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依頼解決!!

「ゴールド様! 生きていらっしゃったぁ!」

 ずっと給料の心配をしていた男が急いで駆け寄るとハルトは後ろに担ぐ変態を捨てるように放り投げた。それをボディガードは急いで受け取る。

「そいつ漏らしてるから気をつけろよな」

「えっ漏ら……おおっ?! 本当だ!」

 ボディガードが反射的に主人の体を遠ざけ、気を失ったままのゴールドは哀れにも顔面を地面に打ち付けた。。

「ん? この腰に巻き付けているのは何ですか」

 ゴールドの腰に彼のコートに包まった何かがぶら下げられていた。

「どこかで見た事あったからな…確か、数億の賞金が掛かってたはずだ」

 そう言いながらハルトはベルトに備え付けてあった高度計を眺める。

「くそっ百ぐらい行っちまったか」

 そう呟くとポケットから出した物をハルトはリリアンに投げつけた。それを急いで受け取ると、彼女は手の中の物を見て言葉を失った。

「それの事だろ」

 父親が亡くなる前にプレゼントしてくれたカメオが間違いなく、手の中に収まっていた。震える手で自分の肖像が彫られた蓋を開くと、美しい音色が流れる。

「…壊れてない…」

 美しい音色に耳を傾けながらキャロルが歩み寄った。

「これ、オルゴールになってたんだ。綺麗な曲ね」

「はい。父が私のために作ってくれた曲なんです」

 カメオを耳に当てるリリアンの瞳から頬を伝って涙が流れ落ちた。

 キャロルも一緒に耳を傾けていると、重いエンジン音が響き渡り、ハルトがバイクにまたがっていた。

「三百メートル下に落ちて壊れてねぇってのは奇跡だぜ。今度は落とさねぇようにしっかり身に付けとくんだな」

 その追い討ちの言葉にリリアンの顔がより一層真っ赤に染まった。

「おい! クソ女。行くぞ」

「なっクソ……?」

 ハルトが少しマシに見えたが、その一言にキャロルは首を振った。

 これはあれだ…ものすっごく性格の悪い不良が少しでも良い事をするとすっごくいい奴に思える…あれだ。

(はい、私はクソ女のままですね…と…)

 心の中でそう呟きながら後ろのシートにまたがるキャロルを確認するとハルトはバイクを走らせ方向転換、再び気を失うゴールドと専属ボディガードの前に停車し、サングラスをはめながら言い放った。

「百億五千万、分割で一年以内に全額支払えよ」

「ひっ百億!」

 ボディガードとキャロルがほぼ同時に叫んだ。

「オイクソ女! 今ぶっ倒れたら置いてくからな!」

 意識が遠のきそうになったキャロルをハルトの言葉が押し留める。

「わっ…分かってるわよ!」

 気を失うゴールドの腰から、彼のド派手なコートに包まれる首をもぎ取ると、ハルトはそれをキャロルに投げ渡した。

「うわっ! 何?」

「戦利品だ。一種族の女王だからな。二・三十億の値ぐらい付くんじゃねぇか?」

「二・三十………?!!」

 再び気が遠くなったが、「置いてくぞ」と念を押されやっとの事で踏みとどまる。

「あんた、どんだけ稼げば気が済むのよ」

 軽い笑いで返すとハルトはアクセルを入れバイクを発進させる。

「ああ……ハルト様……」

 自分のために健闘したゴールドには目もくれずに、轟音をあげて遠ざかる鋼鉄の騎馬を見つめながら、リリアンは「ほぅ…」と悩ましげな溜息を付いた。


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