表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/78

死をも恐れぬ衣装替え

「キャロルさーん。変じゃないですか?」

 ショーウィンドウに移る自分の姿を見ながらレニが隣を歩くキャロルを見上げた。

「とっても可愛いわよ。お人形さんみたい」

 サンタクロースを思わせる白いファーの付いた赤いワンピースに身を包み、髪を二つに結ったレニは着慣れない服に戸惑っていた。

 黒いハイソックスにポンポンの付いた服と同じ色のショートブーツがさらに愛らしさを演出している。

 腰を絞るようにあしらった大きなリボンが徒歩に合わせて揺れる後姿にキャロルは思わず少女の小柄な体を抱き締めた。

「え? 何ですかキャロルさん」

「いやぁーん! もぉチョー可愛いぃ~」


 ハルトの事は無視して自分好みの可愛い服に着せ替えさせたキャロルが鼻の下を伸ばしながらレニと手を繋いで街を散歩する事数分、人形のように愛らしい少女と、体の線を誇張したロングコートを纏ったキャロルに来るべくして来た事件が突如巻き起こった。

「おいおい、女二人でこんな所ほっつき歩いて危ねぇぞ」

 一般世間で言われる所のナンパ……なのだろう。

 明らかに女漁りを目的としているであろう二人の男がレニとキャロルを挟むように後ろから両脇に並ぶ。

「ここら辺はあまり治安良くねぇからな。俺らが守ってやろうか?」

 さすがは狩人が多く住まう地区。

 男達の背や腰に下がる武器からして、間違いなく狩人だ。


 ナンパなど日常茶飯事だったキャロルは慣れた様にレニの手を引くとスタスタと歩幅を早める。

「ちょっ…ちょっ…ちょっと待てよ!」

「私たちは忙しいの! 他をあたってちょうだい!」

「いいから少し付き合えよ!」

 肩をつかまれ、キャロルの体が大きく後ろに引かれると同時に男の頬に強烈な平手打ちが炸裂した。

 思いも寄らない反撃に油断していた男が豪快に尻餅を付く。

「しつっこいのよ! 変に触発しないでよ!」

 キャロルが恐れているのはハルトが出現する事だ。

 せっかく可愛くなったレニと散歩を楽しんで居る時にハルトが現れたらたまったものじゃない。

 第一、こんな恰好にさせた事があの男に知れたらどんな毒舌で精神的ダメージを与えられるかは目に見えている。

 命だって危うい。


「行くわよ」

 するとレニの手を取ったキャロルの首筋に冷たいものが突きつけられ、彼女は動きを止めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ