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10 白玉蓮にハメられた?

白玉蓮はくぎょくれんは空中で「パッ」と白い光を放ち、地面に着地する頃には三頭身の小さな人形へと姿を変え、頭には蓮の花と蓮の葉を乗せていた。

「痛っ! 何するのよ、この野蛮人!」


その姿を見て、イザベラはかつて読んだ漫画のキャラクター、「哪吒」という三頭身の姿を思い出し、妙な親近感を覚えた。


「ニャー!!」

突然現れた丸々とした小さな人形に、黒猫は驚いてイザベラの肩からシュッと飛び出し、木の上に逃げ込んだ。背中の毛は逆立っていた。


イザベラ:……本当に主人の身を守る良い獣だ。


白玉蓮は大きな蓮の葉の上に立ち、両手で右頬を押さえていた。指の隙間からは、かすかに歯型が見えた。


イザベラと、すすり泣いている白玉蓮は三秒ほど見つめ合った。


そして彼女は乾坤袋から任務の巻物を勢いよく取り出し、広げて見た。

「十大仙草の一つ、白玉蓮の花の蓮の実、白玉蓮の花本体、人形に変身可能。蓮の実の効能:人の筋骨を再構築し、体内の不純物を取り除き、それによって洗髓の効果をもたらす」


「白玉蓮……さん?」

イザベラは慎重に尋ねた。


白玉蓮は顔を覆いながら「うん」と一声漏らし、指の隙間から彼女を睨みつけた。

「俺だよ。 みんなは蓮の実を一つ取ったらすぐ立ち去るのに、どうして俺を噛むの?」


あなたが人間とは思いつかなかったもの。イザベラは心の中でそう思った。

「私がここですでにずいぶん長い間、蓮の実を摘んだり揺らしたりしてるのに起きなかったの? 眠りが深すぎるんじゃない?」


白玉蓮はしばらくぶつぶつと呟き続けた。


イザベラ:「……ごめんなさい、一言も聞こえなかったわ」


「寝てたわけじゃないのよ、お腹が空いて気絶してただけ。ダメか?」


黒猫が木から飛び降りてイザベラの肩に飛び乗った。

「ハハハハ、仙草のくせに、お腹が空いて気絶するなんて、ハハハ」


白玉蓮の顔は真っ赤になり、目には恥じらいの涙が溢れていた。


イザベラは、この世界に来てから自分もよく空腹に苦しんできたことを思い出し、白玉蓮とはまさに同じ境遇だと感じた。

イザベラはしゃがみ込んで白玉蓮をじっと見つめた。

「あなた、一輪の花なのに、どうして空腹で気を失うの? 水と光があれば、光合成で済むんじゃないの?」


白玉蓮:「……光合成?」


黒猫:「……光合成?」


イザベラ:「……まあ大したことじゃないわ。 植物のあなたがどうして空腹になるの?」


「ここにはもう長い間『無根水』がないの。以前の霧隠秘境はこんなじゃなかったわ」

と、白玉蓮は悲しげに言った。


さっきは聞こえなかった、今度は理解できない。イザベラは礼儀正しく微笑んだ。

「『無根水』って……何?」


黒猫は尻尾を一度振った。

「空から落ちてくる水のことよ。地気のついていないもの。雨や露もそう。もちろん、涙もね」


変わった食べ物もあったものね。

イザベラは空を見上げた。

霧隠秘境の空は樹冠に完全に覆われており、一筋の光さえ差し込んでいない。

腹ペコで気を失うのも無理はない。


「わかったわ。 蓮の種を一つくれれば、もう行くから」


「……責任を取らないの?!」

白玉蓮は訴えるように目を大きく見開いた。


「……責任?」


「俺、噛まれたんだぞ!」


「ごめん?」


「謝れば済むの?」


「じゃあ、どうするつもり?」


「俺を連れて行って、無根水を探して」


「は?」


白玉蓮は腰に手を当て、丸い瞳で彼女を睨みつけ、少しも引く気配を見せなかった。


イザベラ:「……」

この任務、難しすぎる!


イザベラは仕方なく空間袋を開き、白玉蓮を中に入れた。

「そういえば、任務では蓮の実だけが必要だって言っていたわ。この子を丸ごと引き渡してしまえば、他の仙草を探す必要はなくなるんじゃない?」


黒猫は前足で耳をかきながら言った。

「うん、もしかしたらそうかもね。どうせ大迷惑だし、仙門に押し付けてしまえばちょうどいい――」


「うわああああーーお前たち二人とも悪党だ! 俺を捨てようなんて!

仙門には行くのは嫌だ、嫌だ、嫌だ!ーー」


イザベラと黒猫は同時に耳を塞いだ。この声の大きさ、本当に空腹なのか?

イザベラが「仙門には送らない」と三度約束して、ようやく白玉蓮は静かになった。

「俺、すごく役に立つんだから、俺を送り出さないで。 あんなにたくさんの人が俺を探しているのに、俺を送り出そうなんて、本当に、自分がどれだけ得をしてるのか分かってないんだから!」


イザベラは空間袋の中で眠りかけの白玉蓮を見つめ、ため息をついた。

「あなたがいい子だってことはわかってるわ。 でも、私にあなたを守れるだけの力があるのかなあ……」

その場その場で対処していくしかない。


イザベラが空間袋の紐を結び終えた途端、聞き慣れた風を切る音が襲ってきた。

「まさか、またか。 これで何回目の追撃だ?」




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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明日も更新予定ですので、また読みに来ていただけると嬉しいです!


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