0009 差別1
「おまえ、金貨何枚だ?何で貴族の屋敷にいる?」
「それが、記憶喪失で。」
リカリという人物にまずは敬語を取ってみる。
「敬語。」
「はい!」
「何故怯まない?オレが今銃持ってたら、殺されてる所なんだぞ?」
「・・・すみません。」
リカリはかいばの山を壊しながら、剣を抜いた。
「で、ここに奴隷がいると聞いている。いいんだな?」
そのまま近づいてくるので、パトラは思い付いたことを言った。
「あなたは奴隷じゃないんですか?」
「おれは騎士だ。リカリ・アーバスと言う。しかも、放浪騎士だ。」
「ほうろうですか?」
「放浪騎士は各地のモンスターを殺す係だな。そんなことも知らないのか?」
顔を近づけると、リカリは外に出ようとした。
「何でオレがおまえみたいなブスとやんなきゃダメなんだ?」
「え?ブス?」
リカリは剣でパトラを指した。
「おまえ、金貨何枚だ?何で貴族の屋敷にいる?」
そういえば、大量の情報の数々だ。この人は。
「私、ブスに見えますか?」
「・・・見たこともないほど綺麗だが?」
敬語だ敬語と唱えながら、パトラはまた質問した。
「騎士とメイドさんなら、どっちが偉いですか?」
「おまえどこの外国から買われてきたんだ?大丈夫か?」
通過した。よかった、質問はスルーだ。敬語だ敬語。
「メイドに決まってるだろ。」
パトラに戦慄が走った。
大使の人は自分を撃とうとしていたのをパトラは今になって思い出した。
「ここは休憩所だ。」
リカリは後ろから銃を出して投げた。
「いろんな人が泊まりにくる。まあ、奴隷なんてまた買い直せばいいだけだしな。」
騎士は奴隷より断然上らしい。
「いいか?ここになんで来た?」
「あの!」
こうなったら、また玉砕するしかない。
「交渉させてくれませんか?!」
リカリは銃を指でくるくるさせながら、ニヤリと笑った。
「ここを出ていくための協力ならしてもいいよ。ただ、奴隷としてもなんのメリットもないが、こうしよう。」
リカリは銃口をパトラに向けた。
「おまえ、ここからオレを出せ。」




