第4章 激論
沖田の一言で重い空気が流れる中近藤が口を開く
「ではその情報とやらを聞こうか」
わんわんは軽く頷き口を開く
「10日前の事です。我々が食事をしていたところ、3人のお侍が酔っ払って恐ろしい話をしてるのを聞きました」
「ほう...なんと言っておったのだ?」
「長州の威厳を取り戻すと...」
近藤は険しい顔立ちになる
「長州の威厳だと?」
「はい。昨年の政変前に必ず戻すと申していました」
近藤は薄笑いした
「ふっ今の長州に何ができるか」
わんわんは首を横にふり口を開く
「彼らは近々風の強い日に御所に火をかけて、その混乱に乗じて、帝を長州に連れて行く計画を立てており、更に一橋慶喜公、松平容保公の暗殺も計画しております」
それを聞いた近藤は驚き立ち上がり、わんわんに詰め寄る
「何を言うか!!!そんな戯言信じられるか!!!」
「本当にそう言ってました」
「えーい!黙れ!歳!こいつらを斬首とせぇ!!」
だが土方は冷静にわんわんに問いただした
「証拠はあるのか?証拠がなければ酒の席でのざわ事だぞ?」
しかしわんわんは臆さず答える
「あります」
「申してみよ」
「その後その人達のあとを付けました」
近藤は冷静になり、黙って座りわんわんの話に耳を傾ける
「そしたらある家に入り、暫く張っていた所、数人のお侍が出入りしてました」
「どこだそこは...」
「四条小橋で炭薪商を営む枡屋、古高俊太郎という邸です
それを聞いた近藤と土方は驚く
この1ヶ月間くらい監察を使って目を付けてたのがこの古高なのだからだ
つまりこれで古高は何かを企んでいる事は明白だと確信させたのである
更にわんわんは話を進める
「この計画を実行するにあたって近々会合が持たれると申してました」
「どこでだ」
「確か...池田屋か四国屋と申してました」
「どっちだ」
わんわんは池田屋と答えたかったのだが坂本と恭子の提案で曖昧に答えた
史実では2チームで別れ探索している
ピンポイントで池田屋と伝えると池田屋事件での死傷者が変わり歴史が大きく変わってしまうことを恐れていた
近藤は少し落ち着きを取り戻し坂本達に一言言い放つ
「ご苦労であった。あとはこちらで調べる」
「信じてもらえるのですか?」
わんわんは安堵して問いかけた
しかし土方はまだ坂本達を信用しきっていない
当然と言えば当然である
素性もわからない者の話を信用できるわけがない
しかも帝の誘拐、慶喜や容保の暗殺計画をすんなり受け入れる訳にはいかないからである
情報には兎角ガセがつきものであるのを土方はよく知っていた
「まだ貴様らを信じた訳ではない。事が済むまで監視を付けさせてもらう」
「それは構いません」
潔く答えるわんわんに対し土方は鬼の中にある小さな優しさも見せてくれた
「心配するな。それまでの貴様らの住処は用意してやる」
ずっと坂本達を見守ってた山南は頷き安堵している様子だった。
だったのだが.....
ここで坂本が余計な一言言ってしまう




