27 まずは天地誓約を立てたらどうだ?
シオンは尚も執拗に説得を続け、さらにはユリアの手を掴んで、行かせないようにさえしていた。
シオンはすでに誓いを立て始めていた。
「誓うよ。もし君が僕と一緒に『小仙門』に入ればこの先一生、君だけを愛し、一生君を大切にする。 もしこの誓いを破ったら絶対に、絶対に……」
「絶対に天雷に打たれて子孫絶え、一生女性に好かれない?」
横からだらりとした声が聞こえてきた。二人は同時に驚いて、声のした方向を見た。
イザベラは二人に軽く笑いかけた。
「こんにちは、私はイザベラです。 うっかりお二人の会話を聞いてしまいました」
そして、無邪気な様子でまばたきをした。
「こちらのユリア仙士、このシオン仙士に天地誓約を立てさせて、『私、シオンはこの一生、ユリア一人だけを愛し、もし誓いを破れば、必ず天雷に打たれて滅びる』と言わせればいいですよ。 青空の下で雷が鳴り響けば、天地への誓いが成立しますわ。 シンプルで誠実ですね」
シオンの表情が硬くなり、イザベラを睨みつけたが、これ以上騒ぎを広げたくないと、ユリアの手を引いて立ち去ろうとした。
「彼女のことは放っておいて、上に行ってから話そう」
イザベラは頬杖をつき、無邪気な表情で言った。
「どうしましたの、シオン仙士? 怖いんですか?」
もし修仙界でイザベラが最も気に入っているものがあるとすれば、それは間違いなく「天地誓約」だろう。
修仙界で「天地誓約」を立てれば、破った瞬間、本当に天雷が落ちる。冗談でも比喩でもなく、本当に雷に打たれるんだ。
前世の世界にこれがあれば、あれほど多くの人が彼女の浮気事件を調査しに来ることもなかっただろうし、彼女も過労死することはなかっただろう。
シオンは無理に笑みを浮かべた。
「天地への誓いなんて、そう簡単に立てるものじゃない。 君はまだ若いんだ、余計なことに首を突っ込むな。 ユリア、先に帰ろう」
しかし、ユリアの足は止まった。彼女は振り返ってイザベラを一瞥し、次にシオンを見た。
後者の顔に浮かぶ動揺はあまりにも露骨で、彼女でさえ「ただ安易に誓いを立てたくないだけ」といった言葉を彼に代わって言うことさえできなかった。
「誓い一つ立てる勇気もないくせに、将来有望な婚約者を連れて、あの三流の仙門へ行くですって?」
イザベラは悠然とした様子で言葉を浴びせ続けた。一言一句が挑発的でありながら、声の調子は落ち着いていた。それでもユリアの心に深く突き刺さった。
「ここで他人の仲を裂くような真似はよせ!」
シオンは怒りを露わにした。
「お前のような小娘に何が分かるんだ? 僕とユリアは十数年もの間、幼なじみだ。 お前が――」
「十数年もの間、幼なじみだったくせに、三度目の任務に失敗したからといって、彼女を連れて星詠仙門を辞めて、あの三流の仙門へ行くなんて」
イザベラは彼の言葉を遮り、落ち着いた口調で言った。
「結局のところ、彼女を手放したくないのか、それとも自分より優秀な婚約者がこの先もっと手の届かない存在になるのが怖いの?」
シオンの顔がたちまち真っ赤になった。
ユリアは呆気にとられた。
イザベラがそう言い終えるや否や、丹田で渦巻いていた仙力が再び勢いよく込み上げてきた。
彼女はうめき声を上げ、無意識に眉をひそめて胸を押さえ、細長い手で襟をぎゅっと握りしめた。荒い息を吐きながら、顔色はますます青ざめていった。
「……ご主人様?」
黒猫が異変に気づいた。
イザベラは黒猫を気にする余裕もなく、石段に崩れ落ち、息が荒くなった。
ユリアは驚いて、先ほどの言葉の衝撃も忘れ、シオンに掴まれていた手を振りほどき、二歩駆け寄ってしゃがみ込んだ。
「大丈夫です?」
イザベラは心の中でこっそりと悪態をついた。やっぱりあれほど龍血酒を飲むべきではなかった。
エネルギーが強すぎるのだ。
イザベラは支えきれなくなった体をユリアに寄りかからせ、演技を忘れることもなかった。
「私……大丈夫です。ユリアお姉さん、本当に優しいですね。 ただちょっと気分が悪くて、少し座っていれば大丈夫よ」
ユリアは汗で濡れたその小さな顔を見つめた。
「この状態じゃ、一人では登れないでしょう。 支えてあげましょうか?」
「お姉さん、ありがとうね」
イザベラは目を細めた。
「こんなに優しいお姉さんには、この世で一番素敵な男性がふさわしいですわ」
肩に乗っていた黒猫は、黙って顔を前足に埋めたかと思うと、空間の中に隠れてしまった。
なんというあざとさだ。
イザベラのこの言葉は本心だった。
彼女は、ユリアが本当に心優しく、本当に善意に満ちていることを感じ取っていた。
ユリアがイザベラを支えると、たちまち三人で歩くことになった。
シオンは不満そうに言った。
「なんであいつを気にかけるんだ? ずっと僕たちの仲を裂こうとしてるってのに。聞こえなかったのか?」
ユリアは意外そうに婚約者を見つめた。
これほど長く付き合っているのに、シオンは彼女の前ではいつも穏やかで思いやりのある人だった。こんな辛辣な言葉を口にしたことは一度もなかった。
イザベラはユリアに寄りかかり、シオンに向かってウインクした。
「仲を裂くってどういうこと? シオン仙士、お姉さんはこの世で一番素敵な男性にふさわしいと思わないの?」
シオンの顔色はさらに曇った。




