↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
34/39

34 剣士七組の首席

剣士七組は五人じゃなかったっけ? 首席はどこにいるの?


イザベラの疑問は、翌日には解けた。

翌日、師匠にまた会えるだろうと思っていたイザベラたちは、滝のそばに集まった。


滝の岩のそばに、漆黒の剣が一本、立てかけられていた。


イザベラは一瞬呆気にとられた。この剣、なんだか見覚えがあるような……?

その剣を間近で観察したいと近づこうとしたその時、イザベラはクラリスに手首を掴まれた。


「やばいよ!首席が戻ってきたの?」


アルベルトは思わず足を止め、それからイザベラに説明した。

「そうだ。首席が戻ってきたんだ。それなら、これからはうちらの訓練の責任者は首席になる。クラリスやリヒターでさえ、彼に訓練中に泣かされたことがあるんだ」


『バシッ!』

クラリスはアルベルトの後頭部を平手打ちした。

「何度言ったらわかるの? あれは汗よ。 たまたま目からこぼれただけ。この泣き虫!あんたこそもう泣きやみなさいよ!」


「そういえば師匠は昨日、今日の集合時間を言ってなかったよね? だからちょっと遅れてもいいんじゃない?」

クラリスの言葉に、リヒターとアルベルトの目が輝いた。

クラリスたちはたちまち足を止め、互いに顔を見合わせると、何が起こっているのか分からないイザベラの手を引いて、すぐに引き返そうとした。

イザベラ……首席って一体どれほど恐ろしいの?


彼らが走り出す間もなく。


『パッ!』

漆黒の剣が天から降り注ぎ、彼らの前に立ちはだかった。

低く重々しい声が響いた。

「どこへ行くつもりだ?」


クラリスたちは顔を見合わせ、大声で言った。

「逃げろ!」

リヒター、クラリスとアルベルトは滝のそばにある大門の外へと、風のように駆け出した。


一方、イザベラは目の前の見覚えのある黒い剣に釘付けにされ、その場に立ち尽くしていた。

イザベラが我に返った時には、クラリスたちはすでに一筋の剣気に吹き飛ばされ、イザベラのそばに倒れていた。

イザベラは顔を上げ、黒い剣を握る人物を見つめた……

「ヴァルター?」


ヴァルター……


イザベラの目は輝いた。

「……首席ってあなたなの? なんて縁!」


ヴァルター……


「首席、こちらは私たちの妹弟子のイザベラよ。 まだ会ったことないと思う……けど?」

クラリスは転んで痛めたお尻をさすりながら、ヴァルターに説明した。


「会ったことあるわ、会ったことある! 私、首席とはすごく仲がいいの!」

イザベラは知り合いを見つけたような興奮を顔に浮かべていた。


ヴァルター……

この仙門には、もう戻らなくてもいいだろう。


ヴァルターの指導のもと、イザベラはすぐに「剣士」とは何かを理解した。


仙力に浸されたこの体は、前世とはまるで違っていた。

剣が鞘から抜かれる瞬間、全身の血液が興奮して叫び声を上げるかのようだった。

剣士の剣を振るう動作は、単に「剣を振るう」ためだけの動作ではなく、むしろ本心から湧き上がる本能に従うかのようであり、身のこなしが変わるにつれて、天地の仙力がかつてないほど身体の内へと流れ込んでくる。

それは決して嫌悪感を覚えるような感覚ではなかった。

だからイザベラは、疲れ果てて「もう訓練はごめんだ」と叫んだものの、短い休憩の後、やはりヴァルターの指導の下で、一つまた一つと技を習得していった。

学ばざるを得なかったのも無理はない。首席の指導法は極めて過酷だったからだ。

学習意欲が低いと、殴られる。

技を覚えられないと、殴られる。

技を完全に身につけていないと、殴られる。


四人が団結して反抗したこともあったが、当然のように、まったく敵わなかった。

さすがは剣士七組の首席だ!


だから四人は泣く泣く訓練を続けるしかなかった。

岸辺での千回のから、滝の下での千回の訓練へ。

岸辺でのぎこちない剣術から、滝の下でも滑らかに様々な技を繰り出せるようになるまで。


日々続く滝の水流は、単に彼らの肉体を鍛え、滞っていた経絡を開通させるだけでなく、滝の中に秘められた力が丹田の仙力を呼び覚まし、彼らの基礎をより強固なものにしてくれた。

ヴァルターは、いつかイザベラが流れに逆らって滝の頂上まで登れるようになれば、毎日このような苦行に耐える必要はなくなるだろうと思っていた。


その日、イザベラはついに滝の衝撃に耐えながら剣法の型を一通り完遂することができた。四人は全身ずぶ濡れになって滝のそばに横たわり、疲れ果てて目を開ける気力さえなかった。

ヴァルターは一人ずつに乾燥術をかけた。


イザベラに乾燥術をかける時、ヴァルターの手が一瞬止まった。

イザベラの修練のスピードは驚くほど速く、ヴァルターがこれまで見たことのないものだった。彼女は最初はE級仙士に過ぎなかったが、今ではすでにC級に足を踏み入れようとしている。

これほど急速に成長する者をまったく見たことがないわけではない。だが、それは単純な仙士ではなかった。

魔に堕ちた仙士、つまり自分のような堕魔者だましゃなら、これほど早く昇級する可能性はある。


ただ堕魔者は魔気を吸収することで修行を行う。仙士からは異端の邪教と見なされている。


ヴァルターの手は、イザベラの頭の上でしばらく留まった。

案の定、魔気の気配は微塵も感じられなかった。

これほど急速な成長は、果たしてS級天賦の才だけが理由なのだろうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。