第11章 禁門の変
この頃、山南は坂本達のために1軒家を用意してくれていた。
居間があり部屋は2つそれを寝室にしていた。
朝になり坂本が目を覚ます。
そしてのりおとわんわんを起こす。
昨日のことが気になる坂本は2人に相談した。
「なぁ昨日気になることが2つあってさ」
「んだよ、まだくらいじゃねーか」
「眠い....」
「麻美と恭子に聞かれたくないんだよ」
起こされ不愉快になる2人。
「恭子が名乗った源氏名だけど...」
「はぁ?明里だったけ?それがどうしたんだよ...」
「史実では山南さんの愛人が明里なんだよ」
「は?マジで?」
これには2人は驚いた。
「なんで恭子がそれを知ってるんだよ」
「恭子がそのことを知ってるとは思えないけど、偶然とも思えん」
「ですね。こんな偶然ありえませんよね」
「ちょっと待ってもっさん。それが本当なら恭子は歴史上に存在してた事になるよな」
「ああ。このタイムリープ自体が、本当に起こるべくして起きたと言う事になる
「マジかよ」
わんわんとのりおはすっかり目が覚めていた。
「んでもう一つは?」
「桜に似た女の事だよ。あれも絶対なんか意味があると思う」
「すげ〜似てましたもんね」
「あんな偶然もおかしいよな」
わんわんは少し考え、坂本の頭の引き出し手をかける。
「なぁこの後の事教えてくれ」
「あ?ああ。禁門の変だね」
「詳しく教えてくれ」
禁門の変は前年の政変で長州藩が京から失脚した事が引き金になっていた。
それに加えて池田屋事件で数多くの長州藩士らがやられ、長州が暴発して幕軍、会津、薩摩相手に戦を仕掛けたのだ。
結果は長州の敗北。
御所に向けて発砲した長州藩は賊軍として汚名を着させられる事になる。
おおよその話を聞いたわんわんは、坂本に気になることを尋ねた。
「なぁこの禁門の変は有名なん?てか授業で習うか?」
「詳しくはやってないけど、授業では流す程度にやってるはずだけど...なんで?」
「ならアイツらも知ってるよな...」
「あっ...どうだろう」
のりおは大きく頷いた。
「教科書に載ってるならわかってるはずですよ。なんせ守屋は天才ですからね」
「動くだろうよ。まぁそれはいいや、んでその禁門の変はいつ起きるのよ」
「会津とぶつかるのが7月19日」
「マジかよ、もう今月じゃねーか、そんな時間もないし気をつけた方がいいな」
麻美と恭子には黙っておく事に決めた。
それと麻美達の送り迎えもする事にした。
守屋達が麻美達と出会したら襲われることはないだろうが、なにが危険な事には変わりはない。
3人は稽古の準備をして山南の元へ向かった。
このままでは守屋と拓司には到底及ばないと思ってるわんわんとのりお。
真剣に稽古に取り組む2人であった。
それに対して2人が稽古して、自分を守ればいいと他力本願の坂本。
差が出るのも当然だった。
わんわんは真面目に取り掛からないと殺されると進言したが、最初から諦めてる坂本はわんわん達が守ればいいと聞く耳を持たなかった。
この不真面目な事がこの先、麻美達を危険に合わせ、坂本を追い込む事になって行く。
朝は稽古から始まり夜は麻美達の送迎これらを繰り返す毎日だった。
送迎はわんわんか坂本、のりおか坂本のペアだった。
ところがある日の夜わんわんとのりおが、新撰組の屯所に呼ばれて迎えの時間になっても、戻って来なかったため、仕方なく坂本が1人で迎えに行く事になった。
丁度店から出てくる麻美と恭子と合流した。
「あれもっさん1人?」
「ああ。わんわんものりおも屯所に行ったきり帰って来ないんだよ」
麻美は不安になった。
「もっさん1人で大丈夫?」
「大丈夫。今まで襲われた事ないだろう」
麻美はこの時嫌な予感がしたが、帰るしかないので、もっさんの後を着いて帰る事にした。
もうすぐ帰宅するところで、麻美の不安は的中する。
前方から3人組が歩いてくる。
3人は立ち止まり、刀を抜く姿を確認した。
これはやばいと思った坂本は引き返す事にした。
しかし後方からもどこからともなく3人の男が立ちはだかった。
坂本達は囲まれてしまった。
足が震えて恐怖する3人。
その中の1人が坂本を威嚇した。
「おい貴様、金と女を置いていけ」
麻美と恭子は怯えていた。
恐らくは山賊であろう。
だがここですんなり渡すわけもいかない。
「頭この女どもかなりの上物でっせ」
坂本は刀を抜いて守ろうとしたが、剣術は全く上達してないため、全身震えていた。
「コイツ震えてるぜぇ」
坂本はここでハッタリを咬ます。
「おい、俺は新撰組だぞ。今なら見逃してやる」
これには山賊達は大笑いした。
「そんな嘘誰が信じるか、それに壬生狼がそんな震えるわけないだろうが!」
「いや本当だぞ!俺に手を出せば土方や沖田が黙ってないぞ!」
人の褌で相撲を取る坂本である。
山賊の頭が部下に命令する。
「構わん殺せ」
「へい」
麻美と恭子は震えて抱き合っていた。
坂本は刀を構えていたが、もはや無意味である。
山賊は坂本に斬りかかる。
坂本は死を覚悟した。
だがその時だった。
後方から誰か斬られ、叫び声が響き渡る。
2人の男が次々と山賊を斬って行く。
男は大笑いしながら山賊を斬っていた。
「ギャハハハハ!!弱い!!なぜこがに弱いがじゃ!」
一瞬で山賊は全員斬られた。
坂本は誰だがすぐわかった。
3人を救ったのは守屋達だった。
坂本にとっては最悪の展開となった。




