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運命の絆  作者: ふじわら
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第9章 土佐勤王党

山田邸に集まる上士は殺気だっていた。

庭にかかり火を立て、全員武装している。


30名ほど集まっていた。


犬猫以下の下士が、上士を斬り殺す事などあってはならないのである。


上士の中心になっていたのが、後藤象二郎である。



後藤は決断に悩んでいた。


もし下士討伐に向かい、斬り合いにでもなったら、幕府からお咎めをくらい最悪山内家が、お取り潰しなる可能性もある。


かと言って、このまま野放しにも出来ない。


「後藤さん一気に潰すがじゃ!」


上士達は爆発寸前であった。


集団というのは実に恐ろしい。


怒りの矛先が同じならば、一致団結しそれが間違いでも、集団で催眠にかかったようなものになり、冷静な判断が考えられなくなる。


こうなると苦渋の決断を迫まれるのが、トップの人間である。


一つ間違えれば大変な事態にもなりかねない。


後藤は事が事だけに頭を抱えていた。


そんな中、騒ぎを聞きつけた、後藤の叔父にあたる吉田東洋が馬を飛ばして駆けつけたのである。


「吉田様じゃ!吉田様が到着したきにぃ」


吉田の到着により、響めきあがりますます活気ずく上士。


しかし吉田は一同を恫喝した。


「このバカタレどもがぁ!!なにをしちゅうきぃ!!!」



吉田の思いもよらない剣幕で静まり返る。


「叔父上!!申し訳ございません!」


後藤は吉田に頭を下げる。



「象二郎!!おまんらぁ土佐藩を潰す気がか!!!今、下士共と戦になってみぃ、山内家は御上からお取り潰しになる事になるがじゃ!」


象二郎は恐縮しながら、吉田に訴える。


「けんど、叔父上このまま下士共をほっとく訳にはいきませんろう」

「そがな事は分かちゅう、下士共は今何人くらい集まってるがじゃ?」

「およそ、50人ほどと聞いちょります」


吉田は黙り込み、暫く考えていた。


「象二郎、武市じゃ武市を呼ぶがじゃ、話し合いで解決するがぜよ。奴も上士と戦をする気はないろう」



後藤は頷き、すぐさま下士が集まる寅之進の邸に向かわせた。


その頃寅之進邸でも下士が武装して、殺気立っていた。


寅之進は刀を立てて、壁を背につけ座っていた。

一連の騒動を聞いた武市が慌てて到着した。


武市の登場で一気に活気ずく。


「武市先生!!!今こそ積年の恨みをとっちょりましょう!」

「おまんらぁ落ち着きやぁ!!」


武市も吉田同様、戦をする気はもうとない。


「何を言うがか!今までどれだけ、上士に虐げられたか、分かっちゅうですろう!」


望月は武市に更に進言した。


「寅之進は見事、忠次郎の仇を取ったがじゃ、褒めてつかんさい」


武市は望月を睨みつけた。


「ここは土佐じゃ!!!何があっても下士が上士に刃向かう事は許されないぜよ!!」


「ほいたら先生どうすればいいがぜよ」

「ワシが上士と話して来るきぃ」


武市は話し合いをする決断をした。


「待とうせ、ワシが行くきにぃ」



武市を囲んでいた下士達の後ろから声が聞こえてくる。



全員振り変える。


声の持ち主は龍馬であった。


龍馬はいきなり武市を、殺気だった上士の所に行かせるのは危険と感じた。


武市は龍馬に頼み込んだ。


「龍馬行ってくれるがか」


龍馬は大きく頷いた。


武市の名代として龍馬は上士の集まる山田邸に向かった。


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