表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の絆  作者: ふじわら
PR
58/266

第9章 土佐勤王党

武市道場にて。

事件から2ヶ月程経過していた。


武市は、平井収二郎を呼び今後の事について話し合っていた。


この間の事件で、いかに下士の力が弱いのか思い知らされたからである。


武市は藩を尊王攘夷一色に染めたいのである。

しかし藩政吉田東洋は開国論者である。


武市が何度も何度も建白書を、土佐藩主に提出してるのであるが、全て吉田の所で握りつぶされている。


吉田は建白書を読んで武市が唱える尊王論を単なる時代の流れに乗ろうとしているとしか考えてなかった。


自分の考えもなく、自分が中心となって藩を牛耳りたいという思い、浅はかな考えであると...。


それを裏付けるように、武市は長州の久坂玄瑞や高杉晋作など長州の過激な攘夷派と親交があった。



久坂や高杉は武市に、いつ土佐藩は攘夷を決行するのかと、詰め寄ってきていたのだ。   


武市には時間がなかったのだ。


「先生!久坂さんから手紙で何を言ちょりましたか?」


「いつもと同じじゃ、土佐はいつ動くのかと」


平井はため息をついた。


「先生、我々も動かにゃ長州に遅れをとってしまうきに」

「わかっちゅう!」


武市は暫く考え込んで、水面下で進めてきた事を実行する事を決断する。



「平井君、土佐の下士を集めるがじゃ」

「どげんする気です?」

「下士中心で尊王攘夷を決行するながじゃ」


平井は武市の話を聞いて不安になった。


「先生それは危険ですき、上士に喧嘩売ってるのと一緒じゃ」

「わかちゅう、じゃが動かなければ土佐は長州に遅れをとってしまうがじゃ」


土佐藩の下士は集会など人が決起する事は禁止されている。


人を集めると言う事は、上士にそう思われても

仕方ない。


もしそれを咎められたら、罰せられるのは必定である。


しかし武市の決意は固く覚悟の上である。


平井も武市の決意に打たれ覚悟を決めた。


武市には他にも気掛かりな事がある。


坂本龍馬の存在である。


龍馬には皆を惹きつける人徳がある。

龍馬が自分の考えに賛同してくれるかどうかである。


この決起には龍馬は必要不可欠であり、この先上士と揉める事になれば、必ず龍馬の力が必要となる。



武市は是が非にも龍馬の賛同を得なければならないと心に誓ったのだ。



それともう一つ、必ず弊害となる吉田東洋の存在である。


万が一の時は吉田を斬らなければならない。


その為、自分の影になって動いてもらう人物が必要となる。


武市はうってつけの人物を考えていた。

守屋と拓司である。


この2人はさきの事件で、山田を斬り上士を皆殺しにすると言い、それを止めようとした武市と龍馬すら斬ろうとした。


中平と言う友の死で、人格がすっかり変わってしまった。


拓司はあれ以降、目が据わり、口数も減ってしまった。


守屋に関しては拓司ほどではないが、事件以降

あまり他人と関わらなくなり、笑わなくなっていた。



武市はこの2人を自分の影として利用しようとしていた。



そのためか、常に気をかけ毎日毎日2人を自分の弟のように可愛がった。


人間は落ち込むと心に隙ができる。


その隙に武市は入り込もうとした。


しかし2人はあの事件で寅之進を切腹に追い込んだ上士への恨みと、それを止めなかった武市に怒っていた為、簡単には心を開かなかったのである。


根気強く武市は2人を気にかけて、ゆっくりと心を開くように努めた。



そしてもう1人、守屋と拓司を気にかける男が居た。


吉田東洋である。


吉田は、事件で上士を嫌い、会おうとしない2人に時間が合えば、根気よく通い続けていた。


だがそれでも2人は会おうともしなかった。


そして更に4ヶ月が経ち、武市道場に多くの下士が集まった。


1861年5月 武市半平太を党首とした土佐勤王党が結成された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ