第11章 禁門の変
夜もだいぶ老け、月明かりがちょうど落とし穴を照らしていた。
落とし穴の中では、疲れ果てたのか3人とも座り込んでいた。
守屋はのりおにぼそっと尋ねた。
「おまんら、どうやって新撰組に入り込んだがじゃ?」
「ん?ああぁ」
のりおは守屋と拓司にここまでの経緯を話した。
守屋は鼻で笑った。
「ふっ、もっさんの知識と鈴木さんの話術だけでか。笑えるな」
拓司は苛立ちながら言い放った。
「ふんっ甘ちゃんどもがぁ」
のりおも守屋達の経緯を聞いた。
「ワシらは、おまんらと違って5年じゃ、話せば長くなるがぜよ」
「明日の朝まで時間はたっぷりあるだろう」
「まぁそれもそうじゃな」
守屋はこの5年間の話をした。
のりおはそれを黙って聞いていた。
話を聞いたのりおは、口には出さなかったが、坂本の言う通り、2人は相当辛い5年とゆう月日を過ごしてきたと考えると、目が赤く染まっていた。
特に気になったのは、拓司の事である。
容姿以外は、全くの別人になってしまった。
特にあの冷めた目つき、これには背筋がゾッとする事がある。
何かに取り憑かれてるのかと思うほど、殺気に満ち溢れていた。
人を斬った事により死神にでも、取り憑かれたのかのような表情をしている。
守屋はともかく、この拓司を再びあの頃に戻せれるか不安であった。
拓司は守屋に殺伐とした表情で尋ねた。
「なぁもう昔のことなどどうでもええき、のりおも斬ってええがか」
守屋は首を横に振った。
「それはやめや、ここは狭いき、それに上に上がってこいつと斬り合っても、負けはせんがワシらもただじゃ済まんやろ。忘れたかこいつがキレた時の能力を」
「今のワシらが負けるわけないろう!」
そう言うと拓司は目を瞑りふて寝した。
のりおと守屋も目を瞑り眠りについた。
翌朝になり太陽の光が辺り一面を明るくした。
寝てる3人の元にロープが降りて来る。
ロープはのりおの頭に当たり、のりおは目が覚める。
のりおは目を擦りながら上を見ると、坂本とわんわんがジェスチャーで登って来いと指示を出す。
のりおは眠ってる2人を起こさないように、ロープを掴み、ゆっくりと登り始める。
しかし登ってる最中に土が下に落ち、拓司の顔に土があたる。
拓司は目を覚まし、登ってるのりおに気がつく。
そして大声を上げた。
「何をしちゅうがか!!」
その怒鳴り声で守屋が驚き目を覚ます。
2人はすぐロープを掴み登り始める。
のりおが上がりきると、坂本とわんわんはロープを離した。
2人は再び下に落下する。
それを見た坂本とわんわんは大笑いする。
下からは2人の罵声が飛んでくる。
ここでわんわんが下に向かって叫ぶ。
「同窓会はどうだったよ」
「やかましいわ!はよあげや!!」
「あーまだそんな言葉使いをするのか...」
わんわんは袴を脱ごうとした。
しかし坂本がそれを止めた。
「まぁよくのりお君を斬らんかったなー。お礼にひとつだけ教えてやるわ。武市と以蔵に残された時間は後1年だ」
「なんじゃと?」
「けど、牢屋に居る2人を助けることはほぼ不可能。つまりお前らは何も出来ないって事だよ」
「1年じゃと...?」
「足掻いてみろよ。ただし俺らは絶対に歴史を変えさせないからな」
守屋は不思議と笑みが込み上げたきた。
「上等じゃ!必ず変えちゃるき!」
「楽しみにしてるわ。そんじゃ俺ら行くからな」
「見とれよ!!!」
守屋と拓司は絶対に武市を救う事を誓いあった。
そしてある事に気がつく。
「おい!!ここから出しや!!!おい!おい!もしもーし!」
暫くするとロープが降りてきた。
2人はすぐさま登ったが木に縛りつけられたロープだけで、3人の姿はなかった。




