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20 弱者に発言権はない

イザベラはエドガーについていき、白玉蓮を植えた。


池に植えられた白玉蓮を見つめながら、皆の表情には依然として安堵の色が見られなかった。

白玉蓮は確かに残すつもりだが、どうやって育てればいいのか?


「雨水だけでは栄養が足りないに違いない。 この白玉蓮、どうしてこんなに小さくなってしまったんだろう?」

エドガーは白玉蓮を見つければ万事解決だと思っていたが、結局見つかったものの、使えないものだった。

それでも彼はイザベラの肩をポンと叩いた。

「お前も少しは成長したな。 ようやく一つくらい、まともなことを成し遂げたじゃないか」


イザベラ「……」

おじいさんの治療も、こいつに頼らなきゃいけない。 殴るわけにはいかない。 我慢よ、我慢……!


「そうだ、この数日間は家で大人しくしていろ。 薬を用意してくるから」

エドガーは二歩ほど歩いたところで振り返り、イザベラにそう言った。


「また薬を飲まなきゃいけないんですか?」

イザベラは目尻をひきつらせた。さっきの薬の味を思い出すのは本当に嫌だった。


「薬を飲みたくないのか? なぜだ? 一生、役立たずでいるつもりか?」

そう言うと彼は立ち去り、尚も小声でつぶやいた。

「命魂が戻ったって言ったじゃないか。 どうしてまだこんなに馬鹿なんだ?」


イザベラ「……」


イザベラはエドガーの背中に向かって拳を振り上げた。

黒猫も彼女の肩にしゃがみ込み、その方向に向かって無言で歯をむき出した。

イザベラ……彼女と黒猫は、まさに二人の役立たずだ。


イザベラは黒猫の頭を撫で、振り返って傍らにいる執事に目を向けた。

「アルフレッドさん、命魂とは何ですか? 私の命魂は元々なかったのですか?」


アルフレッドは軽くお辞儀をした。

「お嬢様、ご推察はなさらないのですか?」


心当たりならある。でも、そんなことあり得ないわ。

イザベラはそれ以上考え込むのをやめ、まずは目の前の問題を解決することにした。

「おじいさんの病気は、一体どういうことなの?」

S級の仙士が、病気になるなんて、あり得ない。


アルフレッドは再び軽くお辞儀をした。

「真実を知るには、お嬢様ご自身の力で勝ち取っていただくしかありません。 今お伝えしても、何の得にもなりません。 お嬢様、強くなってください」


イザベラはアルフレッドを見つめ、眉をひそめた。この家の執事は、まさに狐のような男だ。

質問を一つ二つしても、はっきりとした答えをくれない。


アルフレッドは、不満そうな表情を浮かべるイザベラを見て、微笑んだ。

「王権が強まり、三大伯爵家も虎視眈々と機会を狙っています。フェアフィールド家は、今まさに危うい状況にあります。 お嬢様、そろそろ大人になるべきです」


イザベラは目を伏せ、何も言わなかった。

アルフレッドは、沈黙したイザベラの横顔を見つめ、それ以上何も言わなかった。

池のほとりでは、しばらく静かな風が吹いていた。


イザベラが突然口を開いた。

「弱者には発言権がない。 どこの世界でも同じことよ。 わかったわ」


アルフレッドは一瞬驚いたが、すぐに一礼した。

「お嬢様のおっしゃる通りです」

「とはいえ、あまり焦る必要はありません。 我々老いぼれたちなら、まだしばらく持ちこたえられます」


「……ありがとう」

イザベラは、他人の善意や保護に対して、どう応えていいかあまり分からなかった。


アルフレッドは今度は心から笑った。

「薬はちゃんと飲みましょうね」


イザベラはあの不気味な味を思い出した。「……」


「ハハハ」

アルフレッドは声を上げて笑った。


アルフレッドが去り、池のほとりにはイザベラと白玉蓮、そして黒猫だけが残された。


白玉蓮は、自分が眠りにつくまで待ってからでないとイザベラを帰さないと言い、イザベラは仕方なく炎天下の中、池のほとりにしゃがみ込んだ。


白玉蓮は尚もぶつぶつと呟いていた。

「日月光、万物の土はなかなか見つからないけど、涙ならきっと見つかるはずよ」


「一体誰が池一杯の涙を流せるっていうの?  血を流してもそんなに量は出ないわよ?」

池の中で悠々と揺れている白玉蓮を見ながら、イザベラは指を曲げて憤り混じりに白玉蓮を叩いた。


「えっ、誰が人間の涙なんて欲しがるの? 人間の涙は感情が混ざりすぎていて、毒があるんだぞ」

白玉蓮は花茎を揺らしてイザベラの指を避けながら、嫌そうに言った。


「じゃあ、どんな涙が必要なの?」

イザベラには理解できなかった。


「人魚よ、もちろん。 龍の涙なら尚良いぞ」


人魚ならまだ理解できるが、龍?

龍なんて泣くの? 人を殴って泣かせるだけじゃないの?

数十丈もある龍が柱に巻きつき、「うううっ」と泣いている。イザベラは自分の想像に驚いてしまった。


その時、黒猫が目を輝かせた。

「龍なら、あの泣き虫を探せばいい!」


イザベラ「……誰?」


「ご主人様の小さな弟弟子よ」


小さな弟弟子?

イザベラは頭の中でしばらく思い返した。

元の体の記憶はあまりにも膨大で、恋愛に関する内容はゴミの山のように積み上がっていた。

「セドリックは今日何色の服を着ていたか」や「セドリックが私のイヤリングを綺麗だと褒めてくれた」といった情報の山の中から、龍に関する情報を探し出すのは、決して簡単なことではなかった。


イザベラはしばらくの間、憂鬱な顔をしていた。

泣き虫……

ああ、思い出した。あの小さな白い龍のことだ。


仙門の山門前の石段で、二人は初めて出会った。


彼女は腰に手を当て、空中に浮かんでキラキラと光る小さな白い龍に向かって言った。

「虫なんて大嫌いよ。私から離れて!」


小白龍のひげがぴくっと震え、瞬く間に目頭が熱くなり「わあ」と泣き出すと、あっという間に飛び去っていった。


ここまでを振り返ったイザベラ……

どうやら仙門に戻っても、なかなか大変な日々になりそうだ。


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