19 おじいさんと白玉蓮 “孫”
イザベラは慎重に尋ねた。
「白玉蓮をお探しですか?」
「そうだ、本体だ。 この蓮の実や蓮の花は至る所にあるが、本体はどこにでも隠れている可能性がある。 まったく、厄介な奴だ……」
エドガーは悩みすぎて禿げそうになり、アルフレッドも眉をひそめたが、逆にフェアフィールドはにこにこと言った。
「急ぐことはないよ。 わしならあと数年は持ちこたえられる。 もしその日が来たら、それも運命さ」
イザベラと黒猫「……」
黒猫はイザベラを見つめて言った。
「もしかして?」
イザベラは空間袋から取り出した。
「探しているのは……この三頭身の哪吒のこと?」
「言っただろう、俺は哪吒じゃないって!」
白玉蓮は眠り足りず引きずり出され、必死にもがいていた。
エドガーは目を見開いた。
「……! 白白白白白白白白玉蓮様!」
エドガーは人に対しては荒っぽい態度を取るが、仙草に対してはまるで恋人かのように優しく接する。
アルフレッド「……」
フェアフィールド「……」
「うむ、俺だ」
白玉蓮は気取ってうなずいた。
「パチン!」
ふわふわした平手が白玉蓮の頭に叩きつけられた。
「お腹を空かせて気絶しただけの草なんだから、見栄を張らないでよ」
エドガーは瞬時に立ち上がり、黒猫を放り投げた。
「なんという無礼な! 白玉蓮様を叩くなんて!」
「白玉蓮様、もし将軍をお救いくださるのであれば、この将軍府、あなた様のためなら火の中でも水の中でも飛び込みます!」
白玉蓮は得意げに黒猫を見つめながら言った。
「その必要はない」
黒猫は腹を立てて机を引っ掻いたが、アルフレッドに抱き上げられた。
「白玉蓮様は心優しいですね」
エドガーは和やかな笑みを浮かべた。
「よし、白玉蓮、何か要望があれば言ってくれ。この老人の命は君にかかっている、ハハハ!」
フェアフィールドは豪快に白玉蓮の小さな肩をポンと叩いた。
白玉蓮は照れくさそうに言った。
「俺が欲しいのは、無根水、日月光、万物土だけ――」
おじいさんは口にしていたお茶を吹き出し、咳き込みながら言った。
「ゲホッ、ゲホッ……この病気、別に治さなくてもいいんじゃないか? わしもう十分生きたと思うんだ」
イザベラ「……」
白玉蓮はたちまちプライドを捨てた。
「フェアフィールドおじいさん!」
「イザベラのおじいさんは俺のおじいさんでもあるの。 絶対に治してあげるから、俺を捨てないで、ううううううーー」
その泣き声は、聞く者の心を痛め、涙を誘うほどだった。
引くべき時には引き、出るべき時には出る。
なんと時勢をわきまえる仙草だ!
「おじいさん!」
白玉蓮はもう一回叫んだ。
「ああ、孫よ、おじいさんは君を捨てたりしないよ」
フェアフィールドは快く白玉蓮を応じた。
黒猫「……」
エドガー「……」
アルフレッド「……」
イザベラ「……これ、漫才でもやってるの?」
「ほら、おじいさん、噛んで!」
白玉蓮は言いながら、白くて柔らかな小さな腕を、フェアフィールドの口元へと差し出した。
フェアフィールドは満面の笑みを浮かべ、
「じゃ、いただきます」
ちょうど噛み付こうとしたその時。
黒猫はすぐに、ふさふさした肉厚な前足で耳を覆った。
イザベラも素早く耳を塞いだ。
次の瞬間
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア――」
おじいさんは孫を放り投げた!
この白玉蓮“孫”は、もしかして音響攻撃型なんじゃないか?
アルフレッドは、泣きじゃくる白玉蓮を受け止めた。
「おじいさん、どうして人を食べるの?」
白玉蓮はビックリようで言った。
「君が噛んでって言ったじゃないか?」
フェアフィールドは悔しそうに言った。
「本当に噛む奴があるか!」
白玉蓮はさらに不満そうだった。
イザベラ……わかったわ。
一人は、礼儀として……言うだけ。 もう一人は、遠慮なし!
……こういう勘違い、職場でもよくあるわよね。
フェアフィールドはまた部屋へと押し戻された。
部屋の中で、アルフレッドはフェアフィールドに向かってため息をついた。「エドガーが怒るのも無理はないよ。 ご自身の体の状態がどれほどか、ご自分でもわかっているはずなのに、なぜそんな一時の気概にこだわったんですか?」
ベッドに横たわるフェアフィールドは、顔色は少し青ざめていたが、笑みを浮かべて言った。
「アルフレッド、わしのイザベラが戻ってきたんだ」
そう言うと、目頭が赤くなった。
アルフレッドは気づかないふりをした。
「ええ、戻ってきましたね。 しかも、とても立派に」
「イザベラのためだけじゃないんだ。
彼らは、わしがとっくにS級の仙力を失ったと推測していたじゃないか? 王宮に棺が運ばれた時、どれだけの人が見物していたと思う? 彼らは今、きっと気が気じゃないだろう。 これで、フェアフィールドはしばらくの間、安泰だ」
「口だけですね。 彼らを威嚇することなんて、ここ数年何度もやってきたじゃないですか。 将軍が自ら乗り出したことなんてありました? あれほど多くの家臣を雇っているのに。 結局はイザベラのためでしょう」
「……彼女に申し訳ない。 わしにはもう息子も嫁もいない。 残された家族は彼女ただ一人だ。 どうして彼女に不義理をさせられるだろうか? わしの息がある限り、誰にもわしの孫娘に手を出させはしない!」
そう言い放つと、病弱な老人の瞳に断固とした光が宿った。
アルフレッドはフェアフィールドの布団を直してやった。
「分かりました。 もう無理しないで、ごゆっくり休んでください」
部屋を出る前に、アルフレッドは横たわるその姿に向かってこう付け加えた。
「私たちもいるから、将軍、心配しないでください」
フェアフィールドは微笑んだ。




