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運命の絆  作者: ふじわら
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第13章 山南敬介と今井恭子

坂本達の住んでる家は屯所から歩いて10分くらいの場所である。


3人は麻美達に山南の事を告げに戻る。


麻美は恭子に付きっきりで看病している。


本日は恭子の状態も良い。


わんわんは麻美と恭子を居間に集めた。


居間には坂本とわんわんとのりおが座っていた。


ただ事ではない空気感に麻美と恭子は困惑した。


「あんたら5日間くらい帰って来なかったけど何してたの?」


麻美の問いかけにわんわんが口を開く。


「えっと...何て言って良いのかな」

「だから何よ?」

「山南さんが今夜切腹する」

「え?」

「だから、新撰組から脱走して、その罪で今夜切腹する」


麻美は突然過ぎて、いまいち理解出来なかった。


だが恭子はすぐ察した。


「いつ脱走したの?」

「4日前」


山南と恭子が最後に会った日からそう時間は経っていないで脱走をしている。


あれは恭子に別れを言いに来たのだとわかった。


「切腹まで後何時間あるの?」

「2時間位かな」


麻美はちゃぶ台を力一杯叩いた。


「ねぇ!どうしてあんな良い人が切腹しなきゃならないの!!?」

「それは...」

「もっさん知ってたんでしょ!!?」

「ああ」

「ならなんで黙って見過ごしたのよ!!」


麻美は大粒の涙を流して坂本に詰め寄った。


「仕方ないだろう...」


麻美はうんざりした。


「はいはい!また歴史が変わっちゃうって言いたいんでしょ!!」


麻美は目を真っ赤ににして号泣した。


そんな麻美にわんわんは優しく語りかけた。


「麻美?それは違うよ、今回はもっさんだって、歴史を変える覚悟で山南さんを助けようとしたんだよ?」

「え?」

「わんわんもういいって」


坂本は弁解するつもりはなかった。


そして黙って聞いてた恭子が口を開く。


「山南さんはいつ切腹するの?」

「2時間後の18時だよ」

「山南さんに会わせてくれない?」


わんわんは恭子の頼みに困惑した。


「どうだろう...山南さんには監視が付いてるから...」

「お願い...何とかならない?」


坂本は少し考えてある事を思いつく。


「俺に良い考えがある」


坂本は全員に思いついた事を話し、急いで屯所に向かった。



17時八木邸


坂本は近藤に山南の面会を懇願したが、もちろん断れらる。



山南は時間まで八木邸の前の前川邸の一室で、切腹の時間まで監視されていた。



坂本は山南が前川邸で切腹する事を知っていた。


そこで、坂本とのりおと麻美で、打ち合わせ通り前川邸で監視されてる部屋の前で、山南に会わせて欲しいと騒ぎ、監視の目を自分等に向ける事にする為、前川邸に向かう。



その後にわんわんと恭子は、坂本の言われた通り外から前川邸の隅に行き、そこの小部屋に山南は監視されている。


小部屋には小窓があるため、そこから山南と話せると教えられていた。


恭子は小窓に細い声で呼びかけた。


わんわんは2、3歩後ろに下がって、恭子を見守っていた。


「山南さん」


暫くすると小窓の障子が開く。


死装束を纏い山南は姿を見せた。


部屋の前では、坂本達が監視の隊士に山南と会わせて欲しいと懇願していた。


もちろん囮である。


山南は恭子を見て驚いた。


「恭子さんどうしてここに...ダメじゃないですか、身体に障りますよ」


しかし恭子はそんな事気にもせず、山南に涙ながら語りかける。


「山南さん何で脱走なんか...」


これが死の間近な人間の顔なのか、穏やかな表情で恭子に返事をする。


「恭子さん私は後悔などしてませんよ」

「私はどんな形でも良い、貴方に生きていて欲しい」

「恭子さん私は貴方達...いや、貴女とは違う形で出会いたかった」

「山南さん...」


恭子の目からは大粒の涙が流れていた。


「恭子さんありがとう。貴女は最後の最後で私の心を癒やしてくれた事、感謝してますよ」


山南は恭子に深くお辞儀をした。


「さぁもうお行きなさい。そして貴方達の戻るべき所に帰るのですよ」


そう言うと山南は障子を閉めた。


「山南さん!!山南さん!!!」


恭子は感情を露わにして山南の名前を呼んだ。


しかし再び障子が開く事はなかった。


恭子は地面に膝をつけて泣いた。


「山南さん...行かないで...」


わんわんは恭子に近寄り、しゃがみ込み恭子の肩を抱き抱えた。


恭子はわんわんに抱きつき、声を出して号泣した。


これが坂本達の良き理解者の最後であった。



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