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運命の絆  作者: ふじわら
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第13章 山南敬介と今井恭子

翌朝のりおは部屋の隅で目覚めた。


頭が割れるくらい痛い。


猛烈な吐き気が襲った。



2日酔いである。



辺りを見渡すと、姉妹が布団を敷いて寝ている。


部屋は夥しいほどの酒瓶の空が転がっていた。


そこにわんわんの姿はなかった。



昨夜の記憶がほぼ無い。



この悪魔の姉妹に潰されたのだからである。


姉妹の寝顔を見ると昨夜の豹変が、夢かと思えるくらいであった。


暫くするとわんわんが戻ってくる。


「よう!目が覚めたか?」

「はい。最悪ですわ」

「ね。まさかの酒乱だったわ」

「どこ行ってたんですか?」

「隣の部屋が空いてたからそこで寝てたわ」



2人が話してると姉妹が目を覚ます。


布団から慌てて飛び起きる。


「お、おはようございます」

「すいません。昨夜の記憶が全く覚えてません...」

「でしょうね」


姉のりょうが申し訳なさそうに呟く。


「またやっちゃた...すいません私達お酒飲むと見境なくなっちゃうんです...」

「飲む前に言ってよ...」

「すいません...」


わんわんはため息をついた。


そして本来の目的を思い出す。


「あっやば。忘れてた...のりお君外見ないと...」

「忘れてましたね...」


2人は慌てて外の状況を見た。


外の道は相変わらず賑わっていた。


少しでも目を離すと、山南を見逃してしまう。 

 


突然外を見出す2人にりょうは尋ねた。


「あのぉ〜何してるんですか?」

「ちょっと人を探してまして...」

「人ですか?」

「お侍です」

「私達もお手伝いさせてください」

「いやいい」

「え?」


わんわんは拒否した。


昨夜の変貌が余程堪えたのだろ。


「大体あんたら俺らが探してる人の顔知らないでしょ」

「それなら他のことでお手伝いします」

「お願いします。助けてくれたお礼がしたいんです」

「わんさん手伝ってもらいましょうよ」

「まぁお好きに」


必死で頼み込む姉妹に2人は根負けした。



と言うより、やはりこの2人の美貌に負けたのだろう。



男性は美女と用がなくても一緒に居たいのは当然である。


わんわんはこの姉妹に、酒さえ飲ませなければ良いと思ったのである。


2人は食事を交代で取りそれ以外は、外をずっと見ていたが山南が姿を現す事はなかった。



そして再び夜になった。


夜になると当然電気がないため外は暗くなり、月明かりを頼りに見ていた。


流石に深夜には現れる事は無いと思い、晩御飯までとしていた。


それまで2人は姉妹を部屋で待たせて、宿の前に立って見張る事にした。


2時間くらい経ち、部屋に4人分の料理が届く。


姉妹は料理を受け取り膳を並べた。


当然お酒もあった。


しかしこれはわんわんとのりおのお酒である。


姉妹は2人が戻るのを待つ。


りょうはお酒を見ていた。


ゆいかもお酒を見ている。


もちろん飲む気はない。


ただお酒を見てるだけである。



だが何を思ったのかりょうがお酒を手に取った。


「お姉ちゃん?」

「いやこの酒器の色すごい綺麗だと思ってさ」

「本当だ〜」


ただの白色である。


りょうは酒器を手から離す。


膳の上に酒器は落ち酒が溢れた。


「あっいけない!」

「何やってんのよ!」


完全にわざとである。


りょうは手ぬぐい拭くふりをして、手で酒を口にした。



それを見たゆいかはりょうに説教した。



「お姉ちゃんこんな風に酒器を持って落としたら

お酒が溢れるじゃない!」


同じ方法でゆいかも膳に酒器を落とす。


そしてりょう同様同じ方法でお酒を口にする。



完全に確信犯である。



そんな事になってるとも知らず、わんわんとのりおは山南が現れるのを待っていた。


「んー今日も来ないかもね」

「そうですねぇ」

「腹も減ったなぁ」

「また明日の朝からにしようか」

「ですね」


2人は部屋に戻る事にした。


わんわんは部屋の襖を開けた。


そしてとんでもない状況がわんわん目に飛び込んでくる。


わんわんは驚き襖を閉める。



「え?どうしたんですか?」

「いやわからない...3秒前の記憶がない」

「え!」


今度はのりおが襖を開ける。



何十本の酒器が転がり落ち、姉妹が酒を飲んでいた。


のりおはりょうと目が合う。


「おい!おせーよ!こっち来てお前も飲め!」


りょうはのりおの手を引っ張った。


「ちょっと!!!なになに!!」

「アハハハハツねぇねぇわんわんはどこ?なんでわんわんて言うんだよぉ〜」


その瞬間わんわんは襖を閉めて一言だけ発して隣の部屋に逃げた。


「アーメン」


のりおの悲鳴だけが宿中に響き渡った。



その頃山南は...



丁度のりおが悲鳴を上げた時、運悪く宿の前を通過していた。



悲鳴は当然外まで響き渡っていた。


山南は宿の2階を見上げた。


「賑やかな宿ですねぇ」


そう言うと再び大津に向かって歩き出す。


不幸すぎる結末であった。

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