第7章 池田屋事件その後
健やかに寝てる2人を見て坂本は段々腹が立って来た。
そして大声で叫んだ。
「起きろゴラァァァ」
2人はびっくりして起き上がった。
そして何故か恭子の布団から、2匹の猫も驚いて飛び上がり、どっかに走って逃げて行った。
寝ぼけてるせいか、2人は状況が把握できなかった。
だが3人を見て段々、状況が分かって来る。
麻美は眠い目を擦った。
「おかえり...」
「おかえりじゃねーよぉ。何寝てるのさ」
「寝てないよ。フヮーァァ」
「思いっきりあくびして、布団で寝てたじゃねーか」
坂本を、無視して池田屋事件を聞き出す麻美。
「池田屋事件は起きたの?」
「起きたよ。奥沢さん殺されたよ」
「え?」
麻美と恭子は驚いた。
坂本は池田屋で起きた事を、2人に話した。
「タクちゃん達が...何でそんな事に...」
わんわんは険しい顔して語った。
「やっぱり土佐での出来事じゃないの?5年間で相当辛い思いし、余程の信念と覚悟がないと、平気で人なんか斬れないよ」
坂本も頷く。
「そうだね。あいつ等の過去を知らないと、解決できないかも」
「なぁもっさん。武市半平太って誰なん?何であそこまで、慕ってんのさ?」
「武市は土佐勤王党のトップだよ。さっき言ってた参政吉田東洋を暗殺して、土佐の実権を握って、長州の尊皇攘夷派と組んで、朝廷を動かし幕府に攘夷実行を認めさせたんだよ」
「ふーん。そんでそいつは今何してるの?」
「恐らく土佐の牢屋の中だと思う。」
「何でそうなるのさ」
全員理解出来なかった。
この池田屋事件の前、1863年8月18日に起きた政変のせいである。
会津薩摩が御所を警護してた長州の隙をついて、門を閉めて
長州を御所から追い出したのである。
長州や長州についてた公家等は失脚し、力を失った。
これが、世に言う8月18日の政変である。
これにより、土佐藩の山内容堂(藩主の父親)が、武市半平太の利用価値なしと判断し、土佐勤王党の弾圧に踏み切ったのだ。
元々山内容堂は吉田東洋を、暗殺した土佐勤王党が許せなかったのだ。
弾圧を決定した容堂は、すぐさま、京にいる土佐勤王党の帰国命令を出したのだ。
帰国後は勤王党の京での行い(暗殺)を、拷問し追求したのである。
しかし土佐では、上士の拷問は許されておらず、この時、武市半平太は上士に出世しており、拷問を受けることはなかった。
わんわんは武市半平太がこの後どうなるか尋ねた。
しかし坂本は答える事を躊躇った。
「先は言わない約束じゃないか...」
「いや必要なところは言わないと...」
「ふーん。ずいぶん都合の良い解釈だ事ねぇぇ」
坂本は少し拗ねていたが、仕方なく語った。
「武市半平太は、1865年に切腹した。つまり1年後だね」
「なるほど。だからあいつ等に言わなかったんだね」
「ああ。言ったらあいつ等、何するかわからないからな」
「恐らく平気で歴史を変えるだろうしな。何とか止めないとダメだし、何とかあいつ等の目を覚まし俺等の時代に、帰らないと...」
だが、わんわんは今のままじゃ、あいつを止められないと思っていた。
「剣術覚えないとなぁ」
「そっすねー。新撰組で教えてもらうのは、どうですか?」
「えーーーーー」
坂本は格闘系が苦手である。
中学生の時、小学生に剣道で負けたのだ。
逆にわんわんやのりおは、何をやっても飲み込みが早いのである。
「まぁ剣術はお前等覚えて、俺を守れば良いんだしな。俺は頭で役に立つよ」
「これだから童貞は...」
「童貞関係ないしぃぃ」
すぐさま反応する麻美。
「何もっさんまだ童貞なの?」
「ちげーし。黙れビッチ」
「誰がビッチだ。この童貞」
恭子はまた始まったっと苦笑いした。
少し和やかになった坂本達だったが....
部屋の外で、この話を全て聞いてた男がいた事に坂本達は、全く気が付かなかった。




