙しいところ悪いな。

ひとつ頼むよ」


水口「はい、大丈夫です」


水口は、

今年3月まで住民課に居た職員だった。

なんでも課長の言うことをきくので、

課長のお気に入りであった。


鬼塚は住民課へ戻って行った。

それから数十分後、

水口から鬼塚へ電話が入った。


課長「はい、鬼塚です」


水口「水口ですが、

先ほどのご依頼の件、わかりました」


課長「おお、そうか」


課長が嬉しそうに声を上げた。


水口「直近一ヶ月の水道使用量ですが、

検針員の女性に聞いたところ、

ほとんどメーターが動いてなかったそうです。

回っていても0.5立米までは

いってないとのことでした。

とても住んでいるとは思えません」


課長「それは、

1立米の半分以下ってことだな?」


水口「はい」


課長「0.5立米って、

なんリットルだ?」


水口「500リットルです」


課長「なにか、ピンと来ないなぁ」


水口「お風呂でも

1回180リットルの水を使いますから。

風呂で言えば、

3回分まで行かないってことですね。」


課長「それじゃ毎日風呂も入れないな」


水口「そうですね。

若い女性が風呂を、

月に2、3回というのは

ありえないでしょう。

住んでいるとはとても考えられません」


課長「これで、証拠はそろったな。

ありがとう」


そう言って、

満足げに受話器を置いた。

【昨日の出来事終わり】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。