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懐かしのあの国

あの後私達は二人で大人しく部屋に戻った。レイちゃんには死ぬほど怒られたけど、サラッとあのイベントの場所も確認できたし、後はレイちゃんのあとをピッタリ付いて華麗に飛ぶだけだ。それに、レイちゃんはスパルタを緩めてくれてリヴィアの天才具合なら6時間くらいで終わる勉強にしてくれる事になった。(前までは12時間だよ!えげつねぇ。(^^))


「で、レオン様に何もされなかったんですね?」


「そんな何回も聞かなくてもホントに何もされなかったてば。」



「本当に?」


「ほんとーに!でね、今度一緒に可愛い雑貨のお店に行くことになったの!」


「可愛い物とか好きだったんですね。」


「う、うんスキだ、よ?」


中学生になってから5年間ジャージ皆勤賞の女が好きなわけなかったりするわけ無い。勿論(私にとって)バッドエンド回避のごますりである。



「ごますりですか。何かレオン様がやるにしても余程の理由が無い限りあらかさまに危害を加えるなんてことは無いと思いますが。」



余程の理由があるからこうして焦っているのだよ…………あとそんなに私って表情出やすいのかなぁ。(※リヴィアは表情で見透かされている体で考えています。)



「そうですね。奥様やまぁ私でなくても日々正確な情報を見極め、緻密な人間関係を作り上げている貴族や商人でも分かると思います。」


「そっかぁーー。(※リヴィアは諦めています。少々心の折れやすい主人公なのでご了承下さい。)」



「そう言えば、旦那様の所に異国の客人が来ているようですよ。」


「マジか。」


「何でも、東方の大国の使節だとか。」


思わず貴族大図鑑を投げ出す。


顔をしかめるレイちゃんをよそに向かいにいるレイちゃんの方に身を乗り出した。


「それってまさか、着物とか着てたりするっ?」


「キモノ?何ですか?確か彼等はカンフクとかいうものを着ていると言っていましたね。」


カンフク…………この世界何となくだけど、アジアとかヨーロッパみたいな大まかには分けられてるのかもしれない。異国キャラって言っても王子ルートに出てくるのは多分近隣国の貴族くらいしかいないからバッドエンドには関係ないし…………


「私会ってみたい。」


「はい。そう言うと思いましたので、旦那様に許可を取っておきました。幸い書庫に興味がある様でしたのでもう直ぐいらっしゃいます。」


「やったぁ。」


「リヴィアお嬢様。お客様がお見えです。」


ちょっと上ずったメリーちゃんの声が書庫に響いた。後ろに小さな老人を引き連れている。


「お目にかかれて光栄でございます。私の名はシス。これはこれは可愛らしいお嬢さんですね。」


老人は一歩前に出ると頭を下げた。真っ白な髪を緩く三つ編みにしており、肌は黄色だ。


「私の名前はリヴィア・オールシーと申します。あ、私もお目にかかれて光栄です。この度は時間を割いてくれて有難うございます。」


急いで椅子から降りるとドレスの裾を持ち上げて礼をする。レイちゃんも黙ってペコリと一礼した。


「流石あの公爵夫婦のご令嬢だ。ささ、座らせて貰って良いかな?」


私とその老人シスは対になって座ると私の後ろにはレイちゃん、シスの後ろにはメリーちゃんが立った。


「では、リヴィア様私に聞きたいこととは何かな?」


「あの、シス様の」


「シス、で良いですよ。」


「…………では、シス。貴方の国の近隣国に二ホンという名の島国はありますか?」


「えぇ、ありますよ。二ホン。刀というものを持っていて和服というものを身に纏っております。この王国が魔法が生活の主ならあの国は占いですね。」


「占い?」


「占いです。ご存知ありませんか?」


「いえ、知っておりますがそんな不確定要素を含んだものが生活の基盤なのですか?」


「それが不確定ではないのですよ。あの国の占いは外れることがありません。占いの仕方か、あの国に生まれた人々自体が神の恩恵を授かっているのか…………」


「確かめる術は無いのですか?」


「それがどうも形の無い物が鍵のようで実態の掴みようがないのですよ。まぁ、この世界の謎の一つ、なのかもしれませんな。」


「はぁ…………」


よく分かんないけど多分聞いても分かんないからいいや。



「他に聞きたいことはありますかな?」



「その二ホンという国に同い年くらいの王族はいらっしゃいますか?」


「はて?…………確か…………私はお目にかかったことは御座いませんが、生まれつきの病床に臥した王女がいるのだとか…………丁度同い年だった筈ですよ。」


「そうなのですか…………」


お友達になってあわよくばその国に別荘でもお願いして作れるかと思ったのに…………(図々しい)病気なら留学とかでこの国の学院に来る事もないじゃん。


「只、あの国の王太子は13歳になるまで王族と一部の王宮に使える者に取り囲まれ生まれたことも全て隠されますから、いらっしゃるかもしれませぬ。」



え、嫌だ。


「他にありませんかな。では、そろそろ…………」

急にシスがそわそわと高い高い本棚に敷き詰められた部屋を見渡す。


「ご、ご案内致します。」

メリーちゃんがズイと前に出る。


(え、メリーちゃん、案内できるの?!書庫って馬鹿広いんだよ!)


(大丈夫、三日前から寝ずに必死に覚えたから!)


(すげえ、神‼)


(ドヤァ)


「何か意思疎通している所お邪魔しますが、邪魔になるといけませんので部屋に戻りましょう。」


耳元でレイちゃんが囁く。


「分かった。シス。本当にありがとうございました。」

軽く一礼する。


「はい。こちらこそです。機会があればまた、お話し致しましょう。」


「喜んで。」






ゆっくりと重い扉をレイちゃんが閉めた。



「あの、お嬢様。お願いがあるのですが、中庭に寄らせていけませんか?」



ぎぎゃああああああああああああーー


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