第4章 激論
土方は席に着座して落ち着いた眼差しで語りかける
「条件を聞こう」
わんわんは軽く会釈をして条件を提示した
「2つほどあります」
「申せ」
「一つは我々の身の安全保証です。我々は尊王攘夷の志はありますが、剣術が全くできません。なので新撰組で守って頂きたい」
「もう一つの条件はなんだ」
土方は軽く頷きもう一つの条件を聞く
「我々にもう2人仲間が居ます。その仲間とどうしても会わなくてはなりません。それまで我々の住むところを用意していただきたい」
土方は近藤と目を合わせて頷いた
「よかろう。おまえらの情報が本当に新撰組のためになるのなら、その条件呑んでやろう」
坂本達は顔を見合って安堵した
しかし土方は更に続ける
「だがもし偽りや新撰組のためにならない話の時は、容赦なく3人は斬首だからな」
「3人?5人居ますが...」
わんわんはそう土方に言い返す
土方は不敵に笑いながら答える
「新撰組は女は斬らん」
しかし坂本は思った
(お梅を斬ったじゃないか)
お梅とはもう1人居た局長の芹沢鴨の愛人である
土方達が暗殺した時に一緒に居たお梅を口封じで斬ったのだ
でもそんな事言ったらややこしくなるので心の中にしまっておこうと思った
そして何気なく麻美を見ると、麻美はホッとした表情をしていた
麻美は坂本に気付き勝ち誇った顔をした
それを見た坂本はなんか納得がいかなく土方に嘆願した
「副長、4人にしてください」
土方は驚いた様子で聞き返す
「なぜだ?」
「不公平です」
麻美を指差しながら言う
麻美は指されて驚く
「こいつも一緒に斬首してください」
「ちょっとあんた何言ってるの!!」
「麻男さん女装してるじゃないですか〜」
「ふざけんじゃないわよ!麻男って誰よ!私のどこが男なのよ」
少し不気味に笑みする坂本
「証拠は?」
「なにが証拠よ!どっからどう見ても女じゃない!」
「ほら女じゃないって言ってるやん!」
「違うって!女じゃないじゃない!」
「だから女じゃないでしょ?」
「もうなんなのあんた!」
苛立つ麻美
そんな2人を見て恭子が呆れて止める
「ちょっとこんな時にやめなさいよ...」
しかし麻美は恭子に言い返す
「この馬鹿が悪いんだよ!!」
一連のやり取りを見ていた沖田が笑い出す
「あははは。面白いな君たちは〜」
笑みを浮かべながら沖田は言う
「大丈夫だよ君達が言う事が新撰組にとって大事な事なら土方さんは約束を守るからさ」
原田、永倉も頷く
しかし沖田は急に真顔になり冷たく鋭い視線で見ながら言い放つ
「だけど...もし新撰組のためじゃなければ僕が斬る」
その冷たい視線は素人にもわかる殺意に満ちた眼差しだった
坂本達は急変した沖田に凍りついた
これが新撰組1番隊隊長沖田総司である




