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灰色の未来に灯る福音  作者: 岩井朔太郎
始まりと出会い
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7/10

第七話 七機のオートマキナ

 今日はオートマキナの詳しい構造についての座学だ。

「やっぱすげぇなぁ、オートマキナ!!バランスの取れた合金フレームと超硬質セラミック装甲、しなやかな人工筋肉、でかい機体を支える小型でかつ大容量バッテリー……」

 葛西は教科書を見つめながら恍惚としていた。

「あとはナノマシンが使われてるのか。用途は軽い自動修復機能と全体の微調整ね」

「オートマキナは通信性能も素晴らしいですぞ。量子暗号化された高速無線通信もある。男の子のロマンてんこ盛りですな、デュフフフ」

「そこの3人、私語は慎むように。熱心なのは良いことだがな」

「「「はい、教官」」」

 しばし授業を熱心に聞き、オートマキナの構造と性能についてしっかり学んだ。


 次はセクターJと統合地球の通信基盤についての授業だ。

「セクターJの都市通信はフォトニックバックボーンで接続されている。さらに軌道衛星ネットワークにより、インテグレーター様が各セクターを統合管理しておられる」

 インテグレーター様、か……

「次に、軍事通信はすべて量子暗号化され、さらに君たちが搭乗するオートマキナ同士は戦術メッシュでデータを共有する」

 その後、セクターJと統合地球についての詳しい通信網についての授業が続いた。


 次の日。


「本日は生徒同士によるAMを使った実戦形式演習の準備を行う。今までの成績から、2名のチームリーダーをこちらで選んだ。新崎・A・ジェームス、三沢ヨハネ、両名前へ」

「はい!!」

「了解であります!!」

「ふたりとも、今ここにいる生徒から6名ずつ選抜し、合計7名のチームを編成しろ」

「ノエル、よろしくな」

「おう、任しとけ」

 2人は自然にハイタッチを交わした。

 相馬教官が小さく微笑む。

「いいコンビだな」

「ふん、あの乱暴なだけの小娘を選んだか。おい、お前」

「おう」

「お前の操縦技術はなかなかだ。チームに入れ」

「あいよ」

 新崎は相馬から与えられた成績表を見つつ、一人の大柄な生徒をスカウトした。


 ヨハネは、真田、寺崎、棚橋、葛西、瀬戸を選び、新崎も生徒を選び終えた。

「チームは決まったようだな。演習で使用する機体はすべて量産型オートマキナだ。ただし訓練用モジュールで各自カスタマイズできる。3日後までに、調整しておくように」

 ヨハネたちは少し集まって作戦会議を開いた。

「調整できるんだな」

「調整?」

「ふむ、装甲を厚くしたい」

「命中率のいいスナイパーライフルがほしいな」

「ぼくはセンサーとかジャミング装置ですかなぁ」

「俺は作戦中修理とかできる機能ほしいぜ!!」

「私は救護とサポート特化ね」

「ふん、ワイワイと仲良しごっこか。おい、お前ら」

「なんだ?」

「とにかく火力とスピードで押しつぶすぞ」

「おう、やろうぜ」

 和気あいあいと作戦会議をするヨハネのチームとは対象的に、事務的に話す新崎のチーム。

「カスタムの指針は決まったか?では実戦演習のブリーフィングは以上で終了とする。解散」

「ありがとうございました」


 生徒全員が相馬教官へ一礼し、新崎チームはすぐに解散、ヨハネチームはオートマキナ格納庫のある上層階へと向かった。


 格納庫の巨大なシャッターが開く。

 そこには、10体の巨大な機体が並んでいた。

 数人の整備兵が機体の点検をしている。

「さて、詳細を詰めるか」

「調整ってなんだ?」

「どんな戦い方をするのか、そのためにどんな武器を持つのか決めるんだ」

「なるほど、じゃああたしはブレードと軽めの銃がいいな」

「うん、それがノエルにはあってそうだ」

「俺は盾がほしい。それと制圧用の機関砲だな」

「やはり命中精度の高いスナイパーライフルだな。光学スコープもあればなおいい」

「僕は索敵ドローンとか、通信ジャマーを積みたいお」

「修理用のナノマシンと、作業用の追加アームがほしいぜ!!」

「私は医療機ね、怪我した人を収容できるよう、大型にしたいわ」

「よし、まとめたぞ。整備の人に注文してくる」

「俺も整備に加わるぞ!!」

 ヨハネは整備員にそれぞれの希望を伝える。

 さらに詳しいカスタムについて、葛西が熱く語りながら整備に加わった。



 3日後。


「ではこれより訓練フィールドへ移動する。総員輸送機に乗り込め」

 相馬教官の指示とともに、AMが積まれた2つの巨大な空輸機へチームごとに乗り込む。

 数十分ほど飛行し、セクターJから離れた荒野が見えてきた。

 訓練フィールドに輸送機が着陸し、ハッチが開いた。

「セクターJからこんなに離れたのは初めてだな」

「おおー!!でかい岩だらけだな!!」

「今回の演習は拠点にあるフラッグ搭載ドローンを守る形式だ。ドローンが破壊されるか、どちらかのチームメンバーが全滅、時間切れまたは降参で終了となる」

「あれか、オートマキナよりやや小さいな」

「あれを守るのか」

「確認は済んだな、では全員オートマキナに乗り込め」

 ヨハネは灰色の機体へ、ノエルは銀色の機体へ乗り込む。

 巨大なハッチが閉まり、操縦席の計器が光った。

「準備はいいな、ではカウントダウンを開始する。3,2,1、演習開始」


「いくぞノエル!!」

「ああ、やってやる!!」


 初めての対人演習、その幕が切って落とされた。

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