36 師匠を殺すのはどんな罪に問われる
一巡が終わり、再びイザベラが蹴られる番になると、彼女はまたしてもヴァルターの足にしがみついた。
クラリスも諦めきれず、もう一度試そうとした。
クラリスはリヒターに目配せをしたが、リヒターは額をピクッと引きつらせ、見なかったふりをして目をそらした。
クラリスは「ちっ」と舌打ちし、そしてやる気満々のアルベルトと視線を交わした。
二人は互いに微笑み合い、一緒に前に進み、一人はヴァルターのもう片方の足に抱きつき、もう一人はそのままヴァルターの背中に飛び乗った。
「首席、私たちのお尻も痛い。 本当に痛い! リヒターも、な?」
リヒターは黙って顔を覆った。 あまりにも恥ずかしすぎる。
ヴァルターの顔は墨のように真っ黒だった。
以前のこいつらはみんな良い子だったのに、一体どうしたんだ?
どうしてこんなことに……
イザベラはまさに汚染源だ。
クラリスが再びリングから降りてきたとき、彼女はすでに足を引きずり、お尻を押さえ、目を赤くしてイザベラのそばにしゃがみ込んでいた。
「首席、あなたって本当に酷いわ!」
イザベラは振り返って彼女を一瞥した。
「どうやら……さっきアルベルトが言ってた、首席に殴られて泣いたって話は本当だったのね」
「君は泣きたくないの?!」
クラリスは鼻を鳴らし、目元の赤くなったイザベラを見つめた。
イザベラ……泣きたい! すごく痛い!
その後、イザベラたちはヴァルターに手も足も出ないほど叩きのめされた。
リヒターのように強い者は歯を食いしばって痛みの声を漏らさず耐え、イザベラやアルベルトのように大げさに脚を抱え込む者もいれば、クラリスは泣き叫んで甘える者もいた。
とにかく、三時間の訓練が終わると、ヴァルターはちょっとした運動で汗を流したかのように、再び滝の下で修行を続けた。
残された四人はまた滝のそばに横たわり、こっそりお尻や太ももをさすりながら痛みに顔をしかめていた。
イザベラは涙を浮かべながら自分のお尻をさすった。
前世で憧れていた丸みを帯びたお尻も叩き出され、この曲線は実に美しいものになっていた。
痛い!
「剣士じゃないの? 戦う時は剣を使わないの?」
イザベラはようやくこの質問を投げかける時間ができた。
「俺たちには、首席が剣を抜く価値なんてないんだ」
……
「おぉ~~~」と、殴りたくなるほど嫌味で、しかも聞き覚えのある声が響いた。
四人は生きる希望を失ったように顔を上げ、自分たちの鬼畜な師匠の興味津々な笑顔と視線が合った。
「お前たちはさすが俺、クロードの弟子だ。 まだ生きてるじゃないか。やはり俺と同じく天才だな」
イザベラとクラリスは遠慮なく白目をむいた。
一方、アルベルトはそのままリヒターの胸の上にうつ伏せになり、師匠の顔を見たくないという様子だった。
クロード……
「全員、立ち上がれ。 もう一度やり直せ! 剣を手に取れ!」
へ?!!!
剣を?!!!
うっかり殺してしまったらどうするんだ?
クロードは気だるげに笑うと、手振りで合図した。
「師匠に、お前たちの実力がどれだけ向上したか見せてみろ」
アルベルトの顔が一瞬にして青ざめた。
「師匠、本当に……剣を抜いて勝負するんですか?」
クロードは正義感たっぷりに言った。
「俺が愛弟子たちを戦わせて怪我をさせるような人間だと思うか?」
師匠はやっぱり彼らのことを気にかけてくれている!
アルベルトは嬉しさのあまり息を呑んだが、感謝の笑みを浮かべる間もなく、クロードが続けて言った。
「もし君たちが怪我をしたら、治療費は俺が払わなきゃならなくなるじゃないか? それに仙門から責任を問われることにもなる! とんでもない、とんでもない!」
アルベルトは完全に黙り込んでしまった。
「だからな、師匠はもっと良い案を思いついたんだ」
クロードはニヤリと笑った。
イザベラたちは、何か悪い予感を抱いていた。
「ほら、小さな木剣だ。 子供たちはみんなこういうのが好きだろう!」
イザベラたちはクロードが配ったおもちゃの剣を手に取り、呆然とした表情を浮かべた。
クロードはまさに剣一本一本に色を塗った。
イザベラは、見るだけで気分が悪くなるほど緑色の自分の木剣を見つめながら思った。
この修仙界では、師匠を殺すのはどんな罪に問われるのだろうか?




