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運命の絆  作者: ふじわら
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第12章 参謀伊東甲子太郎

わんわんの洞察力と麻美の暴露により、全てが明らかになってしまった。


麻美は酔いが冷めた時に後悔するであろう。


坂本は気まずくなり、トイレに席を立つ。



トイレで用を足し、一呼吸入れ部屋に戻ろうとした時、襖の前に桜似の咲が坂本を待っていた。


坂本は何事かと尋ねた。


「どうしたんですか?こんな所で...」


咲はニコリと笑い何も答えない。


透き通る様な眼差しと、その笑顔が少し不気味すら感じられた。



だが坂本はそのミステリアスな咲が、自分を待ってるって事は自分に気があると思い始めた。



(モテ期かこれ...)

壁に手を当てて

少しカッコつけてみた。


「なに?なにか俺に用か?」


咲は手を叩いて大笑いをした。


「な、なんだよ」


そして咲は口を開く。


「あいからずの童貞感丸出しだなお前はぁ〜」

「え?」


突然の事で何がなんだかわからない。


この前の咲とは明らかに違う。


「しかし驚いたなぁ〜あんただけじゃなくて、わんやのりに麻美やキョンにも会えるとは驚いたわぁ」

「なっ!!!」


坂本は驚いた。


この口調、名前の呼び方は明らかに桜そのものだった。


「お前まさか桜か!?」


桜はニコリと笑い頷いた。


坂本は桜の両肩を強く握りしめた。


「おい!どうゆう事なんだよ!!なんでお前がここに居るんだよ!」


坂本は興奮して、強く桜を揺すった。


桜は力強く肩を握る坂本に対し嫌悪感を抱いた。



「痛いよっ!馬鹿っ!!」


その言葉で少し冷静になる。


「ああ、ごめん」

「まぁ無理もないかぁ」

「お前もタイムリープしたの?」

「タイムリープ?なにそれ?」


桜の感じからすると、タイムリープでは無さそうだった。 


「じゃあどうやってこの時代にやってきたんだ?」

「どうやってって言われても」


桜も少し困惑していた。


坂本はなぜここに桜が居る事とこの間にそれを言わなかったのか気になった。


「お前なんでこの間会った時に言わなかったんだよ?」

「この間?私今日あんたらと会ったんだけど」

「ん??どうゆう事だ?」

「だってこれ私の夢でしょ?」

「夢??」


2人は呆気に取られていた。


坂本はこれまでの経緯を桜に話した。


桜は坂本の話を黙って聞いていた。


一通り桜は話を聞いて俄には信じられない様だった。


「んーそんな事あるのかなぁ?」

「俺だって信じられないよ。こんな事」

「それが本当だったら私たちの時代では、今あんたら行方不明じゃない?」

「んーわからない。そんでお前はどうしてここに居るんだ?」

「私は寝た時、たまにこの時代の夢を見るんだよね〜」

「なるほど...」


坂本達のタイムリープと桜の夢と連結してる。


一体どうゆう事なんだろうっと坂本は頭を抱え込んだ。


そして...


「あっ!!!」


坂本は思い出した様に声をあげた。


「ちょっと待ってて!あいつらも呼んでくる」

「いや!待って!」

「え?」


部屋に入ろうとする坂本を桜は止めた。


「まだこの事は2人だけの秘密にしておこうよ」

「なんで?」

「いいからさ」

 

桜は不気味に微笑んだ。


「まぁいいけど...」

「その代わり私も協力してあげるわ」

「何を?」

「まず現代に戻ったらアンタらの今の、状況見てきてあげる」

「なるほど、助かるわ」

「面白くなってきたわぁまぁ私の夢の話だけどねぇ」


こうしてようやく元の時代に戻る、希望の光が見えてきた。


2人は何事もなかった様に席に着く。



宴会は終盤を終わりを迎えていた。


酔っ払って帰って行く者もいた。


そんな中、恭子が元気ない山南の横に座った。


「山南さん大丈夫ですか?」

「きょ、いや明里さん...」

「恭子でいいですよ」



恭子は全く邪気のない笑顔を山南に見せた。


この笑顔で山南は救われる思いだった。


自分の辛さより坂本達の方がどんなに辛い事なのかと、そう考えれば自分の悩みなどアホらしくも思えてくる。



山南は吹っ切れた。


「恭子さんありがとう。私は貴女に救われた気がする」


恭子は山南の顔を見て安堵した。


「アタシは何もしてないですよ」

「いや、貴女の笑顔で私の考えて悩んでるのが、バカらしくなってきて」

「あはっ元気になって良かったです」


2人は目を見つめ合って笑った。


「ところで恭子さんこの仕事は慣れましたか?」

「はい。みんなさん良くしてくれてだいぶ慣れました」

「そうですか、それはよかった」

「私はあんまりお酒が...ゴホッゴホッ」

「大丈夫ですか?」


山南は慌てて恭子の背中を摩った。


「だ、大丈夫です。少し疲れ...ゴホッゴホッゴホッ」


恭子は口元に手を当てて激しく咳をした。


恭子の異変に坂本達も慌てて集まってくる。


麻美は心配そうに、山南と恭子の背中を摩った。


激しく苦しそうに咳をする。


そして、恭子は口から吐血をした。


「まじかっ!!!」


「キョーーーーー!!!」



麻美の声が響き渡たった。


恭子はそのまま気絶した。


山南は隊士にすぐ医者を呼ぶ様に指示をした。


わんわんは坂本胸ぐらを掴んだ。


「おい!!どうゆう事なんだよ!!なんで血を吐いたんだよ!!」

「落ち着けって!恐らく結核だよ」

「結核ってなんだよ!!」


坂本はわんわんの腕を振り払った。


「ウイルスで肺がやられる病気だよ...」

「治るんだろうな?」

「もちろん現代では治るが、この時代では不治の病だよ」

「じゃあ...」

「ああ。このままじゃ恭子は死ぬ...」

「うそだろう...」


この時代では結核は不治の病と言われて労咳と呼ばれていた。


沖田総司や高杉晋作がこの労咳で命を落とした。


その病に恭子がかかってしまったのだ。


最悪の展開になってしまった。



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