第13章 山南敬介と今井恭子
全員起床し、宿を出て屯所に向かう一行。
山南以外は帰ることに気が進まなく、足取りが重い様子である。
帰れば山南の切腹免れないからである。
そこに姉妹が追いかけてくる。
息を切らせ、姉のりょうがわんわんに懇願する。
「私たちも連れてってください!」
「ことわる!」
「お願いします!なんでもしますから!」
「ことわる!」
わんわんはこの3日間どれだけ酷い目に、あったか姉妹に説明した。
殆ど被害はのりおであったのだが...
必死で懇求する姉妹に山南は尋ねた。
「あなた方が京に行く目的は聞かせていただけますか?」
「私たちは家が貧しくて、仕送りをするため、京で働きたくて...」
「なるほど...わかりました。私の知り合いのお座敷で働きますか?」
わんわんはこの山南の提案に驚いた。
「いやいや!やめた方がいいですって」
「鈴木君、困ってる方がいたら、手を差し伸べす事も大事ですよ」
「はぁ...」
姉妹は山南に深々と頭を下げた。
「では参りましょうか」
坂本、わんわん、のりおは同時に思う。
(水戸○門かよ!)
そして一行は京に向かった。
京に着くつとまず姉妹が働く店に向かった。
麻美や恭子が働いてる店である。
店の前に着くと看板に目が行く。
いつも夜で気にもしなかったが、店の看板を見て
初めて店の名前を知った。
店の名前は「出穴」
わんわんはふっと思う。
(なんだろう。どっかで聞いた事あるな)
坂本は疑問になり尋ねた。
「なんで出穴なんですか?」
「それは私にもわかりかねます」
山南は店の主人に姉妹の事情を話し、雇ってもらえるように頼み込み、主人は姉妹の美貌を見て快く快諾した。
姉妹は坂本達に深々と頭を下げた。
主人は姉妹を店の中に招き入れる。
妹のゆいかが主人に尋ねる。
「あの〜なんで出穴なんですか?」
「それはおいおい説明しますね」
「え〜すごい気になる〜」
そう言い残すと姉妹は店の中に入って行った。
そのやり取りを見ていたわんわんとのりおは囁いた。
「あの主人地獄を見るな」
「ええ」
2人は店に手を合わせて同時に拝んだ。
「アーメン」
坂本は2人の行動を見て問いかけた。
「何やってるの?」
「気にするなエールや」
「なんのこっちゃい」
「さっさっ参りましょうか」
「だから水戸○門かよ!!」
山南と沖田は3人のやり取りを見て大笑いをした。
「いやぁ君達は本当に愉快ですねぇ」
これが山南にとって快く笑った最後の出来事だった。
そして、坂本達に一生忘れられない悲しい別れが訪れる。




