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不死身の王子  作者: ミミ
第一章 『孤独な王子の再生』
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7.ベルン村

今までとは少し書き方を変えてみました。どうでしょうか、、、

しばらく歩いたのち、ティシアたちは木の柵で囲まれた小さな村へと辿り着いた。


王都のような立派な城壁も、豪華な建物もない。

しかし、そこには煙の上がる家々と、夕暮れの中で帰りを待つ人々の姿があった。


父親は村の入口に立つ門へ近づき、力強く叩く。


「今戻ったぞー! アストだ! 門を開けてくれ!」

「おかえり、アスト!」


門が開き、村人たちが笑顔で迎える。


「帰りが遅かったから心配したんだぞ、アスト!」

「今日はどんな獲物を捕まえたの?」

村人たちが次々と声をかける。


アストは苦笑しながら答えた。

「今日は客人を連れてきたんだ。獲物の話はまた後でな。」

そう言って、アストはティシアへ視線を向ける。


「自己紹介がまだだったな。俺はアスト。この村のまとめ役をしている。

 そして、こっちは俺の息子のグレンだ。」

「お兄さん、よろしくね。」


グレンは笑顔でティシアへ手を差し出した。


ティシアは少し驚いた後、その手を優しく握る。

「僕はティシア。よろしくね、グレンくん。アストさん。」


その日の夜。


小さな家の中には、温かな料理の匂いが広がっていた。

「遠慮せず食べてくれ。」


アストはそう言って、焼いた鳥の肉をティシアの皿へ分ける。

「ありがとうございます。」

ティシアはゆっくりと料理を口に運んだ。


王宮で出されていた豪華な料理とは違う。


それでも――


なぜか、この料理の方が温かく感じた。


その時、外から村人たちの声が聞こえた。

「また柵が壊されていたぞ。」

「……またゴブリンか。」


楽しかった食卓の空気が、一瞬で静まり返る。


ティシアは手を止めた。

「ゴブリン……ですか?」


アストは少し表情を曇らせる。

「ああ。この辺りに住み着いていてな。最近は頻繁に村を襲ってくるんだ。」

「幸い、今までは大きな被害は出ていない。だが……いつまで続くか分からん。」


(もしかしたら……サーナトスが目覚めた影響が、もうこの地に現れているのかもしれない。)


そんなことを考えているうちに、食事は終わった。


グレンが眠りにつくと、部屋にはティシアとアストの二人だけが残された。


静かな空気の中、アストが口を開く。

「お前、いったいどこから来たんだ。」

ティシアは一瞬、言葉に詰まった。

(ここで正体を明かせば、王都に伝えられる可能性がある。)


少しの沈黙の後、ティシアは口を開いた。

「……私は、ここから馬車で一日ほどの距離にある貴族家に仕える執事です。」


アストはティシアの服へ視線を落とした。

「執事にしては、珍しい色の服だな。」


「黒を基調としているのに、ところどころに金の刺繍が入っている。」


「それに、その紋章……普通の貴族が身につけるものには見えない。」

ティシアは口をもごもごさせながら

「……少し事情がありまして。」


アストはしばらくティシアの顔を見つめていた。

しかし、それ以上は追及しなかった。

危険はないと判断したのか、先ほどまでの険しい表情を和らげ、いつもの明るい口調へ戻る。


「今日はもう遅い。グレンの隣の部屋を使え。

 あそこには……ベッドと机くらいしかないが、今夜を過ごすには十分だろう。」

アストはティシアの血で汚れた服へ視線を向けた。

「その服は俺が洗っておいてやる。今夜は俺の服を貸してやるよ。少し大きいだろうがな。」


「ありがとうございます。」

ティシアは深く頭を下げた。

誰かに服を用意してもらうことが、こんなにも温かいことだとは知らなかった。

こんなにも簡単に、自分を受け入れてくれる人がいることが不思議だった。

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