第8章 悪夢
ピンポイントで寝小便の事を、坂本に詰め寄るわんわん。
坂本は焦っていた。
(見られていたのか...)
麻美とのりおも動揺し、同時に同じ事を考えていた。
坂本とわんわんの事だから、結託して自分を貶めているのかと。
全員、疑心暗鬼になっていた。
坂本とわんわんは、幼い頃から面白ければ、人の不幸でも笑いに変える。
特にのりおに関しては、麻美に仕掛けたのは、坂本である。
疑ってもしょうがない。
のりおは動揺して、坂本に詰め寄る。
「どういうことですか?俺をはめたんですか」
「んなことするか」
このやり取りを聞いて、恭子が疑問に思う。
「ん?どうゆこと?もっさんとのりお君何かしたの?」
坂本はすぐさま否定する。
「何もしてない」
しかし麻美は坂本の様子をみて、絶対何かあると感じていた。
「もっさん絶対なんかしたでしょ?」
「してねぇーよ!」
「じゃあなんでのりお君が、あんな事言ったのよ」
坂本はムキになって言い返す。
「だぁかぁらぁ〜知らねーって、なぁのりお君」
しかしのりおは、坂本を疑っていて、何も答えない。
これには恭子も呆れて坂本に詰め寄る。
「もっさん本当のこと言った方がいいよ...」
「記憶にございません」
「国会答弁じゃありません」
追い込まれる坂本をみてほくそ笑むわんわん。
この状況を楽しんでいた。
麻美はのりおに言った。
「のりお君本当に何したの?」
「じ、じつは....」
坂本はのりおの頭を叩いて、止めようとした。
しかしのりおは、麻美に白状した。
「昨日...寝小便して...もっさんに相談したら、麻美さんを巻き込む様に言われて...すいません」
「何したの?」
「ヤカンで麻美さんの股間に水を掛けました」
これを聞いてわんわんは、全て一つに繋がった。
(なるほど、そういう事か)
麻美は激怒した。
「あれはあんたらの仕業か」
「記憶にございません」
無表情で答える坂本。
のりおは素直に謝る。
「ごめんなさい」
恭子が今回の件をまとめた。
「もっさんがお漏らしして、おそらくのりお君に水を掛けて、同じ境遇にしてのりお君を味方につけたのね。それで、結託して麻美に同じことしたって事だよね?」
麻美は怒りが頂点に達していた。
「マジでもっさん最低ぇぇぇあたし女の子だよ」
「そうだ!そうだ!このクズ野郎がぁ」
ここでわんわんが尻馬に乗っかってくる。
わんわんだけが、全てを把握している。
もはやこの男には誰も勝てない。
坂本はもはや何も言い返せないので、無言を貫く事にした。
わんわんは坂本を見て笑いながら思った。
(ざまぁぁぁ)
ところがその時であった。
昨日酔っ払ってわんわんに、オシッコをかけた隊士が、物凄い勢い部屋に入りわんわん土下座して謝罪した。
「昨日は大変失礼した。鈴木殿に向かって小便を掛けてしまって...」
わんわんは焦った。
「いや...」
坂本達は唖然としてる。
しかし隊士は更に続ける。
「鈴木殿、代わりの服を用意したのでこれをお使いください」
「いや...あの...」
そう言うとわんわんに服を渡し、頭を深々と下げ、隊士は部屋を出て行った。
麻美は混乱していた。
「どう言う事....?」
恭子は全てが一つに繋がった。
「謎は全て解けた」
恭子は金田一恭子になった。
麻美も乗っかる。
「はじめちゃ...じゃなくてキョー?」
恭子は真相を話した。
「恐らくわんわんは、服を何とかしようーとしたけど、どうにもならなくなり、このままだともっさんに、いじられると思い、もっさんの股間に水を掛け、同じ境遇にしたんだと思う」
麻美は目を細くしてわんわんを見た。
完全に軽蔑の目である。
「そうする事により、万が一の事があっても、もっさんからの弄りはない様に保険をうったんだと思うよ」
坂本もわんわんを軽蔑した。
「おまえ...」
わんわん一言言い放つ。
「記憶にございません」
悪巧みをしても良い事なんてないのである。




