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運命の絆  作者: ふじわら
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第16章 それぞれの道

岡田以蔵斬首当日、雁切河原(がんきりがわら)


岡田以蔵の斬首を一眼見ようと、多くの人々が河原に集まっていた。


関係者以外が入れないように、柵で囲ってあった。



首を刎ねる武士が1人。


立ち会い人だろうか。

3人の身なりの良い武士が座っていた。



他にも万が一狼藉を働く輩を取り締まる武士が20名ほど居た。


暫くすると市中を引き回された岡田以蔵が到着する。


岡田は上半身をロープで巻かれて、木の檻に入っていた。


だ罪人は見せしめの為、市中にその屈辱的な姿を晒されながら刑場に連れて来られる。



以蔵は目を瞑り黙って座っていた。



柵の外から見物人に混ざって拓司姿があった。


拓司はその姿を見て涙した。


理由はどうあれ土佐藩の為に尽くしてきて、最後に土佐藩に裏切られ、この様な姿になり哀れで仕方なかった。


以蔵は檻から出され、一枚の後座に座らせられる。



椅子に座って居た立会人が以蔵の罪状を読み上げれる。


拓司は覚悟を決めて柵を野地登ろうと手を掛けた。



しかしその瞬間...



拓司の右肩を誰かが押さえた。



拓司びっくりして振り返る。



「なぜおまんがここにいるがぜよ?」


拓司を止めたにはのりおだった。



更にその背後には坂本と麻美の姿もあった。


「やめとけ」


しかし拓司はのりおの手を振り解き柵を登ろうとした。


「だからやめろって」



のりおは拓司の腰を掴み投げ飛ばした。


「なぜ邪魔をするがか!!」

「無駄死にだって」

「おまんらに何がわかるがか!!」


拓司は勢いをつけて再度柵に手を伸ばしたが、再びのりおが止める。



拓司は地面に叩きつけられ激怒して刀を抜いた。



のりおはため息を吐き、刀を抜いた。


「もっさん手を出さないでくださいね」

「ああ」


しかし麻美は2人を止めるように坂本に詰め寄る。


「なにやってんの止めなよ!!」

「うるせー。こうでもしないと拓司は止められない」


麻美には全く理解出来なかった。


「のりお君もたくちゃんも止めてよ!」


涙を出しながら止める麻美。


しかし2人は刀を収める気配は全くない。



「邪魔じゃき!!居ね!!!」

「それは出来ん。お前が止めないならここで俺がお前を斬る!」

「上等じゃ!!」


拓司はのりおに斬りかかる。


のりおは拓司の刀を受けた。


キーーンという音をたてながら、火花が飛んだ。


「ぐうううううっ」

「くっっ」



2人は力強く刀を相手に押す。


拓司はのりおの腹目掛けて膝蹴りを入れる。



のりおは下腹部に膝を入れられよろけた。


腹を抑えながら、のりおは拓司を睨みつけた。


「お前がどんだけ強くてもこの人数には勝てない」

「うるさい!!そがなもん承知の上じゃ!!」



のりおは何かを少し考え、構えるのをやめた。


「わかった。お前が俺を斬ることが出来たなら好きにすればいい」

「もとより、そのつもりじゃ!!」

「お前に教えてやるよ、本当の斬り合いの恐怖を」

「何をカッコつけとるがじゃ!!」


拓司は激昂してのりおに斬りかかった。



そして麻美の顔に1滴の雨がポツリと掛かった。


麻美が空を見上げると無数の雨が降ってきた。


まるで天が熱くなった2人を冷まさせるかの様に、大粒の雨が辺り一面に降り注いだ。


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